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画像の品質を規定するプロンプト【Stable Diffusion web UI】

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 イラストの出来映えを左右する画質や品質の向上に関するプロンプト(呪文)は、頭の中でイメージしている光景を上手く再現してもらうためにも不可欠なものといえます。

 ここでは、公開されている多くの画像のプロンプトを拝見した上で品質向上系のプロンプトとして使用されているものをまとめています。また、人気のイラストとそのプロンプトを閲覧する中で、品質に関わるものとして特に重用されているものを検討しました。

 プロンプトを数量化したりテキストマイニングを行ったりすると客観性は当然に高まると思うのですが、あまりに手間が掛るのでざっと見た印象に基づいています。

 なお、これからAIイラストを始めようとお考えの方は、まず以下のページからご覧ください。

Stable Diffusion web UI を利用してAIイラストを生成する
AIイラストを作成するために「Stable Diffusion」をパソコンにインストールしてローカル環境を構築してみました。導入直後に生成したサンプル画像もあります。
AI画像の生成はグラフィックボードの交換で超快適になる!
グラフィックボードを「GTX 1660 Super」から「RTX 3060」に換装しました。その結果、AI画像生成の処理において画像生成にかかる時間が大幅に短縮されました。
AIイラストの画像生成におすすめのグラフィックボード
「Stable Diffusion」のようなAI画像生成に最適なグラフィックボードを選ぶ際の注意点を簡潔にまとめています。

【使用】
「Stable Diffusion web UI(AUTOMATIC1111版)」
「Anything-v4.0.ckpt」

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クオリティアップを目指して取り入れたいプロンプト

品質向上系のプロンプトの重要性

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 生成される画像は品質向上に関するプロンプトをいくつか入れることで全体または特定の部分のクオリティが劇的に向上するようです。

 したがって、画像の生成には品質向上に関するプロンプトを入れることが必須といえます。このようなプロンプトは、具体的な中身のある表現ではなく、美しさや精細さを漠然と表現するものです。

 プロンプトを全体的に眺めてみると「めちゃくちゃ高精細」または「8kのように高画質」みたいなもの、それから「詳細に描かれた○○」みたいなもので占められているようです。入力者の「とにかくマジで本当に最高のイラストを出してくれ頼む!!」という執念のようなものがひしひしと伝わってきますね……。

 しかし、品質向上系のプロンプトを盛り込めば良くなるかというとそうでもないように感じます。実際に超美麗なイラストを見てみると2~3個しか入っていないことが多いです。「masterpiece(傑作)」と「best quality(最高品質)」、そして「detailed ~(きめ細かい ~ )」がよく使われている印象を強く受けます。

 どれをどれだけ入れたらよいか迷っている方や始めたばかりの方は、品質向上系のプロンプトを2個~3個に厳選してみてはいかがでしょうか。

 なお、これらのプロンプトは最初に記述されていることがほとんどです。モデルによっては()で括って強調している方もいるようです。

 使用する「モデル」によって推奨されている「プロンプト」があることもあるので、「モデル」をダウンロード時に説明を確認してください。

 全体の品質を規定する要素でもあるプロンプトは、ある意味では画像の内容よりも重要といえるかもしれません。

 とはいえ、今はもう「ControlNet(コントロールネット)」を用いて画像を生成するという流れになっているようです。インストール方法は次のページをご覧ください。

「ControlNet」の導入とその使い方【Stable Diffusion web UI】
ControlNet の導入方法と使い方を初心者向けに紹介しています。ControlNet を導入することでAI画像の構図や人物のポーズを自由に設定できます。

 それでも、動作やポーズに関わるプロンプト等を知っておいて損はありません。動作やポーズに関わるプロンプトの詳細は以下のページをご覧ください。

構図とポーズに関するプロンプト【Stable Diffusion web UI】
構図と人物のポーズに関する描写のプロンプトをまとめて掲載しています。キャラクターのポーズを上手く表現することで動きのある画像が生成されるようになります。
髪の描写に関するプロンプト【Stable Diffusion web UI】
髪型や髪色の描写に関するプロンプトをまとめて掲載しています。髪色と髪型を指定することで未指定とは違ったキャラクターを生成することができるようになります。
表情の描写に関するプロンプト【Stable Diffusion web UI】
表情と感情に関する描写についてのプロンプトをサンプル画像とともに多数掲載しています。顔の表現は人物の魅力と印象を大きく左右する重要な要因です。
背景に関するプロンプト【Stable Diffusion web UI】
このページでは風景・景色・場所などの背景に関するプロンプトを掲載しています。背景の描写は人物を引き立てて雰囲気や物語性を良くすることに繋がります。

品質向上系のプロンプトの一覧

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 品質の向上に関わると思われるプロンプトが、実際にどこまで有効なのかは難しいところだと思いますが、適切なものを入れると結果が格段によくなるのは何度も画像を生成していると分かります。

 以下に主要なプロンプトをまとめています。気になったものがあればコピペして試してみてください。ひとつずつ入れ替えて、変化を観察すると面白いかもしれません。

高品質であることを直接的に表現するもの

masterpiece
マスターピース
傑作 唯一無二のものを求める
best quality
ベストクオリティ
最高品質 何よりもすごいもの
ultra detailed
ウルトラディテールド
超高精細 最高の細やかさを求める
highres
ハイレゾ
高解像度 音響関連でも頻出のワード
high-resolution
ハイレゾリューション
高解像度 省略なし
4k 4k 綺麗さを表わす身近な表現
4k portrait 4kポートレイト 人物と関連付ける
8k 8k  
8k portrait 8kポートレイト 人物と関連付ける
unity 8k wallpaper ユニティ8k壁紙 最新ゲームの画質のような
extremely detailed CG
unity 8k wallpaper
超高精細CGユニティ8k壁紙  
extremely detailed CG 超高精細なCG  

