しばらく前に眼鏡屋さんのセールでフレームが少しお安くなっていたこともあって眼鏡を新調しました。古い眼鏡は度数に問題がないものの、フレームの傷や汚れが気になっていたので丁度よい機会だと思ったのです。
フレームは大きめのものを選び、レンズは標準レンズのままで作ってもらいました。新しい眼鏡は最初のうちは変な感じがしますが、しばらく掛け続けていると段々と慣れてくるとのことでした。されど、レンズが分厚い点はずっと気になっていたので、数ヶ月後のセールで思い切ってもう一つ作ってみることにしました。
レンズだけを入れ替えてもらうことも当然選択肢にあったのですが、二つ作っておいてほうが後々便利だろうという結論に達して二つ目を作ることにしました。しかも、今度の眼鏡も同じフレームです。レンズは薄型非球面の中から一番薄いものを選びました。オプションのレンズには他に「超薄型両面非球面」もありましたが、そちらは高すぎると思ったので除外しました。
このページでは Zoff の標準球面レンズと超薄型非球面レンズを比較した所感を簡単にまとめています。また、異なるレンズを同じフレームに装着した画像を比較しています。眼鏡を購入するときの参考にしていただけると嬉しく思います。
標準の球面レンズとオプションの超薄型非球面レンズの比較
標準レンズを選ぶべきか超薄型非球面レンズを選ぶべきか
今では Zoff(ゾフ)や JINS(ジンズ)などの眼鏡屋さんで眼鏡をお安く作ってもらえることができるようになっています。以前は ALOOK(アルク)で購入していたのですが、業態変更で眼鏡市場になって最寄りの店舗もなくなったことで足が遠のいてしまいました。
さて、いくつかの量販店では標準レンズを選べばフレームの料金だけで眼鏡を作ってもらうことができます。家用の眼鏡や運転用の眼鏡といったかたちで用途別に眼鏡を作ることも気軽にできるようになりました。
オプションのレンズも薄型レンズやカラーレンズなど豊富に用意されています。標準のレンズが球面のレンズになっているのに対して、オプションのレンズは薄型かつ非球面のレンズになっています。
標準のレンズは球面になっていてレンズがやや厚いのが普通です。それに対して、オプションのレンズは非球面であることに加えて、数段階ごとに厚みの異なるレンズが用意されており、当然のことながら薄型になればなるほど価格も高くなります。いずれも球面レンズより薄いのが特徴です。
眼鏡の度数やフレームの種類にもよりますが、レンズを選ぶときに店員さんから「標準レンズは厚いのでフレームからレンズが大幅にはみ出てしまう」と言われたことのある方も多いでしょう。それと同時に、オプションのレンズを選べば「標準よりも少しだけ薄くなります」と言われることも多いですが、実際のところレンズがどれくらい薄くなるのか具体的にイメージすることは難しいです。
店員さんも「眼鏡の度数やフレームの種類による」からこそ、断定的なことが言えないのでしょう。それに、レンズの解説ページを見ても、同一のフレームに種類の異なるレンズを入れて比較した画像は見当たりません。画像がなければレンズの突出具合をイメージすることは困難です。そうなると素人にはレンズを選ぶのが難しくなってきます。費用のこともあります。レンズがどれだけ薄くなるか想像できない中で高いレンズを選ぶことはできないでしょう。
今回は色々思うところがあって数ヶ月後にもう一つ作ることにしました。最初に買った方は家用兼予備として、後から買った方は外出用として着用する予定です。迷ったら両方買ったらええねん!
