近年、ストレージは OS 起動用だけでなくデータ保管用も SSD にすることが一般的になっています。
このページでは、SATA 接続の SSD をPCに増設する方法とフォーマットする方法について、初心者の方にも分かるように画像付きで詳しく説明しています。
こちらで紹介している手順は SATA 接続 2.5 インチ HDD の取り付けとフォーマットでも同様です。いずれの場合も重要なデータは先に必ずバックアップを取っておいてください。
マザーボード上に直接取り付ける M.2 SSD は、以下のページに詳しいまとめがあります。M.2 スロットを優先的に利用して、空きがなくなったら SATA 端子に 2.5インチ SSD を増設しましょう。

SATA 接続 SSD / HDD を増設する方法
大容量の SSD をデータ保管用として導入する
SSD(ソリッドステートドライブ)は昔と比べると大容量化と低価格が進んでいます。そうしたこともあって、データを保管するためのストレージを HDD(ハードディスドライブ)から SSD にする方も増えています。
データ保管用のストレージを SSD に置き換えるメリットは、HDD よりも遥かに高速に読み書きできること、HDD と違って動作音がしないこと、HDD よりも故障率が低くて信頼性が高いことなどの理由が挙げられます。
それに対して、デメリットは昔より安くなったとはいえ、価格が HDD よりも明らかに高いことが挙げられます。2TB の SSD を買う予算で 8TB の 3.5インチ内蔵 HDD が買えてしまいます。容量だけを見ると4倍にもなって心が揺らぎますが、特段の理由がない限り今は SSD を選ぶべきです。
そのあたりをよく吟味した上で、どちらを増設するかを検討してみてください。また、メーカーやシリーズなども重要です。SSD は HDD と比べると無名メーカーが跋扈していますが、それらのメーカーは初心者の方にはあまりおすすめできません。
なお、データをスマホとPCでやり取りする場合は、以下のポータブルSSD を活用されることをおすすめします。これはスマホ時代にひとつあると便利です!

SSD を購入する前に気をつけておくこと
今時の SSD は どれも簡易な梱包になっています。付属品はほとんどの場合に簡易取扱説明書のみです。
ノートパソコンに内蔵された SSD と交換するだけであれば特に追加購入する必要はありません。配線やネジを含めて既設のものと置き換えるだけで済みます。
しかし、デスクトップパソコンに増設する場合は、SATAケーブル と固定用のネジが必要となります。自作PCの場合はマザーボードを購入したときに SATAケーブルが1~2本と固定用ネジが付属していることがほとんどです。
取り付ける位置によっては取り付け用のマウンタが必要となることがあります。たとえば、2.5インチの SSD を 3.5インチベイに取り付けたい場合などがそれにあたります。
これらがない場合は別途購入しておく必要があります。この他、電源用の端子に余りがあるかどうかは意外と見落としがちです。
小さなネジを回すためのドライバーセットも持っていると何かと便利ですよ。

SanDisk SSD PLUS 2TB
今回は Crucial(クルーシャル)の SSD が売り切れていたこともあって、SanDisk(サンディスク)という有名メーカーの SSD を導入することにしました。
SanDisk の「SSD PLUS 2TB 2.5インチ(SDSSDA-2T00-G26)」です。 この SSD は、読み出し最大が 535MB/s、書込み最大が 450MB/s となっています。メーカー保証は3年です。
2.5インチ SSD は簡素な作りです。
側面と裏面に固定用のネジ穴があります。
左側は電源用の端子、右側はデータ用の端子です。
6Gbps に対応した SATAケーブルを用意しておきます。
これらのことはパソコンに詳しい方でも意外に忘れがちです。
なお、多くの SATAケーブルはツメ(銀の部分)が付いていますので、取り外す際はツメをグッと押さえながらコネクタを端子と平行に引っこ抜いてください。
今回の取り付けるパソコンについて
今回のケースでは、先ほど紹介した SanDisk の SSD を自作PCに取り付けていきます。マザーボード、電源、PCケースは以下のものを使用しています。



