木製ベッドの床板を解体する目的で電気のこぎりを購入しました。大量の木材を手鋸で切ることは大変なことですが、電気のこぎりがあると比較的容易に解体処分することができます。
最近ではホームセンターやネットショッピングでお安いものが色々と販売されているので、適当な製品をひとつ手元に置いておくととても便利です。
大型家具の処分は専門業者に頼むのもあり
不要な家具の処分にお困りの方は想像以上に多いように思います。昨今の自粛ムードの中で家の片付けを行っているものの、タンスや金属製ラックなどの大型家具は持ち運ぶこと自体が困難であり、処分がなかなか進まないといったことはないでしょうか。でも、思い切って処分すると本当にスッキリします。処分した後はなぜ長年に渡って使いもしないものを置いていたのかという思いと、もっと早く処分しておけばよかったという思いに駆られます。
私は過去に業者を呼んで家具を処分してもらったことが数回あります。大型のメタルシェルフを持って行ってもらったこともありますし、大型のタンスを処分してもらったこともあります。どちらにしても、出張費、人件費、運搬費、処分料などの費用が掛ってきます。物を捨てるのも年々大変になっていきますね。
業者によるタンスの処分はそのまま運び出すものとばかり思っていたのですが、実際にはリビングで天板や側板を取り外してから屋外に搬出していました。大型の家具は階段を上げ下ろしたり、狭い廊下を移動させたりすることが難しいという理由からだと思います。
多くのタンスは、婚礼タンスのようなしっかりしたものでも、天板と側板がビスもしくはボンドとダボで接合されています。家に来た業者さんはタンスから取り外した扉を天板に力一杯ぶつけることで天板と側板を引き剥がし、あっという間に解体していきました。そういう風に解体するのかと感心しながら見ていた記憶があります。
同じように解体することは難しいですが、電気のこぎりがあると不要品を細かく切断してから処分することができます。材がよほど固いものでなければ普通に切ることができます。
ただし、ご高齢の方は安全性の面から業者さんにお任せになることをおすすめいたします。
電気のこぎりがあるとタンスやベッドの解体作業が捗ります
安価な電気のこぎりでも十分に使えます!
自分で家具を処分したいというときには、電気のこぎりがあると大変便利です。
私は高儀のEARTH MAN(アースマン)シリーズの「電気のこぎり(DN-100)」を選びました。高儀は工具・電動工具で有名なメーカーです。プロユースの製品が多い中でEARTH MANシリーズは一般家庭に向けて販売されている製品になります。そういうこともあってEARTH MANシリーズは誰でも手の出しやすい価格に設定されています。
私は電気のこぎりとあわせて「吸じんオービタルサンダー(SD-100SC)」も購入しました。サンダーは、また後日紹介しようと思っています。
(追記)電動サンダーはこちらで紹介しています。
電気のこぎりは基本的にものの解体時に使用する製品です。または庭木の枝払いのような用途で使用します。
この電気のこぎりは木材だけでなく、プラスチックや一般金属などの切断も行えます。木製の棚、机、ベッドはもちろん、プラ製の衣装ケース、金属製のラックの解体が可能です。パッケージに「ご家庭の粗大ゴミ解体にも便利!」とあるように一般家庭から出る粗大ゴミの処分が主な使用方法です。
余談ですが、DIYで木材を楽に綺麗に切断したいという場合は丸ノコが最適です。「丸ノコは恐いから嫌だし、手鋸もしんどいから嫌だ」ということであればジグソーがよいかもしれません。
この電気のこぎりはAC100V用です。家庭用のコンセントに繋いで使用するタイプです。
また、製品には3種類のブレードが付属しています。
電気のこぎりの主な仕様
こちらが製品の仕様です。本体の製造国は中国です。
製品の定格時間は30分と定められています。30分以上連続で使用することはできません。30分間使用する際も本体を途中で休ませた方がよいかもしれません。
本体サイズは、長さ約300mm × 幅約65mm × 高さ約205mmです。重さは約1.6kです。ほかは電圧AC100V(周波数50/60Hz)、消費電力350W、コード長約2mとなっています。
ブレードは木工用ブレード、塩ビ・PC用ブレード、鉄工用ブレードの3種類で、刃の厚みや刃ピッチなどが異なります。
最大切断能力は、木材が厚さ約55mm、塩ビパイプが約Φ60mm、軟鉄パイプが約Φ32mm、軟鋼材が厚さ約2.5mmまでとなっています。
ブレードを社外品と取替えることもできます。その場合には最大切断能力は使用するブレードに応じて変ります。
