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アコースティックギターの選び方と初心者おすすめモデル

音楽・楽器
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 進学を契機として、あるいは生涯の趣味として、アコースティックギターでも始めてみようという方もいらっしゃると思います。

 ところが、アコースティックギターはデザインや価格がまちまちでどれを選んだら良いのか迷ってしまいます。私が初めてギターを買おうとしたときもそうでした。いま思い返してみると、専門用語がまったく分からず、種類も多すぎて何が何やら分からないといった状況だったと記憶しています。

 初心者のときに多くの方が一番困ることは、周りに相談できる相手がいないということではないでしょうか。今では YouTube でプロやベテランの方が詳しく解説してくれています。けれども、私が初めてギターを買ったときは自分が知りたい情報がネット上にはほとんどありませんでした。

 アコースティックギターを選ぶ前に、知っておいたほうが良いことがいくつかあります。このページでは、そういった事柄を簡潔にまとめています。下記の説明はものすごく単純化しており誰でも分かるようになっています。

 自分が初めてアコギを買ったときに、事前にこういうことを教えもらえていたら助かったなと思いながら書いてみました。もし間違っていることがあったらごめんなさい。もっと詳しく正確な内容が知りたい場合は楽器店の公式サイトや書籍などをご覧ください。

アコギを始めるときに必要なものと持っていると便利なもの
アコースティックギターを始めるために必要なものをまとめてみました。これからアコギを初めて見ようかなと思った方はぜひお読みください。ギターと一緒に買うものやあると便利なものがすぐに分かります。
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アコースティックギターを選ぶ前に

アコースティックギターとエレクトリックギター

 ギターを大雑把に分けるとアコースティックギター(アコギ)とエレクトリックギター(エレキ/エレキギター)の二つに分けられます。

 アコースティックギターの「アコースティック」という言葉は「音響」を意味しており、生の音を響かせるようなギターということになります。アコギは路上ライブや弾き語りでもよく用いられています。

 エレクトリックギターはアコギに対して「電気」ギターとも訳せるように、ピックアップという装置で弦の振動を電気信号に変換して、アンプ(ギター用のスピーカー)を通して音を増幅することで大きな音を出して演奏するといった特徴があります。

 ここではアコースティックギターに限定して言及しています。

アコースティックギターの種類

 アコースティックギターはクラシックギター(ガットギター)とフォークギター(フラットトップギター)に大別できます。これらのギターは細部の作りや活躍する場面が異なります。

クラシックギター

 クラシックギターにはナイロン弦が張られています。クラシックギターの歴史は古く、ナイロン弦がない時代には羊の腸が弦として張られていたようです。

 フラメンコの伴奏に用いられるフラメンコギターはクラシックギターに近しいものになります。

フォークギター

 これからアコギを始める方が手に取るギターがフォークギターになります。

 フォークギターにはスチール弦が張られています。一般的にアコースティックギターと言った場合にはスチール弦を張ったフォークギターのことを指しています。

エレクトリックアコースティックギター

 アコギにピックアップ(音を拾う装置)を載せたエレクトリックアコースティックギター(エレアコ)と呼ばれるギターもあります。大きな会場でアンプに接続して音を鳴らすことができます。

 もちろん、ピックアップの付いていないクラシックギターやフォークギターでも、ギターの前にマイクを立てて大きなスピーカーから音を出すことができます。

 エレアコはお店でパッと見た感じでは普通のフォークギターと見分けが付かないものが多いです。一見すると普通のアコギに見えるようなものでも、内側に予めピックアップが仕込まれているものがあります。

 普通のフォークギターに後からピックアップを取り付けることもできます。アコギを選ぶときにピックアップの有無を重視する必要はありません

BEHRINGER(ベリンガー)の楽器用マイク「SL 75C」
BEHRINGER(ベリンガー)の単一指向性ダイナミックマイク「SL 75C」はコスパの高い楽器用マイクです。このマイクは価格の割に品質が良くてびっくりしました。

ボディの形状とサイズ

 ボディの形状は2~3種類に大別できますが、ここでは大きく二つに分けています。それがドレッドノートタイプフォークタイプです。ボディのデザインは人によって好みがはっきり分かれる要素といえます。

 この二つの形状・サイズがアコギのスタンダードなかたちになります。実際にはメーカーや機種によって形状や大きさには細かな違いがあります。お好きな形状を選んでください。

ドレッドノート

 「ドレッドノートサイズ」「ドレッドノートタイプ」などと呼ばれる形状・大きさのものがあります。ギターをやっていない方がアコギを連想する際にはドレッドノートタイプが思い浮かぶことが多いのではないでしょうか。

