皆さんはオランダと聞いて何を思い浮かべましたか? 「風車」「チューリップ」「運河」を連想された方が多くいらっしゃると思います。オランダは農業がとても盛んな国です。面積的にみると小さな国ですが、輸出量は私たちの想像を遙かに超えるほど多いのです。
また芸術面でもゴッホやフェルメールを初めとして有名な画家を多数輩出しています。日本で展覧会が開催されると多くのファンがつめかけるほどです。とにもかくにも、オランダにはたくさんの魅力的な要素が凝縮されているように思います。
このページでは、オランダの基本情報を簡単にまとめてみました。ぜひご覧ください。
農業大国としてのオランダ
オランダは正式名称を「ネーデルラント(Koninkrijk der Nederlanden / Kingdom of the Netherlands)」といい、日本の九州と同等の面積を有する立憲君主制の国家です。
オランダは、芸術と観光はもちろんのこと、農業と園芸の分野でも世界的に注目されています。農林水産省の報告によると、オランダの農産物・食料品の輸出量は米国に次いで世界第二位となっています。この数字はオランダの国土面積を考えると相当なものです。同時に地の利を活かした加工貿易や中継貿易の成果ともいえるでしょう。
他にもオランダといえばチューリップやバラの栽培が有名です。園芸では世界最大の花市場ともいわれるアールスメールの花市場があります。花市場では世界中から花が集められて取引されています。近年ではICT(情報通信技術)の導入により物流の効率化が一層進められているようです。
また、土壌、水質、気象、環境科学、食品化学などの分野を学べる「ワーヘニンゲン大学(Wageningen University)」は農林分野(agriculture & forestry)で2016年から2018年まで三年連続で世界第一位であり、農林分野において世界トップレベルの大学として知られています。農業大国としての地位の確立は農業に関する人材育成という土台によって築かれているのかもしれません。
(参考)(2018年11月5日閲覧)
オランダで最高の花市場(オランダ政府観光局の花市場に関するページ)(日本語)
Wageningen Univ.(ワーヘニンゲン大学の公式サイト)(英語)
Top universities(トップユニバーシティーズ)(英語)
農林水産省『農林水産物・食品の輸出の現状(平成28年2月)』(日本語)(PDF)
ネーデルラントと絵画
絵画ではフェルメール、レンブラント、ゴッホ、ブリューゲル、ボスなどの巨匠を多数輩出しています。これらの画家の作品は、いずれも日本での知名度が高く、展覧会で作品を直接的に目することができる機会もあります。
私は展覧会に何度も足を運んでいます。ここ数年の展覧会では、特に2017年に東京の東京美術館と大阪の国立国際美術館で開催されて話題を呼んだブリューゲル「バベルの塔」展が印象に残っています。こうした展覧会では、メインタイトルと関連の強い絵画が必ず同時に展示されます。
「バベルの塔」展では、ブリューゲルに影響を与えたボスの作品があわせて来日しました。漫画/アニメーション『AKIRA』で知られる大友克洋氏による「バベルの塔」の内部の描写もあり、かなり楽しめました。大友氏の『Inside Babel』では、内部の構造や人々の動きがわかるようなものになっていました。
今の時代はスマホで簡単に絵画(の写真)を見ることができます。しかし、自ら美術館や展覧会に足を運んで絵画を見ると、感性に訴えかけてくるものがあります。今日では、面白い工夫によって誰でも楽しむことのできるような展示方法が増えているように思えます。
2018年11月現在では、フェルメール展の東京展が2018年10月5日(金)から2019年2月3日(日)まで上野の森美術館にて開催されています(終了)。大阪展は2019年2月16日(土)から2019年5月12日(日)まで大阪市立美術館にて開催される予定です(終了)。今回、来日しているフェルメールの『牛乳を注ぐ少女』は、オランダのアムステルダム国立美術館に所蔵されている作品になります。この展覧会の開催に際して、出版各社がフェルメールの解説本を出しています。中にはポーチやトートバッグなどさまざまなグッズの付いたムック本も販売されているようです。
さて、オランダのアムステルダム国立美術館では『デルフトの眺望(View of Delft)』『小路(The Little Street)』といったフェルメールの代表的作品を鑑賞することができます。ただし、時期によっては展覧会のために作品が国外に持ち出されていることがあります。実際に私が美術館を訪れた際も『青衣の女(手紙を読む青衣の女/Woman in Blue Reading a Letter)』は展覧会のためミュンヘンのミュージアムに貸し出されていました。
兎にも角にもオランダは美術芸術という視点から見ただけでも話題に尽きないほどの魅力がある国といえます。
(参考)
フェルメール展 東京展・大阪展(公式サイト)(日本語)
・東京展は入場日時指定制です。
オランダの基本情報
首都 |
アムステルダム |
言語 |
オランダ語 (観光客が訪れる観光施設やホテルは英語が通じます。自動券売機も多言語対応になっています。ただし、オランダ語の看板や案内しかないところもあります) |
人口 |
1,718.4万人(2017年12月 オランダ中央統計局) (日本の約7分の1)(日本の人口は1億2670万6千人(2017年 総務省統計局)) |
面積 |
4万1,864平方キロメートル (日本の九州の面積が4万2,231平方km(九州経済産業局)です) |
代表的都市 |
運河の街アムステルダム 港湾都市ロッテルダム 政治の中心デン・ハーグ ミッフィーの故郷ユトレヒト など |
