昨年、電気のこぎりと一緒に電動サンダーを購入しました。以前テーブルのメンテナンスをしたときに手作業でサンドペーパーをかけていたのですが、やすり掛け作業に思いのほか時間と労力を要してしまいました。
そんな経験があったため、電動サンダーを手元に置いておくことにしました。
電動サンダーは、木材のバリを取ったり、表面の毛羽立ちを取ったりとDIYの色々な場面で活躍します。塗装前の仕上げにも最適です。
また、電動サンダーはお手頃価格の製品が多くのメーカーから発売されています。どれでも良いのでひとつ持っておくと作業が本当に捗りますよ。
電動サンダーは木工時の表面仕上げや面取りに便利!
高儀 EARTH MAN「吸じんオービタルサンダー(SD-100sc)」の概要
ダイニングテーブルの天板をやすり掛けする作業があまりに大変だったため、電動サンダーを購入しました。
選んだ製品は高儀の「吸じんオービタルサンダー(SD-100sc)」です。このサンダーは電気のこぎりと同時に購入しました。電気のこぎりを高儀のEARTH MANシリーズの製品にしたため、色々と迷った末にサンダーも同じEARTH MANシリーズにしました。
安価なサンダーは電気のこぎりと違って様々なメーカーから発売されています。どれを選べば良いのか迷ってしまうほどです。個人的には有名メーカーの製品であればどれもそれなりに使えるのではないかと思います。
同一価格帯の製品はいずれも内容的に似たり寄ったりです。デザイン、付属品、レビュー、サンドペーパーの取り付け方式等を比較してみると、使用場面にあった製品が見つかるのではないでしょうか。
サンダーは木材の表面仕上げや面取り作業に使用する電動工具です。木材の表面は凹凸を均したり、毛羽立ちを取ったりすることで、表面が綺麗になって手触りも良くなります。また、木材の縁も面取りしておくことで手や腕があたっても怪我をすることはありません。
表面仕上げや面取り作業は手作業でも可能ですが、手が疲れる上に時間もかかります。たとえば、手入れを怠っている無垢ダイニングテーブルの天板を手作業で丁寧にやすり掛けするとなると本当に重労働になります。本棚も同様です。塗装前と塗装後に研磨する作業を繰り返すと木の表面がサラサラになるのですが、そこに至るまでに膨大な時間を要します。実際にやってみると分かります。
大変なことを手作業でする根気と気力が必要です。だから、今更ではありますが作業工程を機械化していきます。
製品の主な仕様
この製品は「吸じん機能内蔵」「変速ダイヤル付」「握りやすいトップハンドル」という三つの特徴があります。
吸じん機能は、本体底面に吸じんのための穴から、研削粉を吸い取って本体後方のダストバッグへと送り込むというものです。ただし、吸い込まれる研削粉は全体の一部から半分程度という印象です。室内で作業を行うと細かい粉があちこちに堆積します。これはどの製品でも起こりうることだと思います。
変速ダイヤルは、1からMAXまで7段階で調整が可能です。材にあわせてスピードをコントロールすることができます。ただし、スピード1や2はひじょうにゆっくり振動するため、使いどころがないように感じられます。
ハンドルは滑り止めが付いているためとても握りやすいです。長時間使用すると手が痺れてくるので、場合によっては防振手袋があると便利かもしれません。
主な仕様をみてみると、電圧は100V(周波数50/60Hz)で消費電力は150Wとなっています。回転数は毎分約5,000~11,000回転です。定格時間は30分です。
本体サイズは長さ約250mm × 幅約90mm × 高さ約165mmです。また、コード長は約1.8mで、重量は約1.7kgです。
取り付けられるペーパーサイズは短辺約93mm × 長辺約233mmとなっています。専用のサンドペーパーが販売されています。
一方、市販の製品は長辺が230mmと少し短くなっています。その場合には短辺に厚紙などを取り付けて長さを延長して使用します。また、吸じん用の穴が空いていないペーパーは自分で穴を開ける必要があります。
同梱物一覧
箱を開けると本体と説明書が入っています。発泡スチロールなどの緩衝材はなく、簡易梱包となっています。
外箱はサンダー未使用時に保管する箱として利用できます。
サンダー本体とともに付属品が同梱されています。
付属品は、取扱説明書、サンドペーパー(3種各1枚)、ダストボックスの三種類です。