球面レンズ(屈折率1.55 )と超薄型非球面レンズ(屈折率1.76)の比較
新しい眼鏡は前とまったく同じフレームを選びました。フレームの型番はアルファベット一つだけ違っていましたが同じ製品であることは間違いありません。
上の写真をご覧になってもレンズの違いはすぐに分からないと思います。しかし、各眼鏡の右端をよく見比べてみると、下の眼鏡のほうが白く濁った部分が多いことが分かると思います。そちらのほうがレンズが厚いということです。
実際に眼鏡を掛けてみると、レンズが厚い方は視界の右端と左端に白い筋のようなものが目立ちます。これは慣れの問題でもありますが、やはり気になってしまいます。また、眼鏡を外して置いたときもレンズが飛び出して外れ掛かっているかのようで明らかに不格好です。
外観を正面からパッと見るだけでは区別がつきませんが、側面から見るとレンズの厚さがまったく違っています。レンズは両端の突出がもっとも目立ちます。
カメラの位置や写真の撮り方の問題もありますが、実際に見た時もこのようなかたちで、標準レンズの方が明らかに突出していることが一目見て分かります。
標準の球面レンズは一番はみ出ているところで約3mmです。こちらは見るからに分厚いといった印象です。
(注)写真は参考のために定規をあてがって撮影していますが、この前後に定規の細かいメモリで何度か実測しています。下の画像も同様です。
オプションの超薄型非球面レンズは一番はみ出ているところで約1.8mmです。
両者を比較すると超薄型非球面レンズのほうが明らかに薄いですが、それでもフレームからはみ出てしまっています。つまり、この度数とフレームの場合は、一番高い薄型レンズを選んだとしてもフレームの中に綺麗に収まることはないということになります。
それでも、標準の球面レンズとオプションの超薄型非球面を比較してみると明らかな差があります。やはり、超薄型非球面レンズを装着した眼鏡のほうが自然な印象を受けます。
ちなみに眼鏡前側の縁も球面レンズの方が0.1mm程度ですが突出しているように見えます。これはもしかすると意図したものではなくレンズ装着時の誤差かもしれませんが……。
結局どちらのレンズを選べば良いのか?
標準の球面レンズは追加料金が掛からない利点がありますが、レンズが分厚くて球面であるため、レンズ周辺部を見ると視界が歪むようで気持ち悪く感じることがありました。
一方、オプションの薄型非球面レンズは追加料金が掛かってしまうものの、レンズがやや薄くなって周辺部の視界も歪みが少なくなることから、周囲をより自然に見ることができるように感じます。
結局のところ、予算を優先するか、視界の良さと見た目を優先するかの問題といえます。個人的な見解として、オプションのレンズは1万円以上しましたが、それでも超薄型非球面レンズにして良かったというのが本音です。
ご予算もあると思いますが、球面か非球面かといったことでメガネ酔いしてしまうこともあるので、どちらを選ぶかは慎重に決めたほうが良いと思います。
まずはレンズの違いについて各社のレンズ解説ページを確認してみてください。それぞれのレンズの特徴を理解することができます。その上で、価格が安ければそれでよいという方は標準レンズを選び、レンズがフレームからあまりに突出しているのは不格好だから嫌だという方や視界がクリアであるほうがよいという方は薄型レンズを検討してみてはいかがでしょうか。
オプションレンズはワンランク下のものでも厚みは大して変わらないといったことを店員さんから聞きました。オプションレンズを選ぶにしても、一番良いものにする必要は無かったかもしれません。予算的に厳しいという方は小さなフレームを選ぶことによってレンズの縁の突出を抑えることができます。このあたりは店員さんに相談してみてください。
どちらのレンズを選んでも新しいメガネに慣れるまではそれなりに時間が掛かります。度数が変わったりレンズの大きさが変わったりした場合、敏感な人は気持ち悪くなることがあるかもしれません。ですので、会社や学校にいきなり着けて行かずに毎日1時間ずつくらい着用時間を増やしていくようなかたちで徐々に慣らしていくことをおすすめいたします。
また、鼻パッドやテンプル(耳に掛けるところ)が合っていないこともあるので、その場合は早い段階で調整してもらってください。
(参考)
メガネ用レンズガイド(Zoff 公式サイト)
メガネレンズガイド(LENS GUIDE)(JINS 公式サイト)
レンズ(眼鏡市場 公式サイト)



