パワーポイントのスライド操作にはプレゼンターを使用しています。プレゼンターの利点は、会議や発表などの場面でスライドの操作性を向上させるだけでなく、パソコン操作を聴衆に意識させずに自然な振る舞いができるという点にあります。
これまで使用していたプレゼンターが不調になってきたため、新しい製品を購入しました。これまでいくつかのプレゼンターを使用してきましたが、今回は定番製品のひとつであるコクヨのプレゼンター「黒曜石(こくようせき)」を試してみることにしました。
プレゼンターを使用することで自然な動きのプレゼンが可能になる
コクヨのフィンガープレゼンター「黒曜石」
新しいプレゼンターが急遽必要になったため、以前から気になっていたコクヨの「黒曜石(こくようせき)」を選んでみました。プレゼンターを使用することでページ送り等が手元で軽快に実行できるようになります。
このようなプレゼンターは、会議、コンペ、研究発表、学会発表、授業、講義、講演会、説明会、報告会、研修会、講習会等におけるプレゼンテーション場面で活用することができます。
他にも PDF、写真、画像などのページ送りはもちろんのこと、Web ページや Twitter などの SNS の画面のスクロールも可能です。「NEXT」には「PageDown」キーが、「BACK」には「PageUp」キーが割り当てられていると思われます。
この製品はフィンガープレゼンターであるため、基本的には指にはめて使うかたちになりますが、ペン型のレーザーポインターに取り付けて使用することも可能です。
「両手フリーでスマートなプレゼンテーション」という謳い文句があるように、プレゼンターを用いることで登壇者の自然な振る舞いが可能になります。そして、それは聴衆の注目を自分に集めることで話に耳を傾けてもらうことにも繋がるのです。こういうことが分かっていないと、パソコンの前にへばりついて画面とにらめっこをしているかような稚拙な発表になってしまいます。
コクヨ「黒曜石」の仕様
「黒曜石」は付属のドングル(受信器/USBレシーバー)をパソコンのUSBポートに取り付けて使用します。周波数帯域は2.4GHz RF(ラジオ派)方式が採用されています。こちらは Bluetooth には対応していません。
使用電池はアルカリボタン電池(LR43)1個、連続使用時間は約15時間となっています。お試し用の電池が付属しています。
本体のサイズは幅 32 mm × 奥行き 32 mm × 高さ 32 mm 、質量は電池を含めて約12gです。ドングル(受信器)のサイズは幅 17 mm × 奥行き 26 mm × 高さ 5.5 mm、質量は約2.5gです。
材質は本体が PC、ABS、リング部が PC エラストマー、受信器が PC となっています。製品は中国製です。
ドングル(受信器)は USB Tyep-A、USB 1.1 以上に対応しています。受診可能距離は受信器の周囲半径約15mです。ただし、使用環境によって短くなることもあります。
(参考)
フィンガープレゼンター黒曜石(コクヨ公式サイトの製品ページ)
https://www.kokuyo-st.co.jp/stationery/fp/
同梱物一覧
プレゼンター本体、ドングル、レーザーポインター用の交換リング、電池、保管用ポーチ、簡易説明書&保証書です。
この製品は購入したら付属の電池を入れてすぐに使用することができます。
ペン型のレーザーポンターに取り付ける場合はリングを交換する必要があります。
電池交換方法
操作パネルは反時計回りに回すと簡単に外れます。これで電池を交換したりリングを交換したりすることができます。
付属の電池を入れて元に戻します。使用電池はアルカリボタン電池(LR43)1個です。
「黒曜石」の操作とデザイン
プレゼンターは正面から見ると円のようになっています。これはやや嵩張るデザインといえます。
操作パネルは、「NEXT(ページ送り)」ボタンが中央に配置されており、その両脇に「BACK(戻る)」ボタンと「BLACK OUT(黒画面)」ボタンがあります。上下にはボタンはありません。