箱を開けると本体が入っています。簡易梱包ですが特に問題は感じられませんでした。
なお、この電気のこぎりはAmazonで購入すると、外装に伝票が貼られて送られてきます。私はサンダーと一緒に買ったため、両方が段ボール箱に入った状態で届きました。まとめ買いをすると場合によっては同梱してくれることがあります。
電気のこぎりの同梱物は写真のとおりです。本体、ブレード(3種類)、六角レンチ、取扱説明書が入っています。
こちらが電気のこぎりの取扱説明書です。
電気のこぎりの使い方、スイッチの仕様、ブレードの着脱方法の項目を読めば問題なく使えます。説明書の内容に不満を感じることは特にありませんでした。
電気のこぎりのブレード
ブレードは木工用ブレード、塩ビ・PC用ブレード、鉄工用ブレードの3種類が付属しています。そのため、すぐに使い始めることができます。ブレードの着脱に使用する六角レンチも付いています。
ブレードごとに分かりやすいよう名称が印字されていますが、使用すると摩擦で消えてしまいます。刃の目の粗いものが木工用です。
木工用と塩ビ・PC用のブレードには「日本製」とあります。アマゾンでは上等なブレードとセットになったものが販売されています。用途によっては最初から良いブレードが付いているものを選んだ方がよいと思います。
ブレードの種類によってブレードの板厚、刃渡り、刃ピッチ、山数などの仕様が異なります。刃の部分を拡大してみるとまったく違っていることが分かります。
ブレードは規格品であるため、市販のレシプロソー用ブレードやセイバーソー用ブレードをそのまま使用することができます。
この電気のこぎりには、ブレードの根元が写真のような形状になっている替刃が適合します。しかし、板厚は1.3mm以下、付け根部分(丸い穴の空いているところ)の幅が12.6mmという制約があります。
替刃はどこのホームセンターでも普通に買えます。
電気のこぎり本体のデザイン
外観は独特の形状をしています。「こぶ」のように見えるグリップのある方が上になります。利き手でトリガー(引金)のあるハンドルを持って、反対の手で上部のグリップを握って本体を保持するかたちになります。本体は滑りにくくて持ちやすくなっています。
本体は約1.6kgですが手にずっしりとした重みがあります。しかし、使用感は悪くありません。ただし、振動が手に伝わってくることから、長時間に渡って使い続けることは辛いです。手がすごく痺れます。しっかりとした手袋を用意しておいてください。
高儀のEARTH MANシリーズは、製品のどれもが同じようなデザインで統一されています。電動ドライバー、オービタルサンダー、電気カンナなども一見してEARTH MANシリーズと判別することができます。グレーを基調としてグリーンが差し色になっています。デザイン的には割と落ち着いていると思います。
電気のこぎりの先端部分です。こちら側にブレードが付きます。左端の面の部分がベースプレートです。
ベースプレートの中心部にブレードを装着します。
ものを切断するときには、このベースプレートの部分に材を押し当てて切ります。ブレードの先端で切ろうとするとブレードがぶれて安定しません。
ベースプレートは角度を調整することができます。切断したい材の形状に合わせて、材が上手くあたるように角度を変えます。
本体上部のグリップ部分です。利き手とは反対の手で押さえ込んで、材を切断していきます。
本体を片手だけで押さえようとするとひじょうに危険です。反発して跳ね返ってこないように、グリップをしっかりと握ってください。
グリップの径はかなり太いです。その分、力を込めてがっちりと本体を保持することができます。
こちらが胴体部分です。「EARTH MAN DN-100」というロゴのシールが貼られています。
本体には通風口が開けられています。
稼働中には中のプロペラのようなものが高速回転していますので、軍手や服が巻き込まれないように注意が必要です。ここには手を置かないようにしてください。
本体後方のハンドル部分にはトリガースイッチとボタンスイッチがあります。トリガーを引いて使用します。トリガーの引き具合によってブレードのスピードが無段階変速で変化します。指をトリガーから離すとブレードが止まります。
電気のこぎりを連続使用したいときは、上部の丸いボタン型のスイッチ押してからトリガーを押さえます。そうすると、ブレードが稼動した状態が継続されます。
ボタンを押し込んだ状態から元の状態に戻すときに押しにくさを感じます。このボタンの用途を知らずに触れてしまうと「のこぎりが止まらない!」と思って慌ててしまいそうです。
電源コードはハンドルの端から出ています。コードの位置に不便は感じません。
