スマートフォンからイヤホンジャックがなくなってからというもの、Bluetooth イヤホンを使って音楽を聴いていたのですが、随分前から無線イヤホンを充電するのが面倒になってきて、最近ではスマホで音楽を聴くことが少なくなっていました。
しかし、外出先で YouTube の音声を聞いたり音楽を聴いたりしたいと思うことが時々あり、Google Pixel 7 に買い替えたついでに有線イヤホンを使えるようにしてみました。
Android スマホにしても iPhone にしても、USB Tpye-C(USB-C)端子またはLightning 端子と 3.5mmオーディオ端子の変換アダプタを接続することで、お手持ちの有線イヤホン/有線ヘッドフォンを使用して音声や音楽を聴くことが可能になります。
3.5mmステレオミニプラグを USB Type-C 端子に挿せるようにする
USB Type-C ⇔ Φ3.5mmオーディオアダプタを用意する
スマホで音楽を聴くためには、Bluetooth(無線)接続のイヤホンを使うか、USB Type-C 端子が付いている有線イヤホンを選ぶか、または変換アダプタを付けて持っているイヤホンを接続するかになります。
ここでは変換アダプタを使って音楽を聴く方法を紹介しています。
今回は、Owltech(オウルテック)の「Type-C Φ3.5mmオーディオアダプタ(公式サイトの製品ページ)」という製品を選んでみました。オウルテックはパソコン業界では誰でも知っている周辺機器メーカーです。最近はスマホアクセサリーを多数販売しているようです。
こちらの製品は「デジタル出力対応」「30,000回の折り曲げに耐える」「高音質再生DAC」「マイク付きイヤホン対応」がうたわれています。
このような製品を使用することによって、昔のスマホのように有線イヤホン/有線ヘッドフォンを使用して音楽や映像を視聴することが可能となります。
購入時の価格は1,000円(税込み)です。それだけで今まで通り有線イヤホンが使えるようになります。普通に音声を聞いたり音楽を聴いたりする分には十分です。
この製品は Pixel 7 や Pixel 3 で使用できることを確認いたしました。
変換アダプタを選ぶ際の注意点として、その製品に「DAC(ダック)」が組み込まれているかどうかを確認しなければなりません。
「DAC」は「Digital Analog Converter(デジタル・アナログ・コンバーター)」という意味で、デジタル信号をアナログ信号に変換する役割を担っており、「D/Aコンバーター」と表記されることもあります。「DAC」は最新スマホの多くの機種で音を有線出力するときに必要となります。
「DAC」のある製品は「DAC搭載」や「DAC内蔵」という表記がパッケージのどこかに必ずあります。または「DAC非搭載」や「DAC非内蔵」と記載されていることもあります。
表記のない製品は基本的に「DAC非搭載」「DAC非内蔵」であると考えてください。そのような製品も売り場に普通に陳列されています。また、ダイソーやセリアで販売されている100円の変換アダプタはDAC非搭載です。多くのスマホで使えない可能性が高いです。(2023年5月17日追記)ダイソーの300円商品(税込み330円)にDAC搭載の変換アダプタが販売されていました。ただし、品質は不明です。
このような変換アダプタは、家電量販店ではスマホのアクセサリーコーナーか、オーディオ売り場のイヤホンコーナーに陳列されています。安いものは1,000円~2,000円程度で販売されています。
ヨドバシ梅田のような大型店では、DAC搭載の変換アダプタが数点だけではありますが店頭で試せるようになっています(2022年11月時点)。自分のスマホで使えるかどうか知りたいという方はお店で試してみるのも手かもしれません。
なお、専用イヤホンや変換アダプタは、前に使っていた古いスマホ(Android & iPhone)に付属している可能性があります。たとえば、Pixel 3(2018年発売)は付属品に含まれています。購入前に前モデルの同梱物をご確認ください。今回は箱が見当たらなかったため新たに購入しています。
高音質で音楽を聴きたい場合
有線イヤホン/有線ヘッドフォンを利用して、高音質で音楽を聴きたいという場合は、高機能高性能のDACを搭載した製品やハイレゾに対応した製品を選ぶ必要があります。
今ではオーディオマニアに向けた数々の製品が発売されています。ご予算に余裕のある方は、最初から高性能な製品を選ぶと間違いないと思います。
しかし、そうした製品は中には数万円もするものがあります。音楽や音声を普通に聞くだけであれば安価な製品でも十分です。DAC搭載の製品は1,000円程度で手に入ります。
いずれの場合でも、自分のスマホに対応しているかどうかを事前に確認しなければなりません。
ここからはオウルテックの変換アダプタの詳細を確認していきます。
