トイレ換気扇の動作時間があまりにも短くて困っていました。動作時間を微調整できるスイッチもあったのですが、最大でも3分程度で切れてしまうのです。
そこで、トイレの照明&換気扇タイマースイッチを新しい器具に交換することにしました。交換作業は単純で時間もそれほど掛かりません。費用は自分で交換することができれば約5,000円で済みます。
同じモデルは既に廃番になっていたため、後継のモデルを選びました。スイッチは換気扇部分だけを交換することもできたのですが、価格がそれほど変わらないことと、一部だけ取替えると汚れが目立つことを考慮して、まるごと交換することにしました。
ここでは、免状を取得したばかりの方や作業から遠ざかっている方がスイッチを円滑に交換できるように作業の手順と配線図を紹介しています。電気工事士の資格を持っているという前提でまとめています。
トイレ換気タイマースイッチの適合品について
トイレの照明&換気タイマースイッチの定番製品
トイレ用の換気タイマースイッチはいくつか販売されています。それらの製品の中で、動作時間を細かく設定できる製品はパナソニックの「埋込電子トイレ換気スイッチセット(WTC 54816W)(写真左)」になります。
こういう製品はホームセンターで購入すると割高(2,000円前後違うことも普通にあります!)ですから、ネットショッピングでお手頃価格のものを探してみてください。ここで紹介している製品は Amazon で購入したものになります。
このセットには照明のスイッチと換気扇のスイッチが一体になったものが入っています。渡り線は含まれていませんので、VVFケーブル1.6mm を10cm程度用意する必要があります。
また、化粧プレート(写真右)も同梱されていないため、コスモシリーズワイド21に対応したプレートを別途用意しておく必要があります。これはその辺のホームセンターで手に入ります。
なお、プレートがセットになった製品も Amazon で取り扱われていますが、購入時点では割高だったために別々に購入しています。このあたりはよく確認してください。
同梱物はスイッチセット、取扱説明書、施工説明書の3点です。配線図や動作時間の設定方法は説明書に詳しく記載されています。説明書を読むだけで容易に施工できます。
スイッチのハンドルに貼り付けられた保護シートは、傷防止のために施工が完了するまで外さないでください。
仕様と配線図は器具の背面にも記載されています。接続はまったく難しくありません。同様のモデルを使っている場合は、配線を差し替えるようなイメージになります。
換気扇のタイマースイッチは奥行きがあるため、ある程度の空間が設置箇所に求められます。
ハンドルを取り外すと動作モードを切り替えるスイッチと動作時間を設定するためのダイヤルスイッチがあります。
動作切替えスイッチは、トイレに入るときから動作させたい場合には「遅れ停止」にセットし、トイレから出たときに動作させたい場合には「一時動作」にセットします。家では「遅れ停止」に設定しています。
動作時間はダイヤルを切り替えることで10秒から30分の間で14段階で設定することができます。一定時間が経過したら換気扇が自動でオフになります。
このスイッチは30分まで割と自由に設定できるというところに良さがあります。その反面、スイッチを一度押すと設定時間が経過するまでキャンセル(解除)はできません。
施工と配線図について
施工手順は付属の説明書を読めば(電気工事士であれば)誰でも理解できます。渡り線の準備をお忘れなく。
製品の仕様や説明書は以下の製品ページからすべて確認することができます。パナソニックの良いところは製品に信頼性があることと、さまざまな情報が開示されているということに尽きます。
(参考)
WTC54816W(パナソニック公式サイトの製品ページ)
配線図に関しては以下のページも役立ちます。
スイッチの交換に必要な工具を用意する
スイッチの交換にはいくつかの工具が必要になります。
・マイナスドライバー(刃先5.5mm)
・VVFストリッパー
・検電器
VVFストリッパーは古い芯線をカットして芯線被覆を新しく剥き直す作業に使います。マイナスドライバーは刃幅が5.5mmのものを器具から芯線を取り外すために使用します。
この他にも以下の道具があると便利です。
・水平器
・ウエス
LEDランタンは暗いところで両手を使って作業するときに重宝します。また、スイッチを水平に取り付けるために水平器があると便利です。こちらはなくても構いません。
渡り線の取り付け
渡り線が必要な場合は予め取り付けておきます。
渡り線については以下のページに詳しい説明があります。
スイッチの交換作業
既設スイッチの取り外し
既設のスイッチを取り外していきます。
作業の前にブレーカーを落とします。ブレーカーは早い段階で落としておくと安全性が高まります。化粧プレートを外した段階でもよいと思います。
化粧プレートは下側の窪みにマイナスドライバーを挿し込んでひねることで取り外せます。これは爪で引っ掛けても外せます。
スイッチのハンドルを外します。
次の工程と順番が前後しても問題ありません。
プレートの上下のネジを外します。
連用取付枠(金属の枠)を取り外します。上限の長いネジを外すと器具がすべて外れます。
器具が挟み金具を用いて壁に固定されている場合は、壁の裏側に落とさないように注意を払って取り外します。
壁内の配線の確認
器具をゆっくりと壁から引き出します。
ここで開口部とVVFケーブルの余裕を確認しておきます。VVFケーブルの長さがぎりぎりの場合は芯線被覆を新たに剥き直すことが難しいため、既存の配線をそのまま差し替えるかたちになります。
器具を交換する前に配線を検電器で確認してからブレーカーを落としました。ブレーカーを落とした後にも、電気が来ていないことを検電器で再確認します。
器具を引っ張り出します。そして、マイナスドライバー(刃幅5.5mm)を電線外し穴に挿し込んで電線を1本ずつ引っこ抜いていきます。電気がきていなくても芯線(銅線)には素手で触れないように注意してください。
電線を外す作業は合格マルチツールを使うほうがやりやすいです。
VVFケーブルの長さに余裕のあるときは芯線を剥き直します。
ブレーカーが確実に落ちていることを再確認してください。
新しいスイッチの取り付け
新しい器具の取り付けは、古い器具の取り外しと逆の工程になります。
配線は配線図に従って接続します。そして、器具を壁に設置します。水平がとれていることを確認します。
器具を壁に固定したら化粧プレートを取り付ける前にブレーカーを上げて動作を確認します。
タイマースイッチも短い時間から順に動作を確認しました。
照明も換気扇も問題なく動作することを確認してからプレートを取り付けていきます。
ハンドルと化粧プレートを取り付けます。
水平がとれていることを再確認して、スイッチの打鍵感も確認しました。何の問題もなく無事に施工が完了しました。このようなスイッチは同じような製品であれば既設のものと単純に交換するだけで済みます。
タイマー機能に問題を感じていたり、スイッチの感触が悪かったりする場合は、早い段階で新しい製品と交換されることをおすすめいたします。日常の快適性が大きく向上します。