子どもたちはそろそろ夏休みシーズンですね。夏に山に登ったりキャンプをしたりするご家庭も多いと思います。
しかし、山や川など自然の多い場所では蚊以外にもアブやブヨのような虫が多く潜んでいます。虫刺され対策としてかゆみ止めはカバンに入れておきたいですね。それとあわせて、毒液を吸引できるポイズンリムーバーがあると安心かもしれません。
虫刺されの対策を考える
ポイズンリムーバーは、アウトドアショップやネット通販では大体1,000から2,000円程度で販売されています。しかし実際にはアウトドアの携行品に含まれていないことが多いのではないでしょうか。皆さん、ポイズンリムーバーはお持ちですか?
ポイズンリムーバーは簡易なものであれば誰でも容易に自作することができます。簡易ポイズンリムーバーの作成には、100円ショップで販売されている「シリマー」を利用します。
シリマーは香水や化粧品を別の容器に移すために用いられます。ダイソーやセリアなどの100均で透明に近いものからカラフルなものまでさまざまな製品の取扱いがあります。
今回はセリアの「シリマー(2.5ml)」を利用してポイズンリムーバーの簡易版を作成しました。
製品情報
品名 | シリマー |
カラー | ホワイト、ピンク(?) |
容量 | 2.5ml |
サイズ | 縦約170mm × 横約20mm × 奥行き15mm |
材質 | ポリプロピレン、ステンレス、天然ゴム |
製造国 | 中国 |
発売元 | 株式会社ミツキ |
セリア「シリマー(2.5ml)」の外観
本体とニードル(針)が分かれた状態で入っています。
香水や化粧水を移し替える用途の製品です。したがって、ニードルの先端は医療用のものと違いまったく尖っていません。一応、保護カバーも付いています。お子さんの近くに置かないように注意してくださいね。
ニードルを装着した状態です。通常はこの状態で液体を吸い上げて移動させます。今回のポイズンリムーバーの作成にはニードル部分は不要です。
本体は、メモリの刻まれているシリンジ(筒)部分と液体を押し出すプランジャー(押子)によって構成されています。
プランジャーを引き上げるか引き抜くかして、シリンジの先端を切断します。
簡易ポイズンリムーバーの作成
ポイズンリムーバーの作成に必要なものは、シリマー、パイプカッター(またはノコギリ)、紙やすりの三点です。
パイプカッターがあればシリンジを安全かつ簡単に切断することができます。パイプカッターがなければ100均に売っている目の細かいノコギリでも構いません。家庭用の小型カッターナイフではかなり力を入れないと切断が難しく、危険性も高いためおすすめしません。
私は家にあったパイプカッターを使いました。パイプカッターは一つあると便利です。
シリンジをパイプカッターにはめ込んでセットします。後はクルクルと回すだけで切断できます。
できる限りシリンジの先端を切断するようにしてみました。
切断後は、切断面を紙やすりで綺麗にします。紙やすりは目の細かいものを使ってください。紙やすりは番号が小さいほど目が粗く、反対に番号が大きいほど目が細かくなっています。分からなければ「800」や「1000」と書かれたもので良いと思います。
ちなみに、紙やすりは100均に売っていますが、1枚だけならホームセンターのほうが安いことが多いです。
シリンジの先端を磨き終えたら簡易ポイズンリムーバーの完成です。皮膚にぴったりと押し当ててプランジャーを引き上げると跡が残るほど皮膚が吸引されます。
今回自作した簡易ポイズンリムーバーは、1000円程度の製品と比べても大差ないと思います。唯一の欠点は、プランジャーを押しすぎると先端から抜けてしまう点です。プランジャーの先にはゴムが付いています。プランジャーを再度シリンジに戻すのが少し面倒です。
市販のポイズンリムーバー
家には私の親が昔購入したと思われるポイズンリムーバーがあります。
現在販売されている廉価なポイズンリムーバーとまったく同じですね。ポイズンリムーバーは皮膚に当てて吸引するという単純な原理であるが故に大きな進化はないということです。
このタイプのポイズンリムーバーは、先端の吸引部が外れるようになっています。
パーツは本体の先端部に差し込むだけのシンプルな構造になっています。先端のパーツを取り外して汚れたところを洗浄できるようになっているのだと思います。
ポイズンリムーバーを使用する際は、写真の状態で先端を皮膚に押し当てて、ハンドルを手前(写真右側)に引き上げます。
ハンドルを引き上げることで皮膚が吸い上げられる構造になっています。市販のポイズンリムーバーはほぼこのような形式になっています。
今回自作した簡易ポイズンリムーバーと比べると、吸引部の口径が違う点が挙げられます。広範囲を覆いたい場合は市販品が適しています。ただ、吸引力自体はそれほど大きな違いはないように感じました。
市販品の良い点として、説明書が付属していることが挙げられます。説明書には、使用できる状況、使用方法、使用上の注意点などが丁寧に記載されています。
このポイズンリムーバーの場合は蜂、蚊、毒虫とあります。毒虫というはおそらくアブやブヨのことを指していると思われます。
輸入販売元はエスビットのポケットストーブでお馴染みの飯塚カンパニーですね。販売元がしっかりしているということも良い点かもしれませんね。
説明書の裏側には使用方法が細かく書かれています。一読の価値があります。
ポイズンリムーバーは、たとえ簡易なものであったとしても持っていないよりかは幾分マシと思います。アウトドアを楽しむ際は、ファーストエイドキットやエマージェンシーキットを作って、ポイズンリムーバーを入れておきましょう。入念な準備があなたやあなたの家族を救うかもしれません。
先が付け替えられる強力なタイプも市販されています。本格的な登山や農作業などのように毒虫に遭遇するリスクが高い環境では市販のポイズンリムーバーを携行することが最適だと思います。なお、上の写真の黄緑色のポイズンリムーバーはフランス製です。デザインが素敵!