KORG「PitchCrow-G AW-4G」は視認性は高いが操作性に難あり

チューニング中音楽・楽器
スポンサーリンク

 私はコルグのクリップチューナー「AW-2」を愛用しています。ディスプレイの視認性が若干悪いことを除けばとても使いやすいチューナーで気に入っています。本当に良い製品だと思います。愛用者が多いことも頷けます。

 ところで、私は以前からクリップチューナーがもう一つあれば便利だろうと思って、新しいチューナーの購入を検討していました。

 一つは最近の定番であるコルグの「PitchCrow-G AW-4G(以下、AW-4G)」です。もう一つは、売れ筋ではないけれども見た目が好みのフェンダーの「Fender® Bullet Tuner」です。この二つのどちらにするか長い間迷っていました。そんな中、2月初めのアマゾンタイムセールで少しだけお安くなっていたコルグの「AW-4G」を購入してみました。

スポンサーリンク

売れ筋の定番チューナー「AW-4G」

KORG-PitchCrow-G-AW-4G

 コルグの「AW-4G」はコンパクトなクリップ型のチューナーです。昔のモデルの「AW-2」と比べるとサイズがとても小さくなっています。さらに、フルカラーLCD化によって色鮮やかで視認性が高くなっています。従来型のクリップチューナーから大幅に改良されています。チューニングの精度も良好です。

 このチューナーにはギターとベースの専用モードが搭載されています。たとえばギター・モードでチューニングを行うと音名と弦番号が併記されて表示されます。1弦を巻きすぎているときにはディスプレイ上に警告が表示されます。これによって初心者にありがちなチューニングで1弦を切ってしまうというミスを避けられます。

製品の特徴

フルカラーLCD搭載で暗所でも視認性が高い
・±0.1セントの超高精度ファイン・チューニング機能
約24時間を誇る電池寿命により長時間の動作が可能
・ギター・モードとベース・モードの専用モードを搭載
・ギター・モードでは1弦巻き過ぎ時に警告を表示

製品の仕様

音律12平均律
測定精度±0.1セント以内(ファイン・チューニング)
基準ピッチ範囲436~445Hz(1Hz単位)
外形寸法幅約63mm × 奥行き約56mm × 高さ約25 mm
質量約21g(電池含む)
電池寿命約24時間
付属品動作確認用CR2032型リチウム電池
製造国ベトナム

(出典:「AW-4G」説明書)

パッケージ裏面

スポンサーリンク

「AW-4G」の同梱物とデザイン

付属の電池は蓋に格納

 製品には動作確認用の電池CR2032が付属しています。電池はパッケージのフタを開けた内側のフラップに格納されています。パッケージを捨てる前に電池を忘れずに取り出して下さい。

同梱物一覧

 パッケージの中身はクリップチューナー本体、電池、簡易説明書の三点です。

多言語簡易取扱説明書

 多言語表記の簡易説明書にはクリップチューナーの操作や設定に関する説明があります。説明書を紛失してもKORGの公式サイトからPDFファイルをダウンロードして閲覧することができます。出先でも設定方法を確認できます。

(参考)
AW-4Gのマニュアル(KORG公式サイト)(日本語)

