家が古くなってくると色々な箇所に問題が生じます。玄関の鍵の掛かりが悪くなってくることもあるでしょう。鍵がシリンダーに引っ掛かってしまって上手く回せなかったり、すぐ引き抜けなかったりすると毎日のことでもあるので大きなストレスになります。
そういうときは思い切って鍵&シリンダーを新品に交換すると問題が解消されます。この作業は専門業者に依頼すると交換部品の他に作業料や出張料などが掛かってしまい、トータルで見ると少なくとも数万円(3万円~5万円程度)の費用が掛かってしまいます。業者に依頼するとなると相場の確認も必要です。
ですが、一般的な戸建て住宅の鍵の交換は、DIYならドライバー1本あれば15分程度で済みます。費用は5,000円前後しか掛かりません。ここでは、鍵&シリンダーの交換の実例を写真を交えながら紹介しています。
台座の付いた鍵&シリンダーの交換事例は、ブログでも動画でも特に少ないようですので参考になるところがあるかもしれません。ただし、DIYは自己の責任に基づいて行ってください。
鍵&シリンダーの交換作業はDIYで済ませよう!
AGENT カギかえ~る取替用シリンダー
取替用シリンダー&鍵は、古いものと互換性のある製品を選ぶ必要があります。
交換できる製品を調べたところ大黒製作所/AGENTの「カギかえ~る 取替用シリンダー MIWA BH 用(LS5-BH)」が適合することが分かったので購入しました。この製品は MIWA(美和ロック)の BH、BHSP、LD、LDSP、LDL、DZ、DN、FF、UD に対応しています。購入時の参考価格は4,963円です(価格は変動します)。
このシリーズは別の鍵に適合するものも出ていますので、大黒製作所の公式サイトからチェックしてみてください。公式サイトのダウンロードページでは簡単な「取付説明書」をダウンロードしたり、短い取付説明動画を閲覧したりすることもできます。
こちらの製品はピッキング耐性の高いディンプルキーを採用しているところが魅力です。どうせ交換するなら防犯性の高い製品を選ぶべきでしょう。ただし、ディンプルキーの場合は鍵を紛失して業者に開けてもらうとなった場合に昔の鍵より高く付きます。
鍵とシリンダーを交換する前に、製品の適合とサイズ等について何度も確認しておく必要があります。ドアの形状、メーカーと型番の刻印、対応扉厚等についての確認が必要です。間違えてしまうと交換・取り付けできません。
今回選んだBHタイプの適合確認方法は、製品パッケージにも載っていたので紹介しておきます。先ほどの公式サイトからも確認することが可能です。
同梱物一覧
同梱物はシリンダーと鍵(5本)です。このシリーズは、LS5、LS4、LS3という型番の数字の違いで付属の鍵の数が違っているようです。
鍵は5本付属、4本付属、3本付属と3種類あるようです。しかし、Amazon では鍵5本の製品しか見当たらなかったこともあり、なにも考えずにこちらの製品を選びました。
シリンダーはひとつだけしか付属していません。扉の上下の鍵を同時に替える場合は、それぞれの鍵の適合品を二つ用意して置く必要があります。交換の手順は上下ともにほとんど同じです。
この他、工具が必要です。多くの場合、ドライバー1本あれば問題ありませんが、稀に別の工具が必要になることもあります。
シリンダーの高さが普通のものよりやや高くなっているように思います。
適合サイズの確認は慎重に行ってください。同じようなパッケージデザインの製品がたくさん発売されています。型番を間違えると取り付けられません。
裏側を見ると分かるように、ネジが付いていて回しながら取り付けるようになっています。
ここから、鍵のメーカーと型番の確認方法を説明します。その後、古いシリンダーの取り外し方と、新しいシリンダーの取り付け方を見ていきましょう。
鍵&シリンダーの交換方法
古い鍵のメーカーと型番を調べる
玄関のドアを開けるとラッチケースの側面にメーカーと型番の刻印が施されています。ほとんどの鍵はここでメーカーと型番が確認できます。
なお、ここからの写真は個人情報保護のために余計なところを黒塗りしていることをご了承ください。
