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誰でも簡単にできるモーラナイフの黒錆加工を試してみた!

モーラナイフの黒錆化加工 アウトドア
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 アウトドア用のナイフにモーラナイフという定番のナイフを選びました。モーラナイフはスウェーデン製でキャンプやブッシュクラフトなどのアウトドアシーンで大人気のナイフです。高品質でありながらもお手頃な価格が人気の理由かも知れません。

モーラナイフはデザイン性が高い上に手に馴染んで使いやすい
モーラナイフはアウトドア用の定番ナイフとして圧倒的な人気を誇っています。スウェーデン製のモーラナイフはブレードの作りが良いことに加えて、ハンドルが手にしっかりと馴染みます。このナイフの魅力は持ちやすくて使いやすいということに尽きます。

 しかし、ステンレス製ではなくカーボンスチール製のナイフを選んだ場合には注意が必要です。カーボンスチール製のナイフはそのまま使用するとあっという間に錆が出てしまうようです。

 カーボンスチール製のナイフは使用前に黒錆加工することが定番のようです。ブレードに黒錆を付ける加工を施すことで、赤錆の発生を防ぐことができるようです。

 今回は実際にモーラナイフの黒錆加工を試したときの記録です。黒錆加工はモーラナイフを入手した直後に行いました。

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モーラナイフの黒錆加工

モーラナイフ収納時

 モーラナイフはアウトドアシーンにおいて重宝するスウェーデンのナイフです。多くのキャンパーからの支持も厚く定番の製品となっています。実際にモーラナイフの品質は良くて握り心地も抜群です。

 しかし、カーボンスチール製のナイフはステンレス製のナイフに比べると驚くほど錆びやすいという欠点があります。カーボンスチール製のナイフは手入れをある程度していても少しずつ赤錆が浮いてくることがあるようです。赤錆はブレードの著しい劣化を招くだけでなく見た目も損なわれるという問題があります。

 そうした赤錆の発生を未然に防ぐためには、予め鉄の表面を酸化させることで黒錆を施すという方法がベターなようです。私はナイフを購入する前に読んでいた記事で黒錆加工のことを知りました。

 先にも紹介したようにモーラナイフにはカーボンスチール製以外にステンレス製の製品もあります。当然、ステンレス製のナイフには黒錆加工は施せませんし試みる必要もありません。

 ところで、黒錆と赤錆の違いを改めて調べてみると、黒錆は四酸化三鉄(Fe3O4)で赤錆は酸化第二鉄(Fe2O3)となっているようです。

 鉄が自然酸化していくと赤錆となり、道端に落ちている赤茶けた釘のようになります。それに対して、黒錆は鉄の表面に酸化膜を作り赤錆の発生を防ぎます。そのため、黒錆は「良性の錆」と言われることもあるようです。

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黒錆加工に必要なもの

 カーボンスチール製のモーラナイフを黒錆化するために、いくつかのものを用意する必要があります。いずれもどこの家庭にもおいてあるようなものばかりです。

カーボンスチール製のナイフ

黒錆化前のブレード

 黒錆化を施すためのナイフを用意します。ブレードの材質がカーボンスチールであることを確認します。

 ステンレス製のナイフは黒錆加工ができませんし、その必要もありません。

アルコール

 アルコールはブレードに付着した指紋や汚れを除去して油分を脱脂するために使用します。私は台所用のアルコールスプレーを使いました。

容器

 ナイフを水溶液に浸けるためのペットボトルやガラス瓶などの容器を用意します。ペットボトルを加工する場合はナイフを浸けたときの水面上昇を考慮する必要があります。

 ガラス製の容器を用いる場合は耐熱ガラスであれば安全です。

お鍋

 紅茶のティーバッグを煮るために使います。私は料理に使っている片手鍋を使いましたが、水量も十分でまったく問題ありませんでした。

紅茶のティーバッグ(タンニンを含むもの)

 ほとんどの方は紅茶のティーバッグを利用されているようです。手に入りやすくて安い日東紅茶が大人気です。

 紅茶にはタンニンが含まれており、これが黒錆化に重要な役割を果たしています。

タンニンを含む柿の葉茶

 私の場合は、期限が切れて処分する予定だった「柿の葉茶」のティーバッグを使いました。柿の葉茶を使ったオピネルやモーラナイフの黒錆化の例は、パッと検索した限りでは見当たらなかったため、かなりのレアケースと思われます。

 黒錆化の仕組みを考えると、成分にタンニンが含まれていれば問題ないと思います。極論をいえば、クヌギの落ち葉やピートモスなども使えるはずです。ただ、ナイフは食材の調理に使用こともあるのでおすすめはできません。

お酢(クエン酸を含むもの)

無水クエン酸

 お酢やレモン果汁を使用している方が多いようです。お酢であればほとんどのご家庭にあるはずです。

 私はほかにも使う予定があったクエン酸を用意しました。粉末状のクエン酸はAmazon等で簡単に手に入ります。

オイル

 オイルは最後の仕上げに使います。食用のオイルで問題ありません。注意点として、油には乾性油と不乾性油があることでしょうか。オイル仕上げには、あまに油、えごま油、クルミ油のように乾燥しやすいものが好ましいと思います。