クリップチューナー本体

 クリップチューナーの外観はひじょうにすっきりとしています。従来製品よりも小型軽量という謳い文句に偽りはありません。

スリムなクリップ部

 裏側のクリップ部分です。このクリップ部も旧製品のAW-2と比べて幅が狭くスリムになっています。

ダブルボールジョイント

 可動部はダブルボールジョイントです。クリップの付け根とディスプレイの後にボールジョイントがあります。思った以上に自由に動かせます。

広い可動域

 クリップの向きを変更してみました。

伸びるアーム

 アームを伸ばして見ました。アームの可動域はひじょうに広いと思います。

コンパクトな液晶画面

 こちらが本体の大体のサイズです。クリップ部を含まないディスプレイの横幅は約44mmとかなり小さくなっています。

クリップチューナーの全長

 アーム展開時のサイズは形状にもよりますが10cm前後です。

クリップの幅

 クリップ部の幅は約10mmです。

スポンサーリンク

電池の入れ方がちょっとややこしい

電池カバーの着脱

 電池は本体裏側の蓋を外して、その蓋に取り付けます。それから蓋を本体に戻すかたちになります。電池は少し入れにくいと感じました。

電池はCR2032

 蓋と電池。電池はCR2032が付属しています。100円ショップでも購入可能です。

電池は蓋にセット

 このように電池をはめ込みます。

電池の挿入

 ちょっと斜めにして本体に差し込みます。

裏蓋の取り付け

 このあたりで本体と平行にします。そして蓋を奥まで押し込んで下さい。

電源オン

 電源を入れてディスプレイが表示されればOKです。(注:ディスプレイの色は実際には写真よりも色鮮やかです。以下の写真も同様)

液晶をAW-2と比較

 旧製品の「AW-2」と比べると視認性が格段に向上しています。ディスプレイは本当に見やすいです。

スポンサーリンク

「AW-4G」の各ボタンの使い方

背面のボタン配置

 ディスプレイ背面に設置された四つのボタン。

 右上に電源ボタンがあります。他のボタンと違って少し凹んでいます。手探りでも分かるようになっています。

 電源ボタンを入れるとすぐにチューニングが行えますが、必要に応じてモードを切替えたりキャリブレーションを行ったりすることもできます。

 なお、電源を入れたまま何もしないと3分で自動的に電源が切れます

 右下には「M(モード)」ボタンがあります。ボタンを押すとモードが切り替わります。

ギターモードに設定

 ボタンを一回押すとクロマチック・モードからギター・モードへと切り替わります。ギター・モードに変わるとディスプレイの左側に「GUITAR」と表記されます。

ベースモードに設定

 もう一度ボタンを押すとベース・モードに変わります。ベース・モードにするとディスプレイの左側に「BASS」と表記されます。

 ギターの場合はギター・モード、ベースの場合はベース・モードにしておけば良いと思います。電源を入れ直しても設定したモードは保持されています。

ピアノに合わせて442Hzに

 左上には「CAL(キャリブレーション)」ボタンがあります。CALボタンを押すたびに基準ピッチを1Hz単位で上げていくことができます。たとえば442Hzに設定することも容易です。いきすぎた場合はCALボタンを何回か押すか、もしくはCALボタンを長押しすることで440Hzにリセットできます。

 左下には「FCN(ファンクション)」ボタンがあります。通常のクロマチック・モード時にFCNボタンを押すとファイン・チューニングに切り替わります。ディスプレイ右下に「FINE」と表示されます。解除したいときは、もう一度FCNボタンを押します。

 その他の細かい設定は、説明書またはネット上のマニュアルをご覧ください。

スポンサーリンク

実際に使って初めてわかる数々の問題点

「AW-4G」の致命的な問題点

 開封して使用してみるとすぐに気づいた点がいくつもあります。まず、背面にある各ボタンがとても押しにくいです。これは慣れの問題ではありません。数日間、何度繰り返して試してみても押しにくいという感覚は拭えません。

新旧製品のクリップ部の比較

 その中でも特に電源ボタンが押しにくいです。一番肝心な電源ボタンが押しにくいのです。電源ボタンは他のボタンと区別しやすくするためかボタン中央が凹んでいます。さらにいえば、旧製品ではボタンが本体フレームとは別の単独のシリコンのようなパーツでしたが、現行品は本体フレームの一部がボタンになっています。典型的なコスト削減の弊害です。

 これに関連して別の問題が生じます。電源ボタンが押しにくいため、より力を込めてボタンを押すことになります。そうすると本体フレームの小ささが仇となって、ディスプレイを強い力で押さえつけることになります。その結果としてディスプレイ表示が滲んでしまいます。また、ディスプレイが指紋だらけになってしまいます。

