このところ暖かい日が続いていますね。少し動いただけで汗ばむことも増えてきました。そういう日はシーツなどを洗濯するにはもってこいです。
さて、気温が暑くなってくるとエアコンを付け始めると思います。ところが久々に付けたエアコンから埃っぽい臭いがしてくるとうんざりしてしまいますよね。
そんなときはエアコンのフィルターに付着した埃を除去するだけでなく、内部を洗浄することも一つの手かもしれません。
エアコン洗浄スプレーによる冷却フィンの洗浄
エアコンを使用していると内部に埃が溜まったり結露が発生したりします。それらが原因でカビが発生して嫌な臭いの発生に繋がります。
エアコンを使い始めるときは、フィルターの埃を綺麗に掃除して、場合によっては内部の洗浄を行ってから使用したいものです。
エアコンの清掃は業者に依頼することもできますし、自分で簡易な掃除をすることもできます。どちらを選ぶかは、ご予算、エアコンの汚れ具合などによって違ってきます。
業者に依頼する場合
エアコンは自分で洗浄する以外に業者に依頼する方法があります。業者に依頼する方がエアコン内部を隅々まで綺麗にしてもらえる上に故障のリスクも低くおすすめですが、費用が高い点がネックになります。
一方、自分で洗浄スプレーを用いて洗浄する場合は、基板にスプレーをかけてしまったり、清掃時の振動や衝撃によって故障に繋がったりするといったリスクがありますが、費用を安く済ませられるという利点があります。
どちらを選択すべきかは、エアコンの年式、汚れの状態、清掃作業に対する自信などによって違います。普段の生活で脚立を使ったり細かい作業をしたりすることがない方は迷わず業者に依頼しましょう。言うまでもありませんが、自分で清掃する場合は故障やケガの責任をすべて自分で負う必要があります。
業者に依頼する場合にも色々なやり方があるかと思います。業者やプランによって、1)エアコンの分解洗浄、2)高圧洗浄機による内部洗浄、3)洗浄スプレーによる簡易洗浄など清掃方法はまちまちだと思います。依頼する業者のホームページをみて、どのような作業を行うのか、どの程度の費用がかかるのかを事前にしっかり確認してください。
自分で洗浄する場合
今回、私が実践した方法です。市販のエアコン洗浄スプレーを使って、エアコン内部の冷却フィン(熱交換器)の清掃を行いました。
この方法は簡易な清掃ではあるものの費用を極限まで安く抑えることができます。
エアコン掃除の手順
市販のエアコン洗浄スプレーを用意します。洗浄スプレーは基本的にエアコン一つにつき一缶使い切ります。
エアコン洗浄スプレーはホームセンターやドラッグストアで買うのがおすすめです。ネットで買う場合はアマゾンやロハコ等でほかのものを買うついでにカートに追加するのが良いかと思います。
洗浄スプレーの成分は製品によって芳香成分等が異なるものの大部分は同じようなものです。パッケージの説明をよく読んでから最適な製品を選んでください。
私は長いこと家に置きっ放しになっていた製品を使いました。パッケージを見るとラベンダーの香りと書いてあります。
こちらがパッケージに記載された使用方法です。使用方法を参考にしたエアコン洗浄の手順は次のとおりです。
1)説明をよく読んで準備します。窓を開けて換気を徹底してください。
2)屋外のドレンホース(配水管)が詰まっていないかチェックします。洗浄水がドレンホースから出てきます。
3)エアコンの電源を切って、電源プラグ(コンセント)を外します。
4)エアコン前面のカバーを持ち上げて内部のフィルターを外します。エアコンによってはフィルターの内側に別のフィルターが付いているものもあります。たとえば、ダイキンのエアコンにはゴミフィルターの内側に光触媒のフィルターが付いている製品があります。
5)冷却フィンを露出させます。そして冷却フィンに付着した汚れを確認します。このとき、冷却フィンの向きを確認しておいてください。
6)エアコンの真下に新聞紙を敷きます。
なお、私のエアコンの場合、吹き出し口のビニール養生はまったく不要でした。洗浄水は内部のドレンパンに溜まり、ドレンホースを介して排水されます。
7)スプレー缶のツメを折り取ります。それから、スプレー缶を5~6回強く振ります。
8)スプレー缶を露出した冷却フィンから5cmほど離してフィンの向きにそってスプレーします。スプレー缶を1本全部使い切るまで冷却フィンにまんべんなくスプレーしてください。
基板や電源部等にはかからないように注意しましょう。また、スプレーがプラスチックの桟に当たると洗浄液の飛沫が飛び散るため注意が必要です。
9)洗浄スプレーを使い切ったら、冷却フィンを露出させたまま数時間放置してください。2~3時間経って乾燥していたら新聞紙等を片付けて、エアコンを元通りにしてから電源プラグを付けてください。作業はすべて完了です。
洗浄作業のポイント
今回、実際にエアコンを洗浄してみて気がついたことがいくつかあります。
1)洗浄成分に含まれている芳香剤の香りが一定時間臭い続けます。そのため、換気を徹底することはもちろん、洗浄は出かける前や別の部屋に移動する前に行うことが望ましいです。寝る前のように部屋にずっといるときは絶対清掃しないでください。
2)現状、エアコンの臭いが特に気になっていないという場合は、洗浄スプレーに香料が含まれている製品よりも無香料の製品を選択されるほうが良いかもしれません。芳香剤はかなり強く臭います。匂いに敏感な方は特にご注意ください。
反対にカビ臭にお困りの方は芳香成分が含まれている製品を選択することをおすすめします。
3)私のエアコンには吹き出し口に対する養生が不要でした。上の手順のところにも記載しましたが吹き出し口から液が漏れ出てくることはありませんでした。洗浄スプレーの説明を読む限り吹き出し口の養生は求められていません。したがって、ほとんどのエアコンで吹き出し口の養生は不要と思われます。
しかし、スプレーが冷却フィンの前にあるプラスチックのバーに当たると飛沫が飛び散ることがありました。このあたりは注意しながらスプレーする必要があります。
4)洗浄スプレーでは長い間に渡ってこびり付いた頑固な汚れは絶対に落とせないと思います。まったく掃除していない昔の古いエアコンは、洗浄作業を専門業者にお任せするか、それとも新しいものに交換するか、いずれかを検討した方が賢明です。
電源プラグを必ず外すこと
脚立をしっかりセットすること
洗浄液の飛び散りに注意すること
感電やケガに気をつけること
内部配線に洗浄液が付着したまま稼動させると発煙・発火・火災に繋がるおそれがあります。死亡事故が発生しています。作業に自信のない方は必ずプロに任せましょう。
エアコンの内部洗浄による事故に注意 ~製造から長期間経過した換気扇・扇風機にも注意~(nite/独立行政法人製品評価技術基盤機構)
エアコンの内部洗浄は総合的に見てやって良かったと思います。エアコンの冷却フィンが少し綺麗になりました。また、エアコンを起動したときの独特な臭いが爽やかな匂いに変わりました。
エアコンの簡易洗浄は手軽な上に費用と時間がほとんどかかりません。今回の作業ではスプレー代1,000円未満、作業時間1時間未満でした。
エアコンの内部が少し汚れている程度であれば、わざわざ業者に依頼する必要はないと個人的には思いました。ただし、私は細かい作業等に慣れているということを付記しておきます。