長いあいだ使用していない洗濯機置き場の防水パンを撤去しました。
防水パンは各社から様々なタイプの製品が発売されており、各製品によって形状や構造が若干異なっています。類似の製品をお使いの方には参考になるかと思います。
各部の名称は間違っている可能性もあります。予めご了承下さい。
防水パンを取り外すための準備
防水パンの取り外し前にしておくこと
まず防水パンを見て外観と外し方を確認します。それから、防水パンのメーカーや型番を調べて、仕組みや構造を理解しておく必要があります。
メーカーや型番が分からない場合は「防水パン」で「画像検索」して同じ形状のものを探します。同様の製品が出てこない場合は、類似製品を取り上げているサイトで内容をチェックしておくと、作業を円滑に進めていくことができます。とはいえ、防水パンはどれも似たり寄ったりですので、このページの手順を参考にしていただいても大丈夫です。
防水パンを取り外しに必要なもの
防水パンを撤去するには次のような道具が必要になります。
ただし、必要な道具は厳密には製品ごとに異なります。製品によっては防水パンの固定にビスが使われていないものもあります。また、排水筒の周囲のコーキングを切る作業が必要になることもあります。
1.電動ドライバー(またはプラスドライバー)
防水パンを固定しているビスの取り外しに使用します。ビットのサイズはプラス2です。
これは普通のドライバーでも問題ありません。
2.ドリルビット(または錐、マイナスドライバー)
防水パンの四隅を固定しているビスのカバーを外すために、先端の尖った道具が必要になることがあります。
電動ドライバーをお持ちの方は、ドリルビットに差し替えるとすぐに外すことができます。手作業の場合は錐やピンバイスなどがあるとカバーを外しやすくなります。
3.カッターナイフ
排水筒などの部品にコーキングがうたれている場合や、ゴムパッキン(平パッキン)が固着している場合はカッターナイフがあると便利です。
カッターナイフは文房具用ではなく、職人さんが使っているもののほうが圧倒的に使いやすいです。
4.その他
排水筒などの部品が回らない場合に、バールや玄翁(かなづち)があると便利です。部品が固着していると簡単に取り外すことができません。
防水パンを撤去した後は掃除が必要になりますので、掃除用具を準備しておくとスムーズに作業を進められます。
防水パンを取り外す方法
防水パンの排水トラップを外す
排水トラップは洗濯機の排水を下水に流し込むための場所です。封水によって虫や臭いが上がってこないようになっています。
上の写真は洗濯ホースと接続する「エルボ(L字型の排水パイプ)」とその周囲の「目皿(網状のフタ)」を取り外した状態です。目皿は反時計回りで回すか、または目皿の切り欠きと排水側の爪を合わせることで外れます。
エルボは洗濯ホース側に付いていることもあります。また、製品によっては目皿が「穴の空いていないネジ状のフタ」になっているものもあります。
「トラップ筒(防臭パイプ)」の切り欠きを排水側の爪の位置に合わせて引き上げます。
内部には排水管と水の溜まるトラップがあります。汚水が溜まっている場合はバケツに水を入れて流してください。
写真の排水管は長らく使用していないため最初からテープでフタをしてあります。それでも、小さな羽虫がテープに付いていました。また、汚れた水が少し溜まっていたため、テープを剥がしてから水を流しておきました。
「排水筒」を反時計回りにして外します。この作業は苦戦するかもしれません。
渾身の力を込めて回しても筒がまったく回らないことがあります。そのときは、防水パン本体と筒の隙間にコーキングやゴムパッキンがあるかどうかを確認します。コーキングが見えている場合は、カッターナイフを隙間に差し込んで切っていきます。
カッターナイフの刃を差し込んで力をかけて回していくと、カッターの刃が折れて飛んでくることがあります。また、手を切らないように気をつけてください。
写真の場合では、一部硬化して固着したゴムパッキンが挟まっていたため、排水筒を取り外すのに少し時間が掛ってしまいました。
筒の中に汚水が溜まっていることがあります。コーキングやゴムパッキンを切る前に水を流して綺麗にしておきます。
排水管が詰まり気味の時は、この段階で綺麗にしておくことをおすすめします。防水パンを外してからですと作業しにくくなってしまいます。
ゴムパッキンを取り外します。
防水パンがビスで固定されていない場合は、排水筒を取り外した時点で防水パンを取り外すことができます。
防水パンを取り外す
防水パンはビスで床に留められていることがあります。防水パンの四隅に丸いカバーが付いている場合は、そのカバーの下にビスがあります。
カバーが防水パンにぴったりはまっていると簡単には外れません。
ビスのカバーを外します。マイナスドライバーでこじって取り外すことができることもありますが、難しいようであればドリルで穴を開けて取り外します。カバーは樹脂製のため簡単に穴が空きます。
ドリルがないときは錐やピンバイスで代用できます。
ビスの頭が穴の奥に見えています。駆動部をなめないように慎重に外します。
駆動部がなめてしまってビスが取り外せない場合は次の記事が参考になります。
とても長いビスが床に打ち込まれていました。
ビスを外した後は床に穴が空いているところが4箇所程度できます。フローリングの場合、樹脂製のアンカーが露出していることもありますので、踏みつけないように注意してください。
樹脂製のアンカーはドリルで除去することが可能です。その後、パテ埋めして塗装するとある程度は綺麗になります。ネジ穴だけの場合はパテで埋めて補修することができます。
防水パンを撤去した状態です。
床に穴が空いていることがあります。穴の大きさは配管や施工業者によって異なります。
防水パンを撤去すると埃や木くずが出てきます。幅木や壁紙にも汚れがこびり付いているため掃除が必要です。
防水パンを取り外してみると幅木から釘が飛び出ているところがありました。見えないところだから適当に済ましたのでしょうか……。
排水管とトラップの両方にフタをしておきました。隙間があると臭いと虫が上がってくることがあるので注意が必要です。
穴の空いた床はビニールでふさいでいます。もちろん、これは一時的なものです。床の補修は後日行う予定です。適当なサイズの板がある場合は、それを敷いて置くと安全です。
このブログでは、家庭向けのDIY記事がたくさんありますので、お時間のある方はぜひご覧ください。