「NEXT」ボタンを2秒以上長押しするとスライドショーが開始されます。これは「F5」キーを押したときと同じです。また、「BACK」ボタンを2秒以上長押しするとスライドショーが終了します。これは「Esc」キーを押したときと同じです。
先にも述べたとおり、「NEXT」ボタンには「PageDown」キー、「BACK」ボタンには「PageUp」キーが割り当てられています。そのため、写真のページ送りや SNS のスクロールにも使えます。マウス操作は疲れるという方も使えます。
これは Kindle Unlimited で漫画や雑誌を読むときにも使用できます。リラックスした体制でページを捲ることができるのでむちゃくちゃ便利です(人間としてはダメになっていきますが……)。
リングを指にはめて使用します。成人男性の場合は人差し指や中指の第一関節または第2関節あたりまでしかスムーズに入りません。下端が開いているため多少の融通は利きます。
片側に「ON」「OFF」のスイッチがあります。他者に使ってもらうときは必ず「ON」にしてから手渡します。そして使用後は忘れずに「OFF」にします。
なお、「ON」にすると操作パネルの赤色LEDが約5秒間点灯します。また、電池の残量が少なくなったときにLEDが点滅するようです。
反対側には「ID」ボタンがあります。通常は使用しません。詳しくは説明書をご覧ください。
リング部はゴムのような素材のため、将来的に加水分解でだめになってしまうかもしれません。昔、愛用していたロジクールのプレゼンターは、本体が溶けたかのようにベタベタになってしまって、機能には問題がないにも関わらず使用できない状態になってしまいました。そういうことがこういった製品全般に起こる可能性があります。
ドングル(USBレシーバー)のサイズ
ドングルを発表用パソコンのUSBポートに差し込みます。インストール作業は不要です。なお、会場に置いてあるパソコンの場合は、この手のUSB機器がそもそも使用できないということもありますので、会議等の前に使えるかどうかしっかり確認しておく必要があります。
ドングルの頭はUSBポートから14mmほど突出することになります。この部分はせめてマウスのUSBレシーバーと同じように短くして欲しかったです。ドングルを取り付けたままノートパソコンをケースに収納できない可能性があります。
なお、このドングルは本体のボタンを押したときに赤色LEDが1秒ほど点灯するようです。
ドングルはリング部に収納することができます。本体を激しく振っても落ちません。
保管用ポーチ
保管用ポーチが付属しています。このポーチは薄いクッション素材でできています。
これに本体を入れてバッグに収納しておけばドングルや操作パネルが外れても紛失することはないでしょう。
「黒曜石」の使用感
このプレゼンターは、三つのボタン、三つの機能だけというシンプルな設計です。つまり、誰でも簡単に使用できるということです。そのため、この製品は登壇者に使用してもらうものとしても有用です。
使用中は「NEXT」ボタンに親指を添えている状態になります。このボタンはひじょうに押しやすくて誤動作も起こりにくいと感じます。また、両端の「BACK(戻る)」ボタンと「BLACK OUT(黒画面)」ボタンは、意図的に押さなければいけないため、誤って押してしまうということは通常起こりません。
受信器の受信範囲も良好です。実際に使用した限りでは、一般的な会議室等であればパソコンやスクリーンの付近において問題なく使用することが可能です。
この「黒曜石」は、有名企業が出している安価なプレゼンターの中では、コンパクトで使い勝手のよい製品といえます。キャノンも同じような形状の製品を出しています。
不満は丸い形状にこだわることで、せっかくのコンパクトさがやや損なわれてしまっている点です。本体を保管用ポーチに入れてもぼこぼこしてしまいます。そのあたりは改良して欲しいと思います。
これ以外の製品であればロジクールのプレゼンターをおすすめします。ですが、リング型のほうが両手がフリーになって自然な振る舞いになります。右手にマイク、左手に資料や試作品を持って話すといったことも可能です。