猛暑真っ盛りの8月某日。エアコンの吹き出し口から大量の水がボトボトとこぼれ落ちてきました。おかげでエアコン直下は水浸しになってしまいました。
このような水漏れは排水系、とりわけドレンホースの詰まりが原因であることが多いものです。もしも水漏れの原因がドレンホースの詰まりであれば、詰まり取り用の真空ポンプさえあれば誰でも簡単に解決することができます。
業者を呼ぶのは自分でできる簡単なことを一通り試した後でも遅くはありません。そもそも、夏の暑い時期はエアコン業者の予約が中々取れません。仮に業者を呼べたとしても費用がそれなりに掛かってしまいます。
ドレンホースの詰まりは1,000円から2,000円程度の費用で自分で解決することができます。
ドレンホースの詰まりによるエアコンの水漏れを直す
水漏れの原因を考える
エアコンの吹き出し口から水が滴り落ちてくる場合に、何が原因となっているのかを考える必要があります。
最初にエアコンの型番を確認してメーカー公式サイトのマニュアルを探して読んで原因を追究します。その後、室外機の周辺を確認して、ドレンホース/ドレンパイプから水がどの程度出ているのかを確認します。
冷房を付けているにもかかわらず、水が少ししか出ていないといった場合は、ドレンホースが詰まっていて排水が上手くできていないのかもしれません。ドレンホースの先端や内部に泥や虫が詰まっていないかどうかも覗いてみてください。カナブン等が入り込んでいることがあります。
別のケースでは、どこをどう探してもドレンホースが見当たらないということもあるかもしれません。先行配管/隠蔽配管の場合は、ドレンホースが洗面台の排水管等の設備用の排水に接続されているようなことも考えられます。このようなケースではDIYで何とかするのは難しいかもしれません。
この他、原因が明確でない場合も専門業者にお願いした方がよいと思います。
ドレンホース&ドレンパイプの詰まり除去に必要な道具を用意する
水回りの問題を解決するための詰まり取りポンプは、ホームセンターやネットショッピングで販売されています。真空ポンプは安いものであれば1,000円程度で手に入れることができます。このような製品を上手く活用することで問題を解決できる場合があります。
こちらはイチネン TASCO(タスコ)の「ドレン用サクションポンプ(TA918SX)」というドレンホースとドレンパイプに対応した製品です。これは台湾製です。
この詰まり取りポンプは、洗面台やトイレの詰まりに対応した製品とは先端部が違いますので購入時には注意が必要です。
こちらの「ドレン用サクションポンプ(TA918SX)」は、ドレンパイプの Φ13~25mm(内径)、ドレンホースの Φ14mm(内径)と Φ16mm(内径)に対応しています。
この口径は一般的な家庭用エアコンのドレンホースとドレンパイプの内径に対応しているものです。しかし、サイズが適合するかどうかは購入前に確認しておかなければいけません。
ドレンパイプが壁際に設置されてる場合や地面すれすれに設置されている場合は、先端部がL字(エルボノズル)になっている詰まり取りポンプが必要になります。1,000円程度で販売されている通常の製品は先端部が真っ直ぐになっているので、柔軟性のあるドレンホースに使うことはできても、固定された硬いドレンパイプには差し込むことができません。
今回はL字の先端部が必要だったことから、先ほど紹介したタスコの詰まり取りポンプを選びました。
この製品の特徴は先端部が着脱・交換できる点にあります。先端部がネジ式になっているので交換は簡単です。
安い製品はL字(エルボノズル)が付いていません。購入前にパッケージをよくご確認ください。
詰まり取りポンプの使い方
適合する先端を取り付け、ドレンホース/ドレンパイプの先端にあてがって、ハンドルをゆっくり押し込み強く引くという動作を繰り返します。こうすることでドレンホース/ドレンパイプ内の詰まりが除去できます。
ドレンパイプの場合は先端をあてがっても隙間から空気が漏れてしまって、詰まり取りポンプが正常に機能しないことがあります。そのような場合には、先端部にビニールテープを巻いてパイプと先端との間に隙間ができないように工夫する必要があります。この点は重要です。
(実例)壁際のドレンパイプの詰まりを除去する
先端パーツをエルボノズルに交換します。それから、先端にビニールテープを丁寧に巻いておきます。空気漏れの対策は必須です。
今回のケースでは、ドレンパイプが室外機の奥、外壁の際から出ています。しかも、地面との距離もあまりない状況です。エルボノズルが必須であることはもちろん、詰まり取りポンプがギリギリ差し込める隙間しかありません。
こういうことも詰まり取りポンプを購入する前に必ず確認しておかなければいけません。
このように先端部をドレンパイプに垂直にしっかりと差し込みます。そして、ハンドルを何度も前後に動かします。ハンドルはゆっくり押して強く引きます。何度も繰り返すことで詰まりが解消されます。
なお、このときは地面に這いつくばって作業していたせいで肩がおかしくなりそうでした。ご年配の方は業者に任せたほうが安心です。
それと、テープを巻いていないとハンドルを押したり引いたりした時に空気が漏れて上手く機能しません。手応えを感じられない場合は接合部から空気が漏れていないか確認してみてください。また、ハンドルを引くときに本体が動いて隙間ができていないかどうかも確認してみてください。
詰まり取りポンプを今後も使うつもりであれば、どこでも対応できるようにL字付きを持っておくのが最善といえます。ドレンホースに加えてトイレや洗面台などの水回りにも使えるラバーカップ付きの製品も販売されています。