この玄関ドアの場合は、MIWA(美和ロック)の「LD」という製品が使われていることが分かります。これと同じ仕様の代替品を用意しなければなりません。
型番を控えて検索すると交換用シリンダーが出てきます。代替品が複数ある場合はレビューや評判をよく確認してから適当な製品を選んでください。
台座が付いているシリンダーの場合は少々厄介です。台座の分だけドアの厚みが増すことになり、「対応扉厚」を越えてしまうことがあるのです。そうすると、せっかく交換用シリンダーを購入しても取り付けられないといった問題が起こりえます。
今回の事例では台座が外にも内にも付いていたことから、「対応扉厚」に問題がある可能性が出てきました。
扉厚の計測はメジャーと精密な定規で行いましたが、台座付きの場合の計測方法が合っているのかどうかも分かりませんでした。パッケージにも「長座付・台座付の場合、取付けできない事があります」と記載されています。
また、台座が付いたシリンダーの交換事例が少なく、この製品を購入しても本当に取替えられるのかどうか確信が持てないところがありました。そういう訳で実際に取り付けられるか試してみることにしました。
シリンダーを交換しても内側の鍵は同じものをそのまま使うことになります。こちらは取り外しません。
シリンダーの交換手順
扉によってどこのネジを何本外すか(または外さないのか)といったことが変わってきますので、レバーハンドル周辺を確認しながら臨機応変に対応してください。
付属の簡易説明書を広げて確認しながら作業を進めると、大体の場合は問題なく交換作業が完了します。
まず、上下のネジを取り外します。それからレバーハンドルの軸の部分に付いているネジを外してから、レバーハンドルを引き抜いて外します。
この例の扉では、台座にある上下のネジとレバーハンドルを外すことで、反対側の台座が外れてシリンダーが露出するようになっています。扉によって外さなくてもよいこともあります。
レバーハンドルを外した状態です。
扉側面のフロントプレートは上下のネジ2本を取ることで取り外せます。ネジを紛失しないようにきちんと保管します。
フロントプレートを取り外したら、固定ネジを緩めていきます。固定ネジを緩めることでシリンダーが外せるようになります。
この固定ネジは、シリンダー内側のネジの平らな部分を押さえつけて動かなくしています。だから、それを緩めることによってシリンダーが取り外せるようになるという訳です。
固定ネジを緩めるとシリンダーを回して外すことができます。
後は新しいシリンダーを同じように回しながら嵌め込みます。シリンダーは初期位置を合わせて取り付けていくので簡易説明書をよく確認してください。
新しいシリンダーが取り付けられた状態です。シリンダーを回しながらねじ込んでいくのに少し力が要るかもしれません。
これはシリンダーの取り付けと同時に微調整&確認したほうが良いです。
固定ネジを締め付けて、鍵の開閉状況を確認します。問題が特にないようでしたら、フロントプレートを元に戻します。
新しいシリンダーは何とか取り付けられました。
画像にも表記しているとおり、シリンダーの高さが新旧で異なります。そのため、新しいシリンダーは内側のネジが半分程度しかねじ込まれていない状態で取り付けられてしまっている可能性もあります。
無理矢理取り付けているところがあるので内鍵の枠の部分がやや引っ張られるように突出しています。住宅メーカー専用設計の製品に市販の代替品を用いる場合はこのようなことが起る可能性が大いにあります。実際に付けてみないと分からない点があるということです。
台座付きのシリンダーは交換時の問題を念頭においた上で取替を検討してください。現状では問題なく可動しているので当面はこのまま使用を継続します。
鍵&シリンダーの交換はやって良かったと思っています。鍵の回転や抜き差しは頗る快適です。もう元に戻ることはできません。快適さが本当に違います。
こういう実例はいくらあっても困ることはありませんからネット上に公開しておきます。少しでも皆様の参考になれば幸いです。



