AIイラストの画像生成におすすめのグラフィックボード

バックプレートスマホ・PC
スポンサーリンク

 AIよる画像の生成には、それなりのスペックのパソコンが必要となることがあります。

 2023年3月時点では、「Stable Diffusion(ステーブル・ディフュージョン)」が利用されています。その中でも、「Stable Diffusion」を誰でも簡単に利用できるようにした「Stable Diffusion web UI(AUTOMATIC1111版)」がAIイラストの主流となっています。これを導入することで自分のパソコン上(=ローカル環境)で「Stable Diffusion」を利用することができます。

Stable Diffusion web UIを利用してAIイラストを生成する
AIイラストを作成するために「Stable Diffusion」をパソコンにインストールしてローカル環境を構築してみました。導入直後に生成したサンプル画像もあります。

 動作に必要な環境は、OSがWin 7以降、VRAMが最低4GB、ストレージの空き容量が最低10GB以上のようです。また「Stable Diffusion」を動かすにはNVIDIA製GPUが必要です。CPUやメインメモリはほどほどで構いませんが、VRAMとストレージは多いほうが快適です。

 なぜなら、VRAMが12GB以上あると画像生成から学習まで一通り利用することが可能だからです。また、さまざまな「モデル」を利用したり生成された画像を保存することを考えるとストレージにも容量が求められます。

 GPUの価格設定は昔と比べてとても高価になっており、ミドルクラスの製品さえも軒並み5万円を超えています。そして、ハイエンドの製品は高性能パソコンが買えるほどの価格になっています。2023年3月24日時点おける円高傾向がこのまま進行すればしばらく遅れてPC関連パーツの価格に反映される可能性もあります。それも微々たるもので短期間で劇的に安くなることはないと個人的には予想しています。

 24GBのVRAMを搭載した「GeForce RTX 3090」や「GeForce RTX 4090」があまりに高価格であることを踏まえると、グラフィックボードは12GBのVRAM搭載した「GeForce RTX 3060」が最適解といえます。

スポンサーリンク

AI画像生成に最適な「GeForce RTX 3060」を手に入れよう

パソコンの購入を予定している場合

 今からAIイラストを目的としてパソコンを購入されるのであればデスクトップPC一択です。ゲーミングPCやクリエーターPCといった高性能の製品をお店で探してみてください。

 ゲーミングノートPCはVRAMの容量が明示されていないことがあるので、公式サイトの仕様をよく確認してください。しかし、ノートPCよりも拡張性の高いデスクトップPCを強くおすすめいたします。

 パソコンを買うお店は、家電量販店よりもドスパラ、ツクモ、パソコン工房などのPC専門店をおすすめします。PC事情に詳しい店員さんがたくさん常駐しています。

 店頭では値札のあたりにスペックが記載されていますが、そこに「GeForce RTX 3060」と書かれているかどうか、12GBのVRAMを搭載した製品かどうかを必ず確認してください。最近ではAIイラストやVRChatの人気を受けて「VRAM12GB」であることが強調されるようになっています。

 ご予算に余裕のある場合は、CPU性能、メモリ容量、ストレージ容量などが充実したモデルを選んでください。今はメモリやSSDがかなり安くなっていて買い時といえます。

「GeForce RTX 3060」がおすすめされる理由

 高性能のグラフィックボードは、機械学習、深層学習(ディープラーニング)、VRChat、AIイラストなどにも重用されています。

 AIイラストにおける画像の生成は、グラフィックボードに搭載されたVRAMが使われています。画像生成中のVRAM使用率は、VRAM6GBのグラフィックボードでは常に天井に張り付いた状態になっています。

 それに対して、解像度512×512の画像生成に限るとVRAM12GBのグラフィックボードはVRAMの使用率にかなりの余裕があります。そして、画像生成時間も大きく異なります。そのため、VRAMの容量が多いグラフィックボードが必要と言われているのです。

 グラフィックボードは「GeForce GTX 1660 Super(VRAM6GB)」でも画像を生成することができますが、「GeForce RTX 3060」に交換することで画像の生成に要する時間が大幅に短縮されて体感的な快適性が劇的に向上します。

 また、追加学習を行うためにも、12GB以上のVRAMを搭載した高性能グラフィックボードが必要です。12GBのVRAMが搭載されているグラフィックボードは、ミドルクラスの「GeForce RTX 3060」になります。「GeForce RTX 3060」よりも上位のグラフィックボードは、どれもすべて高価格帯の製品になってしまいます。

「GeForce RTX 4060」の発売を待つべきか?