通貨 |
ユーロ(€/Euro) (2018年11月5日時点では1ユーロ約128円です) |
銀行と郵便局 |
概ね平日9:00~17:00 (土曜日に営業している店舗も一部あるようです) |
GDP |
8,245億ドル(2017年 IMF) (日本のGDPは4兆8,844億ドル(2017年 IMF)で、米国、中国に次いで世界第三位) |
時差 |
日本との時差は-8時間 (サマータイム時は-7時間) |
電気 |
プラグ形状 CタイプまたはBタイプ (Cタイプのプラグしか使いませんでした) 電圧 230V 周波数 50Hz |
水道水 |
飲用可 (硬水のためスーパーでお水を買うことをおすすめします。実際にほとんどの旅行者がスーパーでお水を買っています) |
お土産 |
チューリップの球根(空港内で検疫済みのものが買えます)、木靴、チーズ、デルフト焼、ミッフィーグッズ、ミュージアムグッズ、ガーデニング用品、インテリア用品、雑貨など |
飛行機 |
関空と成田からKLMオランダ航空による直行便が毎日出ています(2018年 KLMオランダ航空)。フライトスケジュールは変更される場合があります。 関空-アムステルダム ・KLM 868 KIX (11:00) → AMS(15:00) ・KLM 867 AMS (14:25) → KIX (9:30)(翌日帰着) 成田-アムステルダム ・KL 862 NRT (11:00) → AMS (15:30) ・KL 861 AMS (14:35) → NRT (9:45)(翌日帰着) |
(出典)(2018年11月5日閲覧)基礎データの各種数値は下記のサイトから引用しました。
外務省「オランダ王国(Kingdom of the Netherlands)の基礎データ」(日本語)
IMF “World Economic Outlook Database”(国際通貨基金の公式サイト)(英語)
九州経済産業局「九州経済・産業データ一覧」(公式サイト)(日本語)
(参考)
Centraal Bureau voor de Statistiek(オランダ中央統計局の公式サイト)(英語)
KLMオランダ航空(公式サイト)(日本語)
オランダの祝祭日(2019年)
オランダの祝祭日は、一年を通して見るとそれほど多くありません。しかし、祝祭日の多くがキリスト教のイベントに関するお休みであることがわかります。ちなみに、日本の祝祭日(2018年)は振替休日を含めて20日です。オランダでは祝祭日が少ない分、バケーションで数週間の長い休暇をとるようです。バケーションの文化があることは本当に羨ましいですね。
リンクをクリックするとウィキペディア(外部サイト)にアクセスできます。祝祭日の由来を知ることができます。
1月1日 |
新年(Nieuwjaarsdag) |
4月19日 | |
4月21日 | |
4月27日 | |
5月5日 |
(ナチスドイツの占領から解放されたことを祝う日) |
5月10日 |
(キリストの昇天を記念する日) |
6月9日~10日 | |
12月25日~26日 |
クリスマス(Kerstdag)[第一クリスマスデー(Eerste Kerstdag)、第二クリスマスデー(Tweede Kerstdag)](オランダ語) |
(出典)(2018年11月5日閲覧)祝祭日は下記のサイトから引用しました。
日本貿易振興機構(JETRO)(公式サイト)(日本語)
とっても観光しやすいアムステルダムの街
アムステルダムの街はアムステルダム中央駅を中心として半円状に広がっています。しかも主要な観光スポットが半径1~2kmの範囲に集中しています。
アムステルダム中央駅からライツェ広場方面に歩いて南下しても、反対に国立美術館を起点として街の中心を目指して北上しても良いと思います。予め行きたい場所の位置関係を把握しておくと、効率よく観光することができます。ただし、いたるところに運河が流れているので、目的地に行くために少し迂回する必要がでてくることもあります。
それでも、アムステルダムの街は、ヨーロッパのその他の都市と比べてコンパクトにまとまっているので、どこを観光の起点にしても困ることはありません。各所を歩いて回ることも十分可能です。街中の主要な場所にはトラムが通っているので、一日券(24時間・7.50ユーロ)を利用して素早く移動することもできます。特に持病のある方、ご高齢の方、お子様とご一緒の方は、トラムを活用して移動されることをおすすめします。
アムステルダム市街地の主要エリアと移動
アムステルダムの街は、いくつかの地域にわけて捉えておくと観光の役に立つと思います。実際に私が観光していたときには、アムステルダムの街を次の五つの地域に大別して行動していました。
北部 | アムステルダム中央駅周辺の地域 |
中央部 | ダム広場やムント広場のある地域 |
東部 | ダム広場やニューマルクト広場のある地域 |
西部 | アンネ・フランクの家がある地域 |
南部 | ライツェ広場や美術館がある地域 |
地域ごとに動線を考えて観光すると移動の時間が大幅に減り、有意義に観光することができます。とはいえ、何も考えずあてもなくふらりと街中を散策するのもありだと思います。ガイドブックには載っていない素敵な風景に出会えるかもしれません。
隣接地域に行く場合には歩いて移動し、一つ離れた地域に行く場合にはトラムを利用するというように決めておくと無駄な移動を避けられると思います。徒歩で10分以上かかる場所でもトラムで移動すると2~3分で済みます。
アムステルダムの詳しい観光情報は写真つきで別のページに記載しています。ぜひご覧ください。
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