DIYで製作する棚や机は、ネジの頭部分をダボ(木栓/埋木)で隠すことで出来映えが断然良くなります。また、ビスや釘を使用せずにダボ継ぎで材を固定することもできます。板と板を接合する際にはダボ用マーカー(マーキングポンチ)が別途必要になります。
私はこれまでダボを使ったことがなかったのですが、少しでも見栄えがよくなるほうが良いと思い、木ダボと下穴錐を一緒に購入して実際に使用してみました。
ビスの頭をダボで隠すと見た目が綺麗でスッキリ!
木ダボ ~皿取錐のサイズにあった木ダボを選ぶ~
木ダボはネジの頭を隠したり、板を接合したりするときに用いられます。
ダボは色々な製品が発売されています。ダボが袋一杯に詰め込まれた製品もあるようです。しかし、DIY用途であることと、お試しでの使用ということもあり、今回は少量のものを探しました。
それが新潟精機の「木ダボ(8 x 40mm)(型番:DB-8)」です。8mm径のダボが30本入っています。この製品は、同じシリーズで6mm径、10mm径もあります。
この製品の特徴は、ダボの上下にくびれが入っているという点と、らせん状の溝が縦に掘られているという点です。これによって、ダボをダボ穴に埋め込むときに挿し込みやすくなっています。また、接着剤が溝にしっかりと広がっていくことから接合力も高くなります。
注意点は、くびれ部分が材の表面と同じ位置になってしまうと、ダボと材との間に段差ができてしまうということです。そのため、ダボが埋まった状態を考えながら作業を進める必要があります。
とはいえ、ダボの使い方自体は単純であるため、大きな失敗に繋がることは少ないと思われます。
ダボ穴の開け方 ~皿取錐でダボ穴を開ける~
前回紹介したスターエムの「皿取錐(下穴3mm × 皿取8mm)」をマキタの電動ドライバに装着して、印を付けた箇所にダボ穴を開けていきます。ダボ穴の深さは材の種類や部位に応じて調整が必要です。
この皿取錐は本当に使えるアイテムです。錐を材に浅く押し当てるだけで皿取りが簡単に行えます。そして、錐を押し込んでいくと今回の作業のようにダボ穴を開けることができます。
道具 ~作業に必要なもの~
ダボを使ってネジの頭を隠すためには次の道具が最低限必要になります。
・皿取錐(またはドリルビット)
・電動ドライバー
・玄翁(トンカチ/ハンマー)
・ノコギリ(アサリの無いもの)
・木工用ボンド
・紙やすり
ダボの使い方 ~ダボ埋め作業の流れ~
棚や机などの作製物がある程度組み上がった段階でダボを埋め込んでいきます。
ダボ穴の奥に銀色のコーススレッドが見えています。木工用ボンドをダボ穴に適量塗布してダボを挿し込みます。このとき、材の木目とダボの木目の向きを合せておくと見栄えが良くなります。
ダボが長い状態であれば回したり引き抜いたりして、向きを調整することができます。
ダボとダボ穴の径がぴったりだと中々入っていかないことがあります。そういうときは玄翁で軽く叩くとすんなりと入っていきます。
木工用ボンドがダボの縁からはみ出してくるので、水を固く絞ったぞうきんで拭き取ります。
ノコギリを水平にしてノコギリを進めていきます。ダボは簡単に切れます。
ノコギリの刃を材と平行にして進めていくと、ダボを面一で切り落とすことができます。
私は手元にあったノコギリを使用しましたが、ノコを挽いた傷がわずかに付いてしまいました。傷は後からサンドペーパーをかけて誤魔化しました。
こちらが切った直後のダボを拡大した写真です。ダボ自体は綺麗に切れており、段差もほぼありません。しかし、周囲に線状のノコギリ痕が付いていることが分かります。表面をサンドペーパーで磨いてやる必要があります。
このまま塗装を行うと、窪みに塗料が入ってしまうことで色むらの原因になります。ノコギリをダボと一緒に購入しようとしている方は、アサリの無いノコギリやダボ切り用ノコギリがあると失敗しないと思います。
「ライフソークラフト 145」がダボ切りの定番ノコギリです。
作業は何度も進めているうちに慣れてきます。中々面白い作業です。
写真のダボ穴は少し深めに開けられています。穴が浅すぎてもダボが埋め込みにくいです。マスキングテープを皿取錐やドリルビットに貼っておくと各部の穴の深さを統一できそうです。
ダボ穴の深さや木工用ボンドの量は次第に良い塩梅が分かってきました。端材で何度も試してから本番に移ることが望ましいですね。
ビスを綺麗に隠すことで仕上がりに差が生まれる
木ダボを使ってビスの頭を隠すと出来映えがまったく異なります。今回の作業は切断面の仕上がりも良く概ね満足できるものでした。木ダボ自体は安価なものなので、一度試してみる価値はあると思います。作業自体もひじょうに面白かったです。
実際にやってみて気づいたことは、ダボの切断面の色が思っていたよりも遥かに濃い色だったということです。ダボ表面の色が白っぽいから中も白いとばかり思っていました。切断面は実際にはかなり濃い茶色です。
ウォルナットやエボニーなどの濃い色やペンキを塗るという場合は問題ないと思いますが、水性ウレタンニスや天然オイルなどで仕上げを予定している場合は注意が必要です。上の写真のように白木の各部に「●」が目立ってしまいます。
この問題を防ぐには「埋木錐」を用意して、自分で端材からダボを作製することになります。前に紹介したスターエムの皿取錐には埋木錐がセットになったものがあります。そちらをご検討されてはいかがでしょうか。