コンデンサーマイクを購入する際に海外製のポップガードとアーム式マイクスタンドも同時に用意しました。
ポップガードを取り付けることでマイクに雑音を入れないようにすることができます。それと同時に唾液の飛沫や湿気から繊細なコンデンサーマイクを守る働きもあります。
一方、マイクスタンドはコンデンサーマイクを机に設置して使用する際に利便性を高めることのできるアイテムです。一般的な卓上マイクスタンドではマイクスタンドを常に机の上に置いておく必要があり、さまざまな作業の邪魔になってしまいます。アーム式のマイクスタンドがあると、マイク使用時に机の脇からマイクを引き出して、使用後にマイクを机の端に戻すといったことが手軽にできます。
コンデンサーマイクに必須のポップガード
ポップガードの働きとその重要性
テレビでアーティストのレコーディングシーンやラジオの収録シーンが映ったときに、マイクの手前に円い網のようなものが取り付けられています。それがポップガードやポップブロッカーと呼ばれるものです。
ポップガードにはコンデンサーマイクに唾が飛んだり吐息が入ったりすることを防ぐ働きがあります。たとえば「ぱぴぷぺぽ」といった半濁音を発声するときに、大量の息が吐き出されます。このときに吐息がノイズとなって録音に混入してしまいます。そうしたポップノイズを未然に防ぐ必要があります。
ビデオカメラや一眼レフカメラで動画を撮影する際にも、外部マイクにウインドマフを取り付けて風の音が入らないようにしていることがあります。それと同じようなイメージで良いかと思います。
そのほかにも人とマイクとの距離を適切な位置に保つ用途で使われています。そうしたことから、ポップガードは、ボーカルの録音には必須のアイテムとなっているようです。
一般的なポップガードは卓上マイクスタンドやアーム式マイクスタンドのポール部分に取り付けます。しかし中にはマイク本体に取り付けられるポップガードも販売されています。私はビデオ編集等で使用する予定のため、作業の邪魔にならないようにマイク本体に取り付けるタイプを選びました。ディスプレイを見ながら録音する場合は、マイク本体に直接取り付けるタイプが好ましいと思います。
なお、ポップガードの素材に関しては、メッシュ部分が布でできているものや金属でできているものがあります。素材によって音も変わるそうですが私には分かりません。
マイク本体に取り付けられるポップガード
今回、購入したポップガードはPUDOONという聞いたことのないブランドの製品です。このポップガードを選んだ理由は、マイク本体に取り付けられる上に市販されている多くのマイクに対応しているからです。
販売ページには下記のマイクに対応とあります。私の所有している「MPM-2000U」にも対応しています。「MPM-2000U」と同形状の「MPM-1000U」にも取り付けられます。レビューによると同じくマランツプロの「Pod Pack 1」にも取り付けられるようです。
また、オーディオテクニカの各種コンデンサーマイクにも取り付けられます。
対応マイク
AT2020、AT2035、AT4040、ATH2050、AT2020+、Apogee、BADAAX Mic、BM-800、CAD GXL2400、CAD U37、MXL 770、MXL 910、MXL 2010、MPM-2000U、Razer Siren X、Rode NT1A、Rode NT-USB、Samson Meteor、Scarlett CM25、Neumann U87
製品の仕様
製品の重量は約30g、寸法は80 x 80 x 60mm、コンデンサーマイクの直径範囲は45-53mmとなっているようです。マイクの直径が50mmを越えると枠に干渉する可能性があると思われます。反対にマイクの径が小さすぎてもそのままでは取り付けができない可能性があります。
ポップガードのデザインと取り付け
箱にはポップガードのみが入っています。
このポップガードはマイク本体に直接取り付けられるようU字型になっています。U字の内側にマイクを取り付けます。
製品を隅々までチェックしましたが何ら問題はありませんでした。私が求めていたとおりの製品が届きました。このポップガードはとってもシンプルな構造です。メッシュもブラックでマイクに取り付けても悪目立ちしません。
ポップガードの裏側を見ると上下にゴムバンドのようなものが取り付けられています。このゴムバンドは本体の内側にある突起に引っ掛けられているだけで簡単に着脱できます。マイク本体をゴムバンドで押さえるかたちになります。パッケージの写真と同じように横方向からマイクを取り付けることもできます。ただし、それは猛烈にダサいと思います。
