これまで木材への下穴開けはドリルビットを用いていました。けれども、色々とDIY作業をしていく中で、皿取錐(さらとりきり)があったほうが仕上がりが良くなるだろうと考えて皿取錐を導入しました。
皿取錐はお値段が一般的なドリルビットよりも高いことから、購入を長らく躊躇していました。しかし実際に使ってみると想像を遥かに超えた超便利アイテムでした。
これはDIYにはまっている方であれば誰が使っても満足できるものであると断言できます。
皿取錐があると下穴開け、皿取り、ダボ穴開けも楽々
スターエムの「皿取錐(下穴3mm×皿取8mm)」の概要
先日、スターエムの皿取錐を購入しました。皿取錐は何年も前から導入しようかどうか迷っていました。普通のドリルビットよりも高いので簡単には手が出せませんでした。
しかし今回、新たに棚を製作するのにあわせて購入を決めました。私が選んだ製品はスターエムの「皿取錐(サイズ:下穴3mm×皿取8mm)」という製品です。この皿取錐は下穴開けと皿取りが同時に行えるという優れものです。製品は日本製です。
(参考)
No.58S 皿取錐&埋木錐(スターエム公式サイトの製品ページ)
皿取錐はさまざまなサイズが発売されていますが、家にあるコーススレッドやスリムビスの頭部のサイズを計測した上で下穴3mm×皿取8mmのサイズを選びました。
この皿取錐は近所のホームセンターでは、9mmサイズで埋木錐とセットになった製品しか売っていませんでしたのでアマゾンで注文しました。
皿取錐は、ビスを上手く収めたり、木栓(ダボ)穴を掘ったりするために用いられる道具です。
皿取りをしっかりと行うことで、ビスの頭が木材の表面にフラットな状態で収まります。ビスがぴったりと収まることで仕上がりが格段に美しくなるのです。
しかも、この皿取錐は皿取りと下穴開けを同時に行うことができます。
また、皿取錐を材に押し当てることで埋木用の穴を開けることもできます。それによって、ビスをダボで簡単に隠すことができます。
この皿取錐は、皿取用の部分と内側の錐の部分が分かれた構造になっています。内錐は付属の六角レンチで調整することができます。
このビットは6.35mmの六角軸が採用されているため、お手持ちのインパクトドライバ、ドリルドライバ、電気ドリルなどで問題なく使用することができます。
パッケージの説明には「高速回転(3,000回転/以上)の電動工具では使用しないで下さい」とあります。パワーのある電動ドライバで使用する際は、回転数を抑えてやる必要があります。
たとえ回転数を抑えても1×4材や2×4材などのSPF材、シナランバーコアやラワンランバーコアなどの合板であれば、錐が軽々とめり込んでいきます。
なお、堅木用にハイス鋼を用いた製品も出ているようです。そちらは3サイズのみです。
スターエムの皿取錐シリーズにはサイズの異なる製品があります。私はサイズの一番小さい下穴3mm×皿取8mmを選びました。
スターエムの皿取錐寸法(単位はmm) | |||
下穴 | 皿取 | 皿取実径 | 軸径 |
3 | 8 | 7.9 | 6.35 |
3 | 9 | 8.9 | 6.35 |
3.5 | 10 | 9.9 | 6.35 |
4 | 10.5 | 10.4 | 6.35 |
4 | 12 | 11.9 | 6.35 |
コーススレッドの頭部の径は、製品によってまちまちです。65mmのコーススレッドでも、頭部が8mm未満のものもあれば8.2mm程度のものもあります。サイズ選びはひじょうに迷うところですが、もっとも使用頻度の高いビスの頭部径を測定すれば良いと思います。
なお、パッケージに表示された径と皿取実径がわずかに異なる点にも注意が必要です。また、皿取り径が大きい製品は下穴径も少し大きくなります。
それと、ダボを頻繁に使う場合は8mmサイズや10mmサイズのダボの入手性が高いということと、9mmサイズのダボの入手性がきわめて悪いということも知っておく必要があります。
どうしても9mmサイズが良いという場合は、皿取錐と埋木錐が予めセットになった製品を選ぶほうがベターだと思います。そうすることで端材を利用して自分でダボを製作することが可能になります。