2.5インチ SSD の取り付け
今回、SSD を増設する PC には PCケース裏面に2.5インチのストレージを取り付けるためのマウンタが付属しています。このマウンタはネジ1本でPCケースから取り外せるようになっています。
このような場合は、どちらに取り付けても構いません。電源ケーブルと SATAケーブルの取り回し等を考慮して決めてください。ここでは写真の左側に取り付けます。
SSD を PCケース付属のマウンタに取り付けます。2.5インチ HDD の取り付けも同様ですので、HDD を取り付ける場合は SSD という表現を HDD に読み替えてご覧ください。
今回使用するマウンタは裏面にネジ穴があったので、ネジを裏側から4箇所止めていきます。パソコン用の小さなネジはインチとミリが混在しているので間違えないでください。2.5インチ SSD / HDD はミリネジを使います。
2.5インチ SSD とPCの配線
ストレージを増設する場合は、SSD や HDD を固定した後にケーブル類を接続するのが一般的ではありますが、コネクタが挿しにくくて電源ケーブルもやや曲げなければいけない状況だったことから写真のように先に取り付けておきました。
このへんは臨機応変に対応してください。しかし、電源ケーブルは強く曲げてはいけません。軽~く癖を付ける程度です。
SSD を載せたマウンタをPCケースに再度取り付けます。通常はストレージを設置した後にケーブルを接続します。SSD にケーブルを接続したら配線を整理します。
上の取り付け例では、電源ケーブルがPCケース側にやや干渉していることが見てとれると思います。取り付けがどうしても難しい場合は、位置にこだわらず取り付けやすいところに設置を検討してみてください。
SATAケーブルをマザーボードの SATA端子に取り付けます。
取付位置は(自作PCの場合)マザーボードの説明書をよく確認してください。SATA端子は PCI-e スロットや M.2 スロットなどと排他利用になっていることが少なからずあります。その場合、ストレージを取り付けても認識しなかったり利用できなかったりします。