マイクを取り付ける際はポップガードを縦方向にすることをおすすめします。
ゴムバンドの位置は左右対称ではありません。「MPM-1000U」や「MPM-2000U」に取り付ける際は左側を下にするとマイク入力部をうまくカバーすることができます。
ポップガードを上から見た状態です。作りも良いと思います。
ゴムバンドを片側だけ外すとこのようになります。
ゴムバンドを取り付ける突起部です。この部分を折らないようにしてください。
ポップガードとコンデンサーマイク「MPM-2000U」との対比です。ちょうど良い大きさであることが分かります。
マイクにポップガードを取り付けた状態です。
側面から見てもマイクがはみ出すことなくうまく収まっています。また、ポップガードの色がマイク本体のマットブラックともマッチしています。まるで純正品のようです。
ポップガードを取り付けた後の「MPM-2000U」です。
ちなみにこのようなポップガードはアマゾンでは同様の製品が複数の会社から販売されています。たとえば、JUPITER、GOMILE、TULOKA、NEEWERなどが同様の製品を出しています。製品の写真を見て比較した限りでは中身はほぼ同じものと思われます。
私が購入したときにはPUDOONの製品が一番安かったように記憶しています。その時々によって価格は変動しますので、色々な製品を比較してみて下さい。
なお、有名メーカーの製品かつ Amazon 販売&発送がよい場合は、キクタニのポップブロッカーで決まりです。
コンデンサーマイクを有効に活用できるマイクスタンド
コンデンサーマイクをより使いやすくする方法
ラジオの公開収録などでミュージシャン、声優、アナウンサー、DJなどが目の前にぶら下げられたマイクに向かって話しているシーンが映っていることがあります。あのようなシーンには誰しも一度は憧れるのではないでしょうか。
アーム式のマイクスタンドはマイク使用時の利便性を飛躍的に高めるアイテムです。私も最初は一般的な卓上マイクスタンドで良いと思っていたのですが、見た目、置き場所、価格を考えてアーム式のマイクスタンドを選びました。
そもそも卓上マイクスタンドは置き場所に困ります。しかも、USBケーブル(もしくはXLRケーブル)の配線を考えると、毎回別の場所に移動させることが面倒です。USBケーブルを毎回外すと接触が悪くなったり端子にほこりが入ったりしそうです。
けれども、アーム式マイクスタンドを利用すると上述した問題を簡単にクリアできます。マイク使用時だけ机の脇から手前に引き寄せるだけで済みます。そのため机の上を有効に活用できます。
マイクスタンドの揺れが気になる方もいらっしゃると思います。実際にマイクスタンドを使っていて、マイクスタンドが音を立てて揺れるといったことはありませんでした。ショックマウントを取り付けたマイクであれば、机が多少揺れた程度でノイズが入ることはないようです。
マイクスタンドは同じような製品がアマゾンでたくさん販売されています。ほとんどのマイクスタンドは中国の会社が製造している製品と思われます。安価な製品は1,500円前後で手に入れることができます。
私が確認した限りでは各社の製品の違いは、クランプ(ベースマウント)の形状、アーム駆動部のネジの種類、径変換ネジやケーブルバンドなどの付属品の有無などが異なっているという点です。正直なところどの製品も似たり寄ったりです。価格の高い製品にはポップガードなどの付属品が付いているようです。
「Roycelのマイクスタンド」や「AKEIEのマイクスタンド」が売れ筋のようですが、私はあえて「Antarcのマイクスタンド」を選んでみました。
どれを選んでも最初に不具合がないかをしっかり確認して、問題があれば返品手続きをしましょう。アマゾンは返品が容易であることが消費者にとって良い点です。
マイクスタンドの同梱物とデザイン
パッケージと同梱物
マイクスタンドはしっかりとした箱に入って届きました。
同梱物はマイクスタンド本体、ベースマウント、マイクマウント、ケーブルバンド、径変換ネジ、日本語の簡易な組立説明書です。
組立説明書は日本語で書かれていることに加えてカラー写真が掲載されています。組み立てはとても簡単でまったく迷うことがありません。
付属マイクマウント
付属のマイクマウントは、学校のスピーチで使われているような普通のマイクを取り付けるときに使います。径の太いコンデンサーマイクの取り付けには使用できません。
