梅雨の時期は雨が多くて屋外の階段やスロープなどが滑りやすくなっています。滑りやすい床材はスリップ・転倒事故を招く原因となります。
靴の種類や靴底の状態に気をつけることも重要です。しかし、それよりも階段や通路に防滑処理を施すことのほうが現実的といえます。
実はちょっとした一手間で断然滑りにくくする方法があります。それは市販の防滑テープを滑りやすい箇所に貼り付けるという単純なものです。施工はとても簡単で費用も安く抑えることが可能です。防滑テープも大型ホームセンターで入手することができます。
実際に、公共施設や高齢者が利用するような施設において同様の処置が施されています。それに加えて、自分で施工した結果を踏まえると、このような対策は実用性と費用対効果がひじょうに高いといえます。
すべり止めの取り付けによる転倒・スリップ事故の防止策
川口技研の「屋外用スベラーズ」
屋外用の滑り止め材は大型ホームセンターやネットショッピングで手に入れることができます。このような滑り止め材はホームセンターでは手すりや家具の滑り止め等の用品が置かれているコーナーにあります。
屋外に施工する場合は屋内専用品と間違えないようにしなければなりません。屋外用の製品は雨や直射日光に対する耐性があり、一定の期間にわたって性能を保ったまま利用することができます。
今回は川口技研の「屋外用スベラーズ」を選びました。テープの幅は3.5cm、長さは1m巻のものや5m巻のものがあるようです。このような製品が大型ホームセンターに陳列されています。しかし、この背品は特殊なテープということもあって、価格が高いことが唯一の問題といえそうです。
なお、近所のホームセンターでは同等品の切り売り販売もありました。お店によっては必要分だけを購入することができるかもしれません。
この「スベラーズ」はテープ状になっており、必要な長さをはさみでカットして使えることから、誰でも簡単に施工することができます。多少の凹凸にも対応しています。
また、こちらの製品は、コンクリート、タイル、金属、石材、木部等に貼付けることが可能です。水や油の掛かるところにも取り付けられます。したがって、エントランス、スロープ、階段などの施工が想定される場所には難なく取り付けることができます。
使用例では玄関アプローチや脚立への貼付けが紹介されています。模様が付いた鉄板への貼付けもできるようです。鉄板は滑りやすい素材の代表格といえます。そういうところにも普通に貼り付けられます。
すべり止め材は鉱物粒子の含まれた樹脂コーティングが表面に施されています。また、ベース部(基材)は柔軟性のあるアルミベースとなっています。テープの厚みは約1mmです。
貼り付け時は、湿っているときや気温の低いときを避けるように注意書きがあります。埃、錆、苔、水分、油分、ワックスを落としてから施工しなければいけません。
貼り付け位置も指定されています。このテープは階段の縁ギリギリに貼付けることはできません。これはおそらく剥がれとつまずき防止のためと思われます。
また、端も開けて水の通り道を作っておく必要があります。
カラーはグレー、イエロー、ブラックがラインナップされています。イエローがもっとも目立ちやすくて安全性が高いといえます。デザイン性を重視するのであれば建物に合せてグレーかブラックを選ぶことになります。
この製品はテープ状になっているので、剥離紙を剥がして貼り付けるだけでOKです。
1m巻はあまりに短くて、階段1段分しかまかなえません。テープを半分の50cmにカットすると階段2段の中央部分だけカバーすることができます。
広範囲に貼り付ける場合は5m巻単位で購入されることを強くおすすめいたします。1m巻では足りません。
すべり止めテープの貼り付け
鉱物粒子が含まれたテープの表面は、荒目の紙やすりのようにザラザラした手触りです。すべり止めの効果が明らかに期待できる材質です。
粘着テープが付いているため、剥離紙を剥がしてすぐに貼り付けることができます。
剥離紙は端を少し剥がして位置を調整してから、部分的に剥いでいくと綺麗に貼り付けられます。
すべり止めのテープは、凹凸のあるタイルにも貼り付けることができます。
裏面の剥離紙を少しだけ剥がして位置を調整して、貼り付ける部分の剥離紙を少しずつ剥がしながら、押さえつけるようにして貼り付けていくと綺麗に貼り付けられます。
後からやり直すことは難しいので貼り付け位置を予め決めてから施工するようにしてください。
この部分は明らかに滑りにくく成っています。革靴のように滑りやすい靴で勢いよく飛び乗っても滑りませんでした。また、雨の日もこの上だけはまったく滑りません。すべり止めの効果は抜群のようです。つるつるして滑りそうなところがあるのであれば試してみる価値は十分にあります。
このような一手間で、スリップや転倒を未然に防ぐことが可能になります。自分で施工できるので費用もテープ代しか掛かりません。高齢者やお子様のいるご家庭の方は、ぜひお試しください。転倒リスクを減らして安全性を高めることができます。