オウルテックの変換アダプタの特徴
この製品は断線に強いことが売りのようです。触った印象では一般的なケーブルと変わらないように思えます。パッケージを見ると、内部の構造が強化されているようです。
DAC搭載であることもきちんと説明されています。なお、製品をパッケージから取り出してしまうと外見だけではDAC搭載か非搭載かが判別できなくなってしまいます。
オウルテックの変換アダプタの仕様
この製品はType-C端子搭載のスマートフォンとタブレットに対応していますが、USB Type-C アナログオーディオ出力には非対応とあります。また、iPadのみ通話機能が使用できないとあります。
このような製品は具体的にどの機種で使えるかといったことが分かりにくいので、自分の機種名で検索して使用例があるかどうかを購入前に確認しておくことが望ましいといえます。
コネクタ形状は、USB Type-C(オス) – Φ3.5mmステレオミニジャック(4極メス)です。マイク付きイヤホン(4極)に対応しています。規格はCTIA規格のようです。
長さは約8cmとありますが、両端子の端から端までの実測値は9.8cmです。重量は約4gです。製品は中国製です。
変換アダプタのデザインについて
安価な変換アダプタはどれも似たり寄ったりのデザインです。こちらの製品のカラーはブラックですが、公式サイトを見ると他にホワイトと線がレッドになっているものがあるようです。
他社の製品もブラックやホワイトが多いです。しかし、大型家電量販店にも数種類しか置いていないことがほとんどです。今はBluetooth(無線)接続が主流です。
オウルテックの製品はUSB Type-Cのコネクタに「Owltech」というロゴが入っています。
裏面には文字が記載されています。
3.5mmイヤホンジャックは至ってシンプルです。一般的なステレオミニプラグが挿さります。
こちらに有線イヤホン/有線ヘッドフォンを接続します。
有線イヤホンのプラグを挿し込んだ状態です。
有線イヤホン/有線ヘッドフォンを接続するときは、絶対に耳から取り外した状態で接続作業や音楽再生を行ってください。大音量がいきなり流れることがあります。接続して音楽を流した状態でイヤホンをそっと耳元に近づけて音量に問題がないことを必ず確認してから耳に装着してください。
また、有線無線にかかわらずイヤホンやヘッドフォンの長時間使用は難聴になる恐れがあることから、休憩を適宜挟んで限られた時間のみ使用するようにしてください。昨今、難聴の若年者が増えているようです。耳は大事ですよ!
USB Type-C 端子はケースが付いている状態でも難なく挿し込めます。このあたりはケースの作りによって差が出てくるかもしれませんが、このコネクタ自体はそれほどおおきなものではなく一般的な充電用のUSB Type-C 端子と同程度の大きさです。
有線ヘッドセットで音声を使用する
Pixel 7と接続した場合は、画面上に「有線ヘッドセットで音声を使用する」というメッセージが出てくることがあります。
そのままでも使えますが、設定が必要であればメッセージをタップして指示に従って設定してください。Pixel 3と接続した場合は、特に何のメッセージも出ずにそのまま使用できました。
音量は、有線イヤホン接続時とスピーカー再生時では別々に設定されています。つまり、従来のスマホと同じように、イヤホン接続時は音量中程度にしていても、イヤホンを外すと音量小(=元々設定していた音量)になってスピーカーから音が出ます。逆も同じです。音量設定がそれぞれ別に保存されています。
(多分)先のメッセージをタップして出てきたと思われる画面です。この画面の下にある「デバイスロック時に有線ヘッドセットのリクエストを許可」という項目のチェックをオンにしておいてもよいかもしれません。注意事項をよく読んで判断してください。
ロック画面上でも(ブラウザや再生アプリの設定によって)有線イヤホン/有線ヘッドフォンが使用できます。右上の「有線ヘッドフ…」をタップすると有線イヤホンの音量を変更することができます。
音量の設定はやや高め、音量バーの3分の1程度のところにしなければ聞こえにくいといった感じです。音質は可もなく不可もなくといった印象でごく普通です。使用している有線イヤホンが安価な製品ということもあると思います。ですので、高級イヤホンや高級ヘッドホンに接続した場合は評価がまた変わってくると思われます。
いずれにしても、これでとても快適になりました。YouTubeのニュースや解説動画の音声をちょっと聞きたいというときにも重宝しています。1,000円前後で有線イヤホンが使えるようになるということは選択肢として十分ありではないでしょうか。煩わしい充電作業からも解放されます。
もちろん、USB Type-C 端子付きのイヤホン/ヘッドホンを最初から選んでおくというのもありですね。