 これらの問題点はレビュー等で指摘されていました。しかし、製品に対する総合的な評価が高かったために、大丈夫と思って購入してしまいました。

旧製品「AW-2」との比較

ギターヘッドへの取り付け

 電源ボタンの位置が旧製品から変更されています。旧製品はヘッドの表面にチューナーを設置しても、電源が右側にあるためボタンを簡単に押せました。しかし、こちらの製品は電源ボタンが左側に変更されており、写真でいうとヘッド側にボタンがあります。以前と同じように使おうとすると電源ボタンが押しにくく感じます。ヘッドの先端か裏側に取り付けるしかなさそうです。このあたりは使用者が普段どこにチューナーを取り付けているかによって感想が異なるかもしれません。

 また、「AW-2」ではディスプレイの両脇に白地のロゴがあるため、ディスプレイの上下がすぐに分かります。一方、「AW-4G」はディスプレイの下部に「KORG」と黒地で小さく書かれていますが、チューナーをヘッドに付けた状態ではすぐに判別できません。

新旧製品のクリップ部の比較

 「AW-4G」と「AW-2」ではクリップ部が大きく異なります。クリップ部は旧製品のほうが圧倒的に優れています。上記の写真をよく見て比較してみて下さい。左が「AW-4G」で右が「AW-2」です。

 「AW-2」はクリップの先端部上下にパーツを覆うようにゴムが付いています。ギターのヘッドに挟むときにコツンと当ててしまっても傷付きにくくなっています。一方、「AW-4G」は挟んだ後にギターが接触する面にしかゴムが貼られていません。クリップ下部にある受け皿部分も「AW-2」のほうがスムーズに可動します。

 この点は指摘する方があまりいないかもしれませんがきわめて重要です。コンパクト化という名のコストダウンによって圧倒的にチープになっています。旧製品の「AW-2」のほうが間違いなく高品質です。

スポンサーリンク

視認性の高さ以外におすすめできる点がない

チューニングが合った瞬間

 コルグの「AW-4G」を使用すると旧製品である「AW-2」がいかに優れた製品であったのかが分かります「AW-4G」は旧製品よりも機能性が格段に向上したにもかかわらず、操作性が著しく低下しています。このチューナーは内容に対して評価だけが高い印象を受けます。

 そうはいえど、コルグの「AW-4G」が定番になっており、ほかに有力な製品があるかというとそうでもないのです。コルグにはぜひ「AW-2」と同様の外観でディスプレイ部のみ「AW-4G」にした製品を開発してほしいと思います。

 これなら最初から見た目重視でフェンダーのチューナーを買っておけば良かったというのが正直なところです。

 フェンダーの「Fender® Bullet Tuner(バレットチューナー)」は弾丸の形をしたコンパクトタイプのクリップチューナーです。カラーはブラックとシルバーがあります。ブラックもぜひ見てみて下さい。どちらもむちゃくちゃ格好良くないですか? 幸いにして日本で使っている人はまだ少ないようです。

複数のギターを置けるギタースタンドが想像以上に便利だった!
複数のギターを立て掛けられるギタースタンドは、ギターやベースを効率的に整理するためにとても有用です。実際に一般的なギタースタンドから複数用のギタースタンドにリプレイスしたところギタースタンドの専有面積が随分と少なくなりました。
アコギの音はサウンドホールカバーで小さくなるのか?
ダダリオのサウンドホールカバー「Screeching-Halt PW-SH-01」のサイズ(実測値)を記載しています。サウンドホールカバーをアコギやエレアコに取り付ける際の参考にして下さい。本来の用途とは違いますが音も少し小さくなります。
マイクの機能性を格段に高めるポップガードとマイクスタンド
コンデンサーマイクにポップガードとアーム型マイクスタンドを取り付けるだけで機能性と操作性が格段に高まります。私が実際に使用しているポップガードとマイクスタンドを紹介しています。