あとは、木材とダボの色を統一したいという場合も埋木錐とセットになった製品が好ましいです。その理由は、市販のダボはダボ表面の色とダボの切断面の色がまったくことなることがあるからです。これはかなり重要なことです。
ウレタンニス、オイル、柿渋等による仕上げでは、材とダボの色がちぐはぐになってしまいます。一方、濃い目のステイン仕上げやペンキ塗装の場合はさほど気にする必要はないと思います。
スターエムの「皿取錐(下穴3mm×皿取8mm)」の外観
製品は皿取錐本体に皿取錐に内錐を調整するための六角レンチが付属したものになります。
皿取錐全体を眺めて見ましたが、内錐のガタツキや傾きなどは特になく、作り自体もしっかりしています。
錐の部分は3mm径です。錐を材に対して垂直にあててゆっくりと掘り進めていきます。
六角軸のサイズは6.35mmとなっています。六角軸のサイズは同シリーズすべて6.35mmです。一般的な電動ドライバに問題なく取り付けられます。
軸にサイズと「MADE IN JAPAN」の刻印があります。
六角軸の下部には「内錐止めネジ」と「内錐押し出し穴」が開けられています。
内錐止めネジは付属の六角レンチで調整できます。購入時に内錐が緩みがないかどうかを確認して、緩みがあれば調整してから使う必要があります。
内錐の軸の部分には平面になっているところがあるので、そこに芋ネジを噛ますようにすると、内錐をしっかりと固定することができるようです。
なお、内錐は折れてしまっても交換が可能です。内錐が外れないときは内錐押し出し穴に細いもの突っ込んで内錐を除去できるようです。
皿取錐の使用感
スターエムの「皿取錐」は木製品の仕上げを左右するほどの凄いアイテム
皿取錐を実際に使用してみました。この写真の下穴は、製品購入後に一番最初に開けたものになります。初めての使用でも穴がとても綺麗に開けられていることが分かると思います。
一番最初に開けた穴(右端)は、皿取部の押し当てが足りなかったようで、下穴の周りの一部だけが面取りされた状態になってしまいました。しかし、逆にスリムビスを打ち込んだときにぴったりの穴になりました。材の断面とスリムビスの頭部が面一になっています。
普通に下穴(中央)を開けても穴の縁は綺麗に仕上がっています。もちろん、下穴をもっと深く開けることもできます。
65mmのコーススレッド(左端)を打ち込んでみると、下穴とネジの頭部がぴったりになりました。
ビスの頭部と材の表面を面一にするためには、皿取の量を上手く調整してやる必要があります。このあと、皿取錐を何度も使いましたが電動ドライバの回転数と押し当て具合を調整することで、それなりに上手く穴を開けられるようになりました。
皿取錐を材に対して垂直になるようにあてがって、ゆっくりと掘り進めていくともっと深い穴も余裕で開けられます。
ダボを使ってビスの頭を隠すときには少し深めの穴が必要になります。
場合によっては穴の縁にバリが出ることもあります。しかし、それもごくわずかであって特に問題になるようなものではありませんでした。仮にバリがあってもサンドペーパーで軽く磨く程度で済みます。
それと、深い穴を開けるとその分だけ木くずの量も増えます。ビスを打つ前に木くずを落としたり掃除機で吸ったりすると完璧だと思います。
こちらはラワンランバーコアに穴を開けてから50mmのコーススレッドを打ち込んだものになります。開けた穴にサンドペーパーはかけていません。
合板は化粧板が捲れ上がるのではないかという懸念がありましたが杞憂に終わりました。念のため連続で10箇所以上に使用してみましたが、すべての穴を綺麗に開けることができました。
また、開けられた穴とビスの径がぴったりになっています。皿取錐のサイズは、私の環境では8mm径でちょうど良かったです。サイズだけは要検討です。使用頻度の高いビスの頭部の径を必ず測定してください。
スターエムの皿取錐は本当に使えます。正直なところもっと早くから導入しておくべきだったと反省しています。写真でもご覧いただいたとおり、皿取り穴も埋木用穴もひじょうに綺麗な状態で開けられます。皿取錐の使用前と使用後では、製作物の仕上がりがまったく異なります。大満足です。☆5個!