 ドレッドノートタイプはフォークタイプと比べるとサイズが大きくボディに厚みがあります。また、ボディの形状は胴の下部がずっしりしているところに特徴があります。

 ドレッドノートタイプはフォークタイプよりもボディに厚みがあるため、体型によっては抱えたときに窮屈さを感じてしまうかもしれません。

フォーク

 「フォークタイプ」「フォークサイズ」などと呼ばれる形状・大きさのものがあります。ブランドによって違う呼び方をすることもあります。

 こちらはドレッドノートタイプと比べると小柄で、ボディが「8の字」や「ひょうたん」のようにくびれているところに特徴があります。小柄な方でも比較的扱いやすいのではないでしょうか。

 私はフォークタイプのほうが好みです。

使用木材と構造

 このあたりは最初のうちはあまり気にする必要はありません。同じ価格帯のものはだいたい似たような作りになっています。

 ギターには「スプルース」「シダー」「ローズウッド」「メイプル」「マホガニー」などさまざまな木材が使用されています。ギターの部位、モデル、価格帯によって使用されている木材が異なります。

 また、ギターの構造によって「オール単板」「トップのみ単板」「オール合板」などに分類されます。3万円から5万円の初心者モデルは「トップのみ単板」が多いように思います。高級ギターでは「オール単板」のものが多くなります。単板と合板はどちらも一長一短があります。

 近年では木材価格の高騰やドル高円安傾向などの事情によって同等のモデルであっても、以前に比べて価格が高くなっていたり、安価な材料に変更されていたりといったことが起っています。

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アコースティックギターを選ぶ際のポイント

ヤマハのエレアコ

 ギターの選び方は人によってさまざまな考えがあると思います。ここに書いてあることが絶対に正しいという訳ではありません。周りに相談できる方がいる場合は、その方に意見をもらってください。

 自分が初めてギターを買うときに、こういう点を教えてくれる人がいたら良かったということを以下にまとめています。参考までにご覧ください。

予算を決める

 アコギは安いものであれば1万円ほどで購入できます。ネット通販では超格安ギターが売れ筋商品として検索結果に反映されていることが少なくありません。これらのギターは多くの場合に「初心者におすすめ」と謳われています。初めてギターにふれる方にとっては、どのギターも同じように見えるかもしれません。価格の高いものが良いとは限りませんが、安いものは安いなりです。

 一般的に、安いものには安い理由があり、高いものには高い理由があります。そして本当に良いものは総じて高い傾向にあります。ご予算のある方はじっくりと検討してみてください。衝動買いだけは絶対に避けたいところです。

 もちろん、最初から高いものを手にするという選択肢もあります。しかし、音や見た目の好みが分からないときに適当に高いものを買ってしまうと、後から嫌になってしまったときに面倒です。また、ギターの扱いが分からないうちは、ギターのサイズ感が分からず壁や机にぶつけてしまったり、立てかけたギターを倒してしまったりということが起こりえます。

 ただし、「エド・シーランの大ファンでエド・シーランモデルのギターが欲しい」というように欲しいギターが明確に分かっていて、その決断が揺るぎない場合は絶対にそれを買うべきです。憧れの人と同じギターであることは想像以上に重要です! なぜなら、練習する際のモチベーションに繋がるからです。

 いずれにせよ、良いギターを一度弾かせてもらう機会を作ってみてください。たとえ音の良し悪しが分からなかったとしても、ギターの作りの違いを少なからず感じ取ることができるはずです。

 それと、ギターは値段の高低にかかわらず後から調整が必要になることがあります。ネックが反っている場合には反りを修正し、弦高が高くて弾きにくい場合には弦高を低くする必要性が生じます。最初のうちは楽器屋さんに持って行って相談してみましょう。調整にかかるおおよその料金がネットで見られる楽器屋さんもあります。

 ギターを購入する場合は「チューニングがしっかり合う」「弾きやすい(弦高が適切であること)」「カッコイイ!」といった点がとても大切になります。
 この他にも色々と重要なことはありますが、楽器としての最低限度の要素が備わっているものは、ギター単体で3万円から5万円くらい出す必要があります。予算は最低でも3万円以上が望ましいです。そこに数千円をプラスすると必要なアクセサリーが付属した初心者セットが手に入ります。

演奏性・操作性

 ギターはモデルによってネック(手で握るところ)の太さが違ったり、ボディの厚みが違ったりします。また、まったく同じ型番のモデルでもそれぞれ弦高(フレットと呼ばれる銀色の金属の部分と弦の下端とのあいだの間隔)等が違うことがあります。モデルごと個体ごとに色々な差があることを知っておいて損はありません。