 2023年、RTX 40シリーズのデスクトップ版である「GeForce RTX 4050」「GeForce RTX 4060」の発売が噂されています。また、「GeForce RTX 4070」は4月頃に発売される見込みがあるとのことです。

 「GeForce RTX 4060」を待つべきかという迷いも出てくると思いますが、VRAMが12GB以上になるという保証はどこにもありません。VRAMは8GBと予想しているところもあります。それが正しいかどうかは分かりません。→海外サイトの情報を見る限りではVRAMは8GBのようですね。

 仮にVRAMが12GB搭載されていたとしても、「GeForce RTX 3060」より高い価格になってしまうのではないでしょうか。そうでなければ「GeForce RTX 3060」が売れなくなってしまいます。

 なお、「GeForce RTX 4070」はVRAMが12GBのようですが、「GeForce RTX 4060」の上位モデルであることを考えると、発売時の価格は10万円を越えるのではないでしょうか。

 確かな情報のない製品のことは考えずに、現状で「GeForce RTX 3060」が必要かどうかを吟味するほうが賢明といえます。

「GeForce RTX 3060」購入時の注意点

【超重要】VRAMの容量を確認する!

 この「GeForce RTX 3060」はVRAM12GB版以外にもVRAM8GB版があります。また、上位モデルの「GeForce RTX 3060 Ti」はVRAMが8GBになってしまいます。そのため、購入時はパッケージと仕様表をよく確認してください。

 「GeForce RTX 3060」を搭載したグラフィックボードの中でも、価格が安いものはVRAM8GBの製品が占めています。グラフィックボードは製品のパッケージがどれも似たり寄ったりです。VRAMの値を何度も確認してください。

 VRAM12GBの「GeForce RTX 3060」は2023年3月時点では5万円前後で手に入ります(価格は日々変動します)。今は47,980円等のように5万円以下であれば安いほうです。しかし、価格をしばらくチェックしていますが、4万円台後半のものはかなり少なくなっている印象です。必要な方はお早めに。5万3千円以下のものがまだいくつか手に入るはずです。中には6万円前後のものもありますが、それはかなり高いと思ってください。

メモリバス幅も一応確認する

 「GeForce RTX 3060」を選ぶならVRAMの容量とともに、メモリバス幅が192bitあるかも(規格に基づいて作られているので多分大丈夫だと思いますが)念のために確認しておいてください。

 後から調べてみましたが、NVIDIAの公式サイトにあるように、VRAM12GBの製品はメモリバス幅が192bitのようです。また、VRAM8GBの製品はメモリバス幅128bitとなっています。VRAM容量をしっかり見ておけば問題なさそうです。

 なお、メモリバス幅とは情報をやり取りするための道幅のことです。大雑把に言い換えると、工場(GPU)から倉庫(VRAM)へ荷物(情報)を載せたトラックが頻繁に行き来するときに、車線が少ないよりも多いほうが交通の便(データ転送量)が良いということになります。

電源関係のことを確認する

 グラフィックボードを交換する際は、パソコンの電源容量と補助電源コネクタについて確認しておく必要があります。

 「GeForce RTX 3060」のシステム電力要件は、NVIDIAの公式サイトによると「550W」となっています。けれども、オーバークロックモデルは推奨電源が余裕のある「600W」に設定されていることがあります。

 電源を昔の自作PCから使い回しているといった場合は450Wや500Wくらいしかないことがあります。

 補助電源コネクタは「PCIe 8-pin」です。セミプラグイン方式の電源をお使いの方は、必要なケーブルが余っているかどうか確認してください。なければ分岐ケーブルや変換ケーブルを別途用意しなければいけません。