増設したストレージをフォーマットする手順
SSD / HDD のフォーマット
SSD にしても HDD にしてもストレージのフォーマット作業はとても簡単です。新しいストレージは最短5分程度で使えるようになります。
まず、デスクトップの左下にある「スタートボタン」の上でマウスを右クリックします。次に出てきたメニューの中から「ディスクの管理」を選んでください。
これ以降の作業は画面の内容を確認して「次へ」ボタンをクリックしていくだけです。何も難しいことはありませんので安心してください。
すると、このようなディスクの管理画面が出てきます。
「ディスクの初期化」と書かれたウィンドウが真ん中に表示されています。上記の例では「ディスク0」にチェックが入っています。
この画面で「GPT(GUID パーティション テーブル)」にチェックが入っていることを確認して「OK」をクリックします。
このディスク番号はどこに何が接続されているかによって個々の環境で表示が異なることがあります。今回のディスク番号は0となっていますが、これで構いません(理由は以下)。
(ここは読み飛ばしOK!)たとえば、上記の場合は既存のディスクは1と2です。ストレージを新しく追加した場合でもディスク3とならずに、OSが入っている既存のディスクよりも前のディスク0と出ることがあります。なぜかというと既存の SSD は NVMe 接続 M.2 SSD でしたが、今回の増設する SSD は SATA 接続のものです。前者よりも後者の接続のほうが先に認識されるようになっています。順番通りになっていないと気持ち悪く感じるかもしれませんが、仕様ですので気にしないで次の手順に進んでください。番号が違っていても支障はありません。
今回は増設した SSD が一番上に「ディスク0」として表示されています。別のケースでは下のほうに表示されることもあります。右側のスクロールバーを上下して新しく接続したディスクを探してください。
ここから「未割り当て」として認識されているディスクをフォーマットしていきます。ストレージはフォーマットしないと使えません。
どれが増設したディスクか分からないという場合は、増設したディスクの容量と「未割り当て」という表記を確認してください。バーの色が黒になっています。それに対して、既設のディスクは「正常」と表記されており、バーの色は青になっています。
【重要】フォーマットするディスクは絶対に間違えないでください。
「未割り当て」と表示されているところで右クリックして「新しいシンプル ボリューム」を選択します。
「新しいシンプル ボリューム ウィザードの開始」画面が表示されます。
「次へ」をクリックします。
「ボリューム サイズの指定」画面が表示されます。
「シンプル ボリューム サイズ」の値が「最大ディスク領域」の値と同じになっていることを確認してください。そのまま「次へ」をクリックします。
ここは特段の理由がない限り、このままで構いません。
「ドライブ文字またはパスの割り当て」画面が表示されます。
「次のドライブ文字を割り当てる」にチェックが入っていることを確認して「次へ」をクリックします。
(ここは読み飛ばしOK!)上の例ではドライブ文字が「E」となっていますが、これはパソコンに接続されているストレージやデバイスの個数によって異なります。ドライブ文字は順々に割り当てられていきますので、単純な話としてストレージが元々二つ付いている場合は「C」と「D」が既に割り当てられているため、増設するストレージはその次の「E」となります。
「パーティションのフォーマット」画面が表示されます。
「次へ」をクリックします。
ここも特段の理由がない限り、上記の画面と同じデフォルト設定のままで構いません。
「新しいシンプル ボリューム ウィザードの完了」画面が表示されます。先ほど設定したとおりに完了していることが分かります。
「完了」をクリックします。
先ほどのディスク0のところが「フォーマット中」になっていることが分かります。
このまま数十秒から数分待機してください。
フォーマットか完了すると新しい SSD のフォルダが自動的に開きます。上の画像のように中身がまだ空っぽであることが分かります。
右上の「×」ボタンをクリックして画面を一度閉じてください。
先ほどの画面がまだ表示されたままになっています。
先ほどフォーマットした「ボリューム(E:)」のところを見ると「正常」と表示されています。これでフォーマット作業は完了です。新しい SSD が使える状態になりました。
実際に運用を始める前に適当なファイルをいくつか入れてみて、それらが問題なく使用できるかどうか確認します。大容量の動画ファイルを開いてみて動作がカクカクしていないかといった点もチェックしてみてください。
これはどんなストレージにもいえることですが、ある日突然使えなくなることが低い確率ですが起ります。そのため、重要なファイルは別のところにも保存しておくのが鉄則です! 自分の大切なデータは自分で守るしかありません。
今回は容量2TBの SSD を増設しましたが、実際に使える容量は2TBではありません。
2TBのSSDを増設しても実際に利用できる容量は約1.81TBになります。これは容量詐欺でも異常でもありません。
1キロバイトを1,000バイトとした慣例的な表示と1キロバイトを1,024バイトで計算する実際的な表示との食い違いによって生じる差異です。ストレージの容量が大きくなるとパッケージに記載されている容量と実際に使える容量との差はとても大きいものになります。
増設した SSD や HDD の状態を確認する方法
![]() |
![]() |
以前にも M.2 SSD の増設とフォーマットのページで紹介したことがありますが、新しいストレージの動作状況や性能評価は、以下のアプリを導入することで確認することが可能です。これらの作業は必須ではありませんので、気になる方だけお暇なときに実行してみてください。
SSD や HDD の動作状況や性能評価は「CrystalDiskInfo」や「CrystalDiskMark」などのアプリを実行することで分かるようになります。これらは昔から利用されている定番中の定番です。
上に掲載した左の画像ではストレージの動作状況を細かく知ることができます。右の画像では読み込み速度や書き込み速度を測定することができます。
この SSD は、読み出し最大が 535MB/s、書込み最大が 450MB/s とうたわれています。これら両方を見ることで今回購入した SSD がまったく問題のない製品であることが確認できました。