マイクマウントを上から見た状態です。品質も悪くありません。
こちら側がマイクマウントの下部です。付属のマイクマウントを使用する場合は、マイクスタンドの先端のネジにマイクマウントを取り付けます。
マイクマウントのネジを外すと、付属のネジ径変換アダプタを差し込むことができます。
マイクマウントの可動部はプラスドライバーで任意の位置に固定します。
ベースマウント
こちらがベースマウントです。マイクスタンドを机に取り付ける際に使用します。デスクライト等でもよく見かけるタイプです。
マイクスタンドの取り付け方法は、まずベースマウントを机に固定した後にマイクスタンドの下部のポールを差し込んで自立させます。その後にマイクスタンドがぐらぐらしないようにネジで固定します。
こちらがベースマウントの上側です。この部分の形状も製品によって異なります。
ベースマウントのネジの先端部に少し錆びが浮いていました。この程度は普通のことです。安価な製品はこんなものです。
この製品はネジのハンドル部がプラでできていますが、他の製品では金属でできているものもあります。私は金属よりもプラのハンドルが好みだったのでこの製品を選んでいます。類似商品でもブランドが違うと細かいところがかなり違っています。
このネジはアームを差し込んだ後に固定するものです。指がうまく引っ掛かって回しやすいです。
アーム
こちらがマイクスタンドのアーム部分です。本体の色はつやのないブラックです。品質にも問題なくスムーズに可動しました。
この価格帯のマイクスタンドはいずれもほぼ同じ長さです。机のサイズによっては、マイクを机の裏から手前にもってくることができません。
私はマイクスタンドを机の横側に取り付けています。机の奥に取り付けると適切な位置まで届きません。アームの長さが短いです。アームがもう少し長ければ使い勝手も良くなったのではないでしょうか。
折りたたまれた状態のアーム。奥の部分がベースマウントに設置するポールで、手前の銀色の部分にマイクを取り付けます。私の場合は「MPM-2000U」のショックマウント部に接続しました。問題なく連結できました。
このネジを緩めてマイクの角度を調整します。マイクを実際に使う状態で角度を調整する必要があります。そうしないとアームを手前に持ってきたときにマイクが明後日のほうを向いてしまいます。
マイクスタンドの中央部にも角度調整のネジがあります。ハンドルは慎重に回さないとプラのハンドルが割れそうです。
使いやすい角度にしてネジを締めます。使用に際して特に不都合はありませんでした。
アームをベーススタンドに挿した状態です。差し込んだポールを軸にして向きを調整することができます。
マイクスタンドを実際に机に取り付けた状態です。マイクスタンドの安定性は値段なりといったところでしょうか。机の裏が傷付かないようにゆっくりと取り付けることが大切です。
アームを固定するネジのハンドル部を含めると4.5cmほど出っ張ります。したがってマイクスタンドを机の背面に設置する場合は机と壁に隙間ができます。
ベースマウントの台座は机の上を40mm×30mmほど占有します。こちらは大して邪魔にはなりません。
コンデンサーマイクを設置する際にマイクを上から吊すスタイルにしました。この取り付け方は最高にかっこいいのでおすすめです。笑
ケーブルは付属のケーブルバンドを用いて固定すると見た目も綺麗になります。3本の付属ケーブルバンドをアームの上部に2本、下部に1本使って固定しました。
机の上が小さなスタジオのようになった!
ポップガードとアーム式マイクスタンドはコンデンサーマイクの利便性が確実に向上します。それぞれの要点をまとめてみました。
・ポップノイズを低減できる
・多くのコンデンサーマイクに対応
・シンプルなデザインで見た目が良い
・マイクの位置を簡単に調整できる
・アームの可動域が広い
・価格が安い
・値段の割に品質が良い
・スタジオのようになる
・アームの長さが短い
ポップガードとマイクスタンドはどちらも本当に買って良かったと思えるアイテムでした。ポップガードとマイクスタンドはコンデンサーマイク使用時の利便性を飛躍的に向上させる製品と言って間違いありません。
しかしそれ以上に、ポップガードとマイクスタンドはコンデンサーマイクの見た目が良くなるという点でおすすめできます。コンデンサーマイクをマイクスタンドに取り付けてポップガードを付けると机の上が小さなスタジオのようになります。