2021年からバラを育て始めました。初心者ゆえに分からないことも多く、各種Webサイト、YouTube、書籍などを活用して情報を得ながら、できる範囲でバラの手入れをしています。
バラの育て方に関する本はいくつも出版されています。バラを育てるにあたり、大型書店にて市販のガイドブックの内容を片っ端から確認してみました。そして、その中でも初心者にとって分かりやすい本を2冊選びました。
どの本もそれなりに役立つと思いましたが、迷っている方は下記の本を書店で見てみてください。
バラの育て方に関するおすすめの本
バラの育成に必要な毎月の作業を詳しく教えてくれる本
1冊目は小山内健(おさないけん)さんの『はじめてでも簡単!楽しいバラづくり ローズレッスン12か月(別冊NHK 趣味の園芸)』です。出版は2013年です。この本では四季咲き木立ち性バラの育て方とつるバラの育て方が掲載されています。
帯に「はじめてバラを育てる方へ」とあるように、バラ初心者に向けた内容になっています。新苗や大苗の植え替え、切り戻し、剪定、施肥などが詳しく説明されています。
オールカラーで図解が豊富です。これ1冊あれば初心者でもバラを育てられると思います。
私もこの本の内容にしたがってバラのお手入れをしています。今のところ、不便は感じていません。何かの指標があるとそれを拠り所にできて助かります。
表紙のバラがとても綺麗ですね。「かおりかざり」という品種のようです。
第1章は「バラづくり始める前に 知っておきたいバラのこと(pp.9-14)」という内容でバラの基礎知識について数ページの記載があります。
第2章は「春から始めるバラづくり 四季咲き木立ち性バラの育て方(pp.15-86)」という内容で5月から4月までの各月の育て方がコンパクトにまとめられています。この本では四季咲き木立ち性バラの栽培が中心になっています。
第3章は「仕立てて楽しむバラづくり つるバラの育て方(pp.87-111)」という内容でつるバラの育て方が5月から3、4月まで順番に説明されています。
そして巻末には各月の作業を一覧できる「決定版ローズレッスン12か月 バラ栽培カレンダー」が折り込まれています。このカレンダーはバラのお手入れの大まかな流れを俯瞰できて大変便利です。
品種の紹介は少しだけです。また、お庭造りの本ではありませんので、お庭紹介等はありません。
この本の特徴はなんと言っても毎月の作業が分かりやすく掲載されているという点に尽きます。この本の内容にそって日々の作業を進めていくと誰でもある程度うまくバラを育てていけるのではないでしょうか。
あとは、育てているバラや自宅の環境に合わせて臨機応変に対応することで事足りるように思います。
この本には、剪定や誘引の方法などが、その理由やポイントとともに示されています。また、写真とイラストが数多く使われているため、初心者でもすぐに分かるようになっている点がとても助かります。
ネット上でも一番最初に手にするべき本と評価している方もいらっしゃいます。私もまったくもってその通りだと思います。
バラを育てていて生じる様々な疑問に答えてくれる本
2冊目は1冊と同じシリーズの本で、小山内健さんの『バラづくりの疑問に答える! ローズレッスン12か月Q&A(別冊NHK 趣味の園芸)』です。出版は2015年です。
ガイドブックは最初に紹介した『はじめてでも簡単!楽しいバラづくり ローズレッスン12か月(別冊NHK 趣味の園芸)』だけでも十分な内容です。しかし、バラを育てているうちに入門書に載っていない疑問も出てくるようになります。
こちらの本は、そういう疑問点について回答を示してくれる内容になっています。
こちらも表紙のバラがとても綺麗ですね。
本の構成は2部に分かれています。「Part1 四季咲き木立ち性バラの育て方Q&A(pp.11-73)」では5月から4月の各月で気になることや疑問点に対する回答が掲載されています。たとえば「Q13 黒星病になった葉はすべて取り除いたほうがいい?」「Q21 日当たり良好な壁際で、鉢で育てています。暑さのせいか、最近、若葉が大きくならず、古葉も黄色や茶色の枯れ葉が目立ちます」といったお悩みとその原因と対処法が示されています。
「Part2 つるバラの育て方Q&A(pp.77-106)」では5月から3、4月の各月の悩みや疑問点に対する回答が掲載されています。こちらも「Q57 オベリスク仕立てにしています。毎年、たくさんのシュートが伸びますが下側から出ないので全体に咲きません。どうしたらまんべんなく咲きますか?」「Q68 ‘ピエール・ドゥ・ロンサール’が大好きで春に苗を購入しましたが、もう這わせる場所がありません。何かいい方法はありませんか?」といった相談とその対応が提案されています。
「病害虫のお悩みQ&A」も数ページあります。虫の写真とその対処法が簡潔に記載されています。
帯に「バラづくり2~3年目の疑問を解決!」とあるように、バラをしばらくの間育てているうちに生じる疑問点を解決に導いてくれるような内容になっています。
皆の相談内容とその回答が季節ごとに掲載されています。1冊目の本と同様に写真が豊富でイラストによる図解も多いためとても分かりやすくなっています。
この本は初心者にとって絶対になくてはならない本ではありませんが、脱初心者を目指す際には必読の書といえそうです。色々な悩みが解決されるかもしれません。
バラの栽培に必要な知識がたくさん詰まっている本
上記の2冊を購入後しばらくしてから、鈴木満男(すずきみつお)さんの『決定版 美しく咲かせる バラ栽培の教科書(西東社)』も購入しました。
AmazonのKindle版がとても安くなっていたためです。私は紙の本の方が好みですが、電子書籍は驚くほど安く販売されていることがあるので見逃せません。なお、こちらの本はAmazonの「Kindle Unlimited」の会員の方は無料で読むことができます(2022年3月9日現在)。
こちらは書名にもあるように教科書的な入門書となっています。発行は2015年です。バラの育て方に関する情報が豊富に記載されています。バラの入門書の中ではもっともボリュームがあるのではないでしょうか。207ページのオールカラー本です。
本書の内容は次の五つのLessonから構成されています。
「Lesson2 庭のデザインと花カタログ」
「Lesson3 バラ苗の植えつけと殖やし方」
「Lesson4 季節ごとのバラのお手入れ」
「Lesson5 バラの病気と害虫対策」
ボリューム以外の特色として、お庭のデザインについて触れられている点と、バラの挿し木の方法が掲載されている点が挙げられます。挿し木に関しては、さし木、つぎ木、取り木が紹介されており、とても興味深いです。
バラの育て方に関する情報は、ネットの情報だけでも十分役立ちますが、専門書は情報が体系的にまとまっているため、何か1冊でも持っていると要所要所で重宝します。大型書店にお立ち寄りの際は、ぜひ一度ご覧になってください。