 お店に行く機会があればまったく弾けなくても実際に手にとって触れてみることが大切です。いくつかのギターを持ち比べてみるだけでも、あなたにとってしっくりくるものとそうでないものがあるということが分かります。写真だけでは大きさも重さも分かりません。

 たとえば、次のような動作をとったときにどういう感覚になるかに注意を向けてみると良いかもしれません。演奏は自分で適当に弦を弾いた後に店員さんにお願いしてみましょう。

・ネックを握ったとき
・ボディを膝に乗せたとき
・弦を押さえたとき
・弦を弾いたとき
・音を聴いたとき
・他のギターと弾き比べたとき
・ギターを持った姿を見たとき

 お店に行って現物を見せてもらいましょう。中高生の方はお母さんかお父さんかと一緒にお店に行くと店員さんの対応が明らかに良くなります。

 そうはいえど、近隣に楽器店がない場合や欲しいモデルが近くのお店にない場合も少なくありません。そんなときは思い切ってネットで注文しましょう。

 ギターはネットで購入しても問題ありません。私もエレキギターとエレキベースをネットで購入したことがあります。アマゾン、楽天、楽器店などのネット通販で楽器を購入することはごく普通です。有名店や大型店を選んでおけば間違いありません。万が一、明らかな不良品だった場合には店舗に連絡してみましょう。

見た目・デザイン

 ギターを選ぶときにもっとも重要な要素は見た目です。見た目は超重要です。好みのデザインであるか否かは練習のモチベーションに直結します。

 お店や通販サイトで色々なギターを眺めて自分が格好良いと思ったデザインのものを選びましょう。アコギの場合はエレキギターほど見た目に大きな違いはないので比較的選びやすいのではないでしょうか。

 初心者向けモデルはどのブランドの製品もカラーバリエーションが豊富です。素敵な色のギターを選んでください。派手な色と無難な色で迷ったら無難な色を選びましょう。個人的にナチュラルやサンバーストなどの落ち着いた色は長く使っていても飽きが来ないように思います。

 奇抜なデザインのギターは有名人と同じモデルであるというような強い思い入れがない限り、しばらくしたら飽きてしまう可能性があるので絶対に避けましょう。

 この他の注意点として、商品名や型番に「ミニ」「ミニギター」「トラベル」「トラベルギター」「ジュニアモデル」などの表記があるギターは、一般的なギターよりもサイズの小さな製品になっています。普通サイズのギターが欲しい場合は避けるようにしてください。

 また、ギターは左利きの方のための左利き(レフティ/Left Hand)モデルが用意されています。右利きの人は左利きモデルを間違えて買わないように注意してください。左利きの人は、右利き用のギターを持ってみてまったく違和感がなければ右利きモデルで始めても良いかもしれません。右利きモデルは左利きモデルに比べて圧倒的に種類が豊富だからです。ギターは右利きモデルなら選びたい放題です。

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初心者向けのアコースティックギター

 「YAMAHA(ヤマハ)」「Morris(モーリス)」「Fender(フェンダー)」など多くのメーカーが3万円前後のエントリーモデルを発売しています。これというブランドやモデルが特にないという方には、ヤマハのエントリーモデルをおすすめします。

 下記に取り上げているヤマハの各モデルのエントリーグレードは、いずれもコストパフォーマンスの高いギターだと思います。その中でも「FG820」と「FS820」は量販店であればどこの店舗でも取り扱っている定番のギターです。いずれも評判は高いです。

 ヤマハのエントリーモデルの良い点はカラーバリエーションが充実しているところにもあります。気に入る色がきっとあるはずです。気になるモデルがあれば、ヤマハの公式サイトやアマゾンの販売サイトなどでデザインや仕様を確認してみてください。

(参考)
「FG/FSシリーズ」(ヤマハ公式サイト)
「APXシリーズ」(ヤマハ公式サイト)
「CPXシリーズ」(ヤマハ公式サイト)

ヤマハ「FG820」

 FGシリーズのエントリーグレード。島村楽器の初心者向けセット品が Amazon でも手に入るようです。

 FG820はギターといえばこの形というずっしりとしたシェイプをしています。表板にスプルース単板、裏・側板にはマホガニーが採用されています。

 カラーバリエーションは、ナチュラル、オータムバースト、サンセットブルー、ブラック、ブラウンサンバーストとなっています。

 パワフルなサウンドを楽しみたい方に。

ヤマハ「FS820」

 FSシリーズのエントリーグレード。こちらも島村楽器の初心者向けセット品が Amazon でも手に入るようです。

 FS820はくびれのあるボディシェイプで、FG820と同じく表板にスプルース単板、裏・側板にはマホガニーが採用されています。

 カラーバリエーションはFG820と若干異なり、ルビーレッド、ナチュラル、ブラック、ターコイズ、オータムバーストとなっています。いずれも綺麗な色が採用されています。