ブレードを交換するための六角レンチを、コードの付け根のところ(出っ張っている部分)に収納することができるようです。私は未使用ブレードと一緒に箱に入れています。
電源コードは太めのものが採用されています。
コードの長さは約2mです。家庭内で使用する分には不足を感じませんが、庭木の剪定に使用される場合は延長コードが必須です。
本体を裏側から見た状態です。ネジ穴や仕様のシールがあります。
ブレードの着脱方法
取扱説明書にブレードの取り付け方と取り外し方が記載されています。
説明をしっかり読んで方法を理解しておけば問題ありませんが、説明書を読まないと取り付け方を間違う人が出てくると思います。ブレードは正しく取り付けると使用時に外れて飛んでいくといったことは起こりません。
「ブレード押さえ金具」のボルトを六角レンチで緩めてやります。ボルトを完全に外す必要はありません。「ブレード押さえ金具」と「ブレードホルダーベース」との間に隙間が空いたら、ブレードを挿し込んで、ブレードに空いている穴を「ブレードホルダーベース」の突起部にはめ込みます。それから「ブレード押さえ金具」を六角レンチで締め付けて元の状態に戻してやります。
ブレードが正しく取り付けられた状態です。
ブレードを取り使えた後は、ベースプレートの角度を調整し直します。
側面から見ても歪みはありません。
写真では見えませんが、ブレードの穴がブレードホルダーベースの突起にきっちりはまっています。
電気のこぎりを実際に何度も使用した感想
木材の切断について
電気のこぎりは木製ベッドを解体する目的で購入しました。ベッドの床板(薄い板)はあっという間に切断することができます。一方、ベッドのフレームに使われている2cmほどの厚みの板は多少の抵抗があるものの問題なく切れます。試しに何度も切りましたが、ペラペラの板より時間がかかります。
ボンドとダボ継ぎで接合されている隅の部分も簡単に切れました。ただ、既に何度も使っていますが、真っ直ぐ綺麗に切ることはできません。上の写真では、真っ直ぐ切ろうとしたものの斜めに歪んで切れたところがあります。
不安定な状態の材は上手く切ることができません。とにかく材をしっかりと固定して切断作業を進めることが肝心です。使い方を理解してコツをつかめば簡単に危なげなく使えるようになります。
騒音、木くず、危険度について
・使用時の騒音
騒音に関して言えば、電気のこぎりはかなりうるさいです。音は丸ノコのほうが圧倒的に静かです。
壁の薄いアパートではまず使用することができません。電気のこぎりのトリガーを最大まで引くだけで、昔の掃除機のような騒音がします。さらに、木材を切るときに凄まじい切断音と振動音が同時に響き渡ります。
また、材を床や壁にしっかりと固定して切断することから、振動音を押さえることが難しいです。使用する時間帯に気を使います。
・木くずの飛散
それと、木材を少し切断しただけでも木くずが部屋中に飛び散ります。電気のこぎりの半径1mは確実に木くずだらけになります。ブルーシートを敷いておくと片付けやすくなります。
切断する材の種類によっては破片が飛んでくることがあるため安全ゴーグルの着用は必須です。
・危険性
実際の危険度は丸ノコのほうが高いですが、使用していて恐いと感じる恐怖度は電気のこぎりのほうが圧倒的に上です。
ブレードの先で切ろうとするとブレードがぶれてしまいます。ブレードの中程から付け根側で切るイメージです。また、材をしっかりと固定することと、材をベースプレートにしっかりと押し当てるというところが使用時の快適性と安全性に関わってきます。
不要品を効率的に処分するなら持っていて損はない
電動工具は使い方を事前にしっかり理解しておかないとひじょうに危険です。電動工具を普段から使っていない方は、取扱説明書にしっかりと目を通した上で、お怪我をされないように十分ご注意ください。
そういうことを踏まえた上で、大型の不要品を解体する際には、電気のこぎりがあるのとないのでは効率がまったく違います。大型木製家具を手鋸だけで解体するとなると時間も労力も掛ります。
電気のこぎりは不要な家具を自分で気軽に解体して処分できるということが一番のメリットのように感じます。また、木製品を細かく切断して処分できるという点で利便性はとても高いといえます。時間にゆとりのあるときに、家具を見直したり不要品を処分したりして、快適な居住空間を確保したいですね。
今では価格的に手を出しやすい製品がいくつも販売されています。ホームセンターによっては、その店のオリジナル製品が出ていることもあります。お買い物のついでに現物を一度ご覧になることをおすすめいたします。なお、こちらで紹介している高儀のレシプロソーは既に終売になっているようなので代替品を紹介しておきます。