冷却ファンの搭載数を確認する

 「GeForce RTX 3060」の冷却ファンは、1~3個仕様の製品が販売されています。

 グラフィックボードは同性能のものであれば、一般的にシングルファンよりもデュアルファンやトリプルファンのほうが冷却性能は高くて騒音も低いと思われます。

 デュアルファン以上のものはセミファンレス仕様になっているものがあります。セミファンレス仕様の製品は、待機時や低温時にファンがストップするような仕組みになっています。これはインターネットの閲覧や動画の視聴時において、ファンが回転しにくく静かな環境で楽しめるということです。

 そういう機構が搭載されているかどうかも事前に調べておくことをおすすめいたします。

 「動作音がうるさいのは許容できない」や「寝ている間に画像生成や学習を行いたい」ということであれば、静音性が高いトリプルファンのモデルを選んでください。

グラフィックボードのサイズを確認する

 ファンの搭載数はグラフィックボードのサイズとも関連しています。どれが優れているかというよりは、それぞれ長短があります。

 シングルファンは本体がコンパクトでPCケースが小さくてケース内が一杯でも取り付けられる可能性があります。一方、トリプルファンは冷却性能に優れているものの、本体サイズが大きくて30cm近くの空間が必要となるため省スペースのPCケースにはまず入りません。

 しかも、トリプルファンのモデルにはPCIスロットを3スロット分も占有する製品があるため、ほかの拡張ボードと干渉してしまう恐れがあります。今後PCIeスロットを拡張することも想定した上で、製品のサイズを確認してみてください。

 自作PCをお使いの方はATX規格のマザーボードが入るフルタワーやミドルタワーのケースをお使いの方が多いと思いますが、ゲーミングPCやBTOのPCの中には省スペースのものもあります。大きなグラフィックボードは小さな筐体には物理的に取り付けられませんので内部の寸法を測ってみてください。

 大きなPCケースでもHDD用の5インチベイがケース下部まであるようなものは取り付けられないかもしれません。PCケースを買い替えるか、もしくは余計なベイをグラインダーや金鋸で切断する手もあります。

「GeForce RTX 3060」による画像生成時間の短縮

 「GeForce RTX 3060」を使用することでそれよりもVRAM容量や性能の低いグラフィックボードと比べて、画像の生成にかかる時間が大幅に短縮されます。解像度が512×512であれば約4秒、512×768であれば約7秒となります。

 今「GeForce GTX 1660 Super」以下のグラフィックボードをお使いの方は、画像がなかなか生成されないという悩みが一気に解消されます。このくらいの待ち時間であれば十分に許容範囲内です。それはもう今までの待ち時間は何だったのかと叫びたくなるほどの変わりようです。

 また、アップスケーラーを活用して画像を高画質化する際には、VRAMはあればあるだけ使うようなイメージです。皆がVRAM容量の重要性について指摘していることには明確な理由があるのです。

 だからVRAMは必ず12GB以上の製品を選んでください。AIによる画像生成はVRAMがもっとも重要な要素になっているという現状があります。

 ↑これがおすすめ!! この価格は中々ないですよ!!! 3連ファンで静音性が高いです。ただし、サイズと占有スロットに注意!

 ↑(左)激安!! つくばに乗り込めえええええ!!!(まぁ開店前から並んでいる人が居てすぐに売り切れるでしょうね)

 

 店頭では週末にセールを実施しているところもあります。また、3月は決算セールをしているところもあるようです。ネットショップであればツクモやドスパラで5万円未満の「GeForce RTX 3060」がまだ販売されています(3月18日時点)。

 どこで何を購入するにしても「GeForce RTX 3060」のアマゾンのレビューを片っ端から読んでおいてください。良いグラボを見つけてくださいね!

AI画像の生成はグラフィックボードの交換で超快適になる!
グラフィックボードを「GTX 1660 Super」から「RTX 3060」に換装しました。その結果、AI画像生成の処理において画像生成にかかる時間が大幅に短縮されました。
グラフィックボードを交換する方法
グラフィックボードを換装する手順についてPC初心者でも分かるように画像付きで詳しく紹介しています。交換時にありがちなトラブル事例集もあわせて掲載しています。
Stable Diffusion web UIを利用してAIイラストを生成する
AIイラストを作成するために「Stable Diffusion」をパソコンにインストールしてローカル環境を構築してみました。導入直後に生成したサンプル画像もあります。