 オリーブオイルなどが使われることもあるようですが、乾燥しにくくブレードにベタベタ感が残ってしまうかもしれません。

 あまに油は臭いが控え目であるため、仕上げに最適な油といえます。

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黒錆加工のやり方

 私が実際に行った方法です。正しい方法はアウトドアショップの記事を読んで確認してください。

お湯を沸かす

ティーパックを複数入れる

 お鍋でお湯を沸かします。その間にほかの準備を行います。

 ティーバッグは最初に入れておいても、お湯が沸いてから投入してもどちらでも良いと思います。

ブレードの脱脂

 ナイフをキッチン用アルコールで脱脂して汚れを拭き取ります。食器用の中性洗剤で洗う方法もあります。

 車やバイクのパーツクリーナーを使うこともできますが、食材を切る可能性がある場合はイメージ的に使いたくないと個人的には思います。

容器の準備

 お湯を沸かしている間に容器を準備しておきます。

 私は外から様子が確認できて倒れにくいガラス容器を使いました。2リットルのペットボトルを切り取って使っても良いと思います。

ティーバッグを煮出す

ティーパックを煮出す

 お茶のティーバッグを煮出します。グツグツと沸騰させたままお湯に濃い色が付くまで十分に煮込みます。紅茶は濃い色になりやすいですが、柿の葉茶はあまり濃い色になりませんでした。

 ティーバッグは湯量が多いことを考えて複数個煮出すのが良いと思います。4~5パック使えば問題ありません。

水溶液を作る

お茶とクエン酸の水溶液

 用意したガラス容器が耐熱容器ではなかったため、煮汁は少しだけ冷ましてから容器に移しました。

 容器にクエン酸を適量投入しました。紅茶に対するお酢やレモン果汁の割合は、色々調べると7:3や8:2という記述があったので、クエン酸を入れるときの参考にしました。

 クエン酸は目分量で入れてみました。個人的には何事もチャレンジだと思っています。失敗したらやり直せば良いのです。

ナイフを浸す

ブレード長を見て水位調整

 ナイフのブレードがうまく浸かるように水量を調整しました。ブレードが容器に触れないように工夫する必要があります。

 それから、様子を見ながらナイフを数時間浸け込みました。さまざまな情報を見てみると1時間~3時間前後浸け込んでいる方が多いように感じました。ただ、私の場合は紅茶を使っている方々と違って柿の葉茶を使いました。柿の葉茶は随分と煮込んだ割に汁の色が薄かったことから、様子を見ながら長めに浸け置きすることにしました。夜中に作業を行って翌朝取り出したように思います。

化学反応が発生

 ブレードを水溶液に浸してしばらくすると泡が出てきます。

 化学反応を起こして黒錆を定着させることが主目的であることを考えれば、そこまで長い時間浸け込まなくても問題ないのかなと思います。

仕上げ

乾燥後のブレード

 私の場合は5時間以上浸け込んでいたように思います。ナイフを取り出してブレードが黒錆化していることを確認してから流水で軽く洗ってから乾燥させました。

 ナイフが完全に乾燥したらブレードにオイルを塗って保護します。私は家にあった「ごま油」を塗ってみました。食品用の油だから問題ないという軽い気持ちだったのですが、これはちょっと失敗でした。ごま油は猛烈に臭います。ごまの臭いが部屋中に漂って鼻がもげるかと思いましたwww どうでもいい話ですが私はごまの臭いが好きではありません。けれども、ブレードの保護という目的は達せられたようです。

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黒錆が定着したブレード

黒錆の定着したブレード

 モーラナイフのブレードが真っ黒に染まっています。

 多少のムラはあるものの初めての試みとしては御の字ではないでしょうか。

ブレードのバック

 ブレードのバックもすべて黒錆が定着しています。

ブレードのエッジ

 ブレードのエッジにも問題なく黒錆が定着しています。

ブレードの背面

 ブレードの裏面も問題ないようです。

 ブレードがマットブラックに仕上がっていて、とてもカッコイイと思います。

ブレードには若干のムラあり

 黒錆化の完了したモーラナイフとシース。ブラックと深いグリーンの組み合わせはグッとくるものがあります。いかがでしょうか。

 ド素人による初めての黒錆加工ということを考えれば成功ではないでしょうか。黒錆加工は試してみて本当に良かったと思います。真っ黒なブレードはとても気に入っています。

 2020年5月現在、黒錆化を行ってからしばらく経ちますが、赤錆は出ていません。

モーラナイフはデザイン性が高い上に手に馴染んで使いやすい
モーラナイフはアウトドア用の定番ナイフとして圧倒的な人気を誇っています。スウェーデン製のモーラナイフはブレードの作りが良いことに加えて、ハンドルが手にしっかりと馴染みます。このナイフの魅力は持