取扱説明書は簡単な使用方法がまとめられています。「サンディングペーパーの取り付け取り外し」「操作方法」「研磨方法」などは目を通しておく必要があります。
取扱説明書は要点が上手くまとめられています。家庭向けの電動工具だけあってとても分かりやすいと思います。
サンドペーパーは「♯80」「♯120」「♯180」が各1枚入っています。付属のペーパーは吸じん用の穴が開けられています。
サンドペーパーは予備もいくつか買っておくことをおすすめします。仕上げ用に「♯240」と「♯400」を追加すると良いかもしれません。色々な種類を用意しておくと、後からホームセンターに買いに走らずに済みます。
ホームセンターで売られている大きなサンドペーパーを三等分して使用することもできそうです。ただし、吸じん機能を活用するためには穴を開ける必要があります。
吸じんや目詰まりを考慮すると、メッシュ状になったサンドペーパー(後述)がもっと便利だと思います。これは100円ショップのダイソーにも各番手が販売されています。
この袋は本体に接続して使うダストボックスです。クリップ部(写真左側)を本体後方にある排気口に取り付けます。ゴミはダストボックスにあるジッパー部(写真右側)から捨てることができます。ただし、細かい粉塵は袋にひっついて綺麗に取れません。
吸じん性能はそこまで高くないという印象を受けます。室内作業では細かな粉塵が舞うことを覚悟しなければいけません。
本体の外観と各部のデザイン
製品の重量が約1.7kgもあるため、手にずっしりとした重みを感じます。全体的な作りもしっかりしています。
電動サンダーは底面が長方形のものと円形のものがほとんどを占めていますが、こちらの製品は底面が長方形になっている製品です。デスクの天板や食器棚の棚板などのように面積の広いところを研磨する作業に適しています。反対に細かな作業を要する曲面への使用には向いていません。
本体はブラックとグレーのシックなデザインです。レッドやオレンジの製品が多い中ではかなり落ち着いた色合いになっています。
本体を上部から見た状態です。グリップ前方後方ともに持ちやすいように滑り止めが施されています。グリップのバランスも絶妙で、使用時にも不満は感じられませんでした。
グリップの黒い部分が滑り止めが施されているところです。変速ダイヤルが前方グリップの中央に取り付けられています。
指で左側にぐりっと動かしてやることでダイヤルが「1」から「6」そして「MAX」の7段階で調整可能です。
作業にあわせてスピードをコントロールできることは便利ですが、「1」や「2」は音が静かなものの振動が弱くて使いどころが難しいと思います。
実際に「1」で使ってみると(やすりの番手や材の硬さにもよるとは思いますが)あまり削れません。スピードコントロールは基本的に「6」前後で使うかたちになるのではないでしょうか。
本体後方のグリップは細くて掴みやすい形状になっています。こちらにも上下に滑り止めが付いています。
トリガーを引くと引いているときだけ稼動させることができます。写真中央の緑色のボタンはサンダーを連続稼動させるためのボタンです。
基本的にトリガーに指をかけて使用するか、連続稼動のボタンを押した上でグリップを握って使用するかになります。
こちらが本体の側面です。一番下の部分にサンドペーパーを取り付けます。
なお、販売サイトのレビューには本体底面の接合部の構造が脆弱であるという指摘があります。もしかすると、安価な製品はどれも価格なりの構造なのかもしれません。幸いにして今のところ動作に問題は起こっていません。
本体を前方から見た状態です。隙間にある黒いバーでやすりを押さえる構造になっています。同じものが反対側にもあります。
本体側面にあるクイックレバーを外すと、やすりを着脱することができます。やすりの取り付け作業は、慣れるまで少し時間がかかります。
本体側面のクイックレバーを外して、レバーを下に移動させるとサンドペーパー取り付け部が開きます。
市販のサンドペーパーは長辺が230mmとなっています。サンドペーパーの長さが微妙に短いため、取り付け時にコツが要ります。
市販のサンドペーパーの長さがどうしても足りないという場合は、サンドペーパーの端にホチキスで厚紙を取り付けたり、養生テープを巻き付けたりして少し延長してから取り付けるといった工夫が必要になるかもしれません。
本体底面の黒い部分を覆うようにサンドペーパーを取り付けます。黒い部分はゴム素材でクッション性がわずかにあります。