 FSはFGと比べて胴幅が狭くて胴厚も10mmほど薄くなっているため、小柄な方でもとても抱えやすくなっています

ヤマハ「APX600」

 APXシリーズのエントリーグレード。APX600はカッタウェイデザインに薄胴ボディのエレアコです。APX600は、FG820、FS820、CPX600と比べるとボディがかなり小さい点が特徴的です。

 「大きなギターはちょっと」という方はAPXシリーズが最適です。楽器屋さんでAPXシリーズのギターを見ると他のギターとの対比もあり「小さい」と感じると思います。

 カラーバリエーションは、ナチュラル、ブラック、ビンテージホワイト、オールドバイオリンサンバースト、オリエンタルブルーバーストとなっています。色の名称が素敵ですよね。

ヤマハ「CPX600」

 CPXシリーズのエントリーグレード。CPX600はミディアムジャンボボディのエレアコです。APXシリーズと同様にカッタウェイデザインが採用されています。

 カラーバリエーションは、オールドバイオリンサンバースト、ルートビア、ブラック、ビンテージティントとなっています。カラーバリエーションは昔のCPXエントリーグレードと比べるとかなり変わっているように思います。

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私が最初に買ったギターは……

 私が初めて買ったアコギはヤマハのCPXシリーズのエントリーモデルです(全体の写真は既に「見た目・デザイン」の項目のところで出しています)。

 CPXシリーズやAPXシリーズはピックアップが内蔵されたエレアコです。

 エレアコはボディの側面にイコライザやボリューム等が備わっています(写真は現行のものではありません)。9Vの乾電池を入れるところが別に設けられています。シールド(アンプに繋ぐケーブル)接続部はボディの下部にあります。

 エレアコにこだわっていたという訳ではなく、ボディの肩の部分に切り込みが入ったカッタウェイ仕様が気に入ってCPXに決めました。このときは普通のアコギにはあまり見られない形状がとても気に入っていたのです。ボディもそこまで大きくないのでとても使いやすいギターです。

 もう随分前のことですが、このギターは検討に検討を重ねて買った記憶があります。まったく同じ製品は既に廃盤になっていますが、後継機種が発売されています。見た目はほぼ同じですね。

 購入時には「FG」「FS」「APX」などの製品(旧製品)とも比較させてもらいました。これらのギターも当時と異なり新しくなっていますが、今でもアコギ初心者の定番モデルといえます。

 希望が特になければ「FG」シリーズか「FS」シリーズを候補に入れて検討してみてください。大きな楽器店では「FG820」「FS820」などのエントリーモデルが必ずといって良いほど店頭に並べられています。それに「FG820」と「FS820」は価格的にみても「APX600」や「CPX600」よりも安くなっています。

 初めてギターを購入するということはなかなかハードルが高いかもしれません。けれども、色々なギターをじっくりと比較してみると好みのギターが必ず見つかると思います。実際にお店で見てみると大きさが違うということも分かりますし、デザインの好みも分かります。最初に入門に適したしっかりしたギターを手に入れるとずっと長く使えます!

 これは余談ですが、お店だけでなくギターや楽器のイベントに行くと、普段は触れないようなギターにも触ることができます。これは結構おすすめです。

 ギターを買うときには、ピック、チューナー、カポタスト(弦を押さえる道具)、替えの弦(アコギ用で太さがエクストラライトゲージのもの)、ギタースタンドなども忘れずに買ってくださいね。ギター本体と必要なものがセットになった初心者セットも販売されています。

 とにかく最寄りの楽器店に足を運んでみてください。イシバシ楽器、島村楽器、ヤマハ、山野楽器(ロックイン)などの大手楽器店はあちこちにありますので、ご自宅の最寄り店を探してみてください。その中でもショッピングモールに入っている楽器屋さんは初心者でも入りやすくて超おすすめです。店員さんも初心者の方への対応が慣れています!!

アコギを始めるときに必要なものと持っていると便利なもの
アコースティックギターを始めるために必要なものをまとめてみました。これからアコギを初めて見ようかなと思った方はぜひお読みください。ギターと一緒に買うものやあると便利なものがすぐに分かります。