 他にも映像や写真に関する言葉を入れてみてもよいかもしれません。高級一眼レフカメラの製品名を入れているものも1件ありました。何でも試してみるものですね。

「EasyNegative」の導入とその使い方【Stable Diffusion web UI】
「EasyNegative」を導入することで、ネガティブプロンプト入力の負担を最小限に抑えることができます。また公開されている画像を再現するときに必要になることも稀にあります。

絵の綺麗さを訴えるもの

super fine illustration
スーパーファイン
イラストレーション
超絶技巧イラスト とにかくすごいイラストを
求めるときに
oil painting
オイルペインティング
油絵 油絵のような描画を
求めるときに
watercolor painting
ウォーターペインティング
水彩画 水彩画のような描画を
求めるときに
beautiful artwork
ビューティフルアートワーク
イラスト・絵画 芸術作品のような
official art
オフィシャルアート
公式アート 公式にあるような
production art
プロダクションアート
製品アート 製品に使われているような
novel illustration
ノベルイラストレーション
小説の挿絵 挿絵のような
anime screencap
アニメスクリーンキャプ
アニメのキャプチャ アニメ調の画像を求めるときに

 映画、アニメ、絵画などの芸術関連の言葉や表現を取り入れてみるのも面白いかもしれません。

AI音声合成はもはや人間と区別できないほどリアル
最近のAI音声合成(入力文字読み上げソフト)は驚くほどにリアルな発話が可能です。その中でもVOICEPEAKシリーズは特に優れています。

特定の部分の精細さを強調するもの

detailed ~ 詳細な~
~ の詳細な描写
detailed系は多い
綺麗に描きたい部分にとりあえず
「detailed」を付けておく風潮
highly detailed ひじょうに詳細な 精細さを求めるときに
super detailed skin とてもきめ細やかな肌 肌の描写にこだわるときに
detailed beautiful eyes 美しい目 目の描写にこだわるときに
detailed beautiful face 美しい顔 顔の描写にこだわるときに
detailed beautiful face
and eyes
美しい顔 美しい顔を描きたいときに
very detailed background とても細やかな背景 背景にこだわるときに
highly detailed background ひじょうに細やかな背景 背景にこだわるときに

 綺麗かつ緻密に表現したい部分があれば「detailed ~」を試してみるのはひとつの手だと思います。

 表情に関するプロンプトと組み合わせてみるのもよいかもしれません。

表情の描写に関するプロンプト【Stable Diffusion web UI】
表情と感情に関する描写についてのプロンプトをサンプル画像とともに多数掲載しています。顔の表現は人物の魅力と印象を大きく左右する重要な要因です。

品質向上系のプロンプトの使用例

 こういうプロンプトをよく見かけます。私もよく使っています。個人的には品質に関するプロンプトは2~3個で十分だと思います。

masterpiece, best quality, detailed beautiful face and eyes,

 しかし一方で、次のようにプロンプトをたくさん盛り込んでいる例もあります。

masterpiece, best quality, detailed, 8k, 4k, highres, detailed beautiful eyes,

 プロンプトを色々変えて試してみるのも面白いですね。

 画風を変化させたり描き込みを増やしたりした場合は「flat LoRA」の導入がおすすめです。詳しくは以下のページをご覧ください。

「flat」 LoRA による画風の変化と画像の精緻化【Stable Diffusion web UI】
「flat」LoRA はマイナス適用するという斬新な発想で画風を大きく変化させるとともに描き込みを増やして細部を精緻化させることを可能にします。

プロンプトをひとつずつ変えて有効性を検討する

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 以上のように品質向上系のプロンプトはさまざまな言語表現が使われています。特定のプロンプトの有効性は導入した「モデル」の性質や他のプロンプトとの関連性によっても大きく異なります。特定のプロンプトを入れてもまったく変化がないかもしれませんし、潜在的に他のプロンプトに影響を及ぼしているかもしれません。

 とにかくトライアルアンドエラーによって良さそうなもの厳選していくしかないと思います。ひとつずつ変えていくことで、何か変化が見られるかもしれません。

 いろいろな画像を見ると一度に使われている品質に関するプロンプトは数個のことが多いようです。または、全体の画質を規定するものを1~2個入れた後に、目や表情のような特定の部位を詳細に描くためのプロンプトを入れているものがそれなりにありました。

 反対に、ネガティブプロンプトのほうに「worst quality(最悪の品質)」や「low quality(低品質)」といった品質低下に関するプロンプトを記述することも一般的に行われています。そのあたりで上手くバランスを取ることも有効といえそうです。

 ネガティブプロンプトについては以下のページをご覧ください。

ネガティブプロンプトの重要性【Stable Diffusion web UI】
ネガティブプロンプトに関する表現をまとめて掲載しています。ネガティブプロンプトは意図しない表現を抑止するために必要不可欠な要素といえます。

 

人物の描写に関するプロンプト【Stable Diffusion web UI】
人物の描写に関するプロンプトをまとめて掲載しています。登場人物の性別や人数、それらの組み合わせ等はプロンプトを調整することで変更できます。