八つの穴が吸じん機能を担っています。付属のサンドペーパーには穴が開けられているため、開封後すぐに使用することができます。
こちらが本体後方の排気口です。底面から吸い込んだ粉塵は後方へ排気されます。
付属のダストボックスは金属クリップで簡単に着脱することができます。このダストボックスは端にはジッパーが付いており、底を開いてゴミを捨てられるようになっています。ただし、吸じん性能はそこまで高くないという印象です。
排気口に掃除機や集塵機を取り付ける場合は、排気口の径をアダプタで変更してやる必要があります。ちょうどよいサイズのものがあるかどうかは不明です。
アミ目仕様の両面ヤスリ
一般的な紙やすりでは使用中に目詰まりすることがありますが、アミ目状になったやすりは目詰まりしにくくなっています。
このようなやすりは大型ホームセンターに取扱いがあります。また、100円ショップのダイソーにも主要な番手が取り扱われていました。どちらも問題なく使用できますが、両方のやすりを比較するとメーカーもののほうが製造品質がやや高く感じられました。耐久性に差があるかは分かりません。
アミ目の両面やすりを実際に使ってみると分かることですが、普通の紙やすりよりも目詰まりしにくく耐久性に優れているため結果的に長く使えます。しかも、両面使えます。アミ目の両面やすりは本当におすすめです。
社外品のやすりはどれも長辺が短く、取り付け時にクリップに丁寧に上手く挟み込んでやる必要があります。市販品はペーパーサイズの長辺が230mmとなっているのに対して、この電動サンダーのペーパーサイズ仕様は長辺が233mmとなっています。さらに付属のサンドペーパーのサイズは長辺の実寸が235mmと余裕のあるものでした。
したがって、製品によっては取り付け時に工夫が必要になるかと思われます。
ダイソーの「メッシュ両面やすり(長辺の実寸230mm)」とSK11の「ポリネット両面やすり(長辺の実寸230mm)」は、どちらも丁寧に取り付ければ取り付けられました。
コツは片側のクリップにやすりをわずかに挟み込んでから、底面のゴム板に沿わせて、たるまないように型を付けながら、もう片方のクリップのところにやすりを持っていくということです。器用な方は何の問題もなく取り付けられると思います。
実際に電動サンダーで木材を研磨した感想
昨年末にすのこベッドを製作していました。電動サンダーは、木材表面の毛羽立ちを取ったり、角の面取りを行う為に使用していました。
木材の広い範囲にやすり掛けを行う必要があったため、電動サンダーを買っておいて正解でした。手作業でやすり掛けを行うと、それだけで日が暮れてしまいます。
写真はアミ目やすりを電動サンダーに取り付けた状態です。やすりの長さがギリギリのため取り付けにコツが必要です。写真のようにきちっと本体に沿わせてください。
電動サンダーの操作性に関しては、グリップが滑り止め加工されていることもあって握りやすくて使いやすいです。ボタンとトリガーに関しても不満は特にありません。スピードコントロールは「6」前後で使用することがほとんどで、「1」や「2」は使いどころが分かりませんでした。
木材の表面仕上げは仕上がりも良くて満足のいくものでした。電動サンダーは1×4材の表面の毛羽立ちを落としたり、木材の割れ目に入れたパテを削ったりする過程で活躍してくれました。また、切断面の面取りにも使用しましたが、角をうまく丸めることができました。面取り作業はカンナとサンダーを上手く使い分ける必要があると感じました。
電動サンダーの大きな問題は、細かな粉塵がどうしても舞ってしまうという点に尽きます。この電動サンダーには、吸じん機能が付いているものの、すべての粉を吸い取ってくれるわけではありません。作業終了後に横に置いてあった棚の上を見てみると、細かな粉塵が一面に堆積していました。
そのため、電動サンダーの使用時は、屋外で作業をしたり、防塵マスクを付けたり、布団や衣服にカバーを掛けたりといった対策が必要と痛感しました。
それでも電動サンダーは、手作業で広範囲にやすり掛けをする労力を考えると、効率が良くてコストパフォーマンスも高いことから、導入しても損はないという結論になりました。安価なモデルはホームセンターにも展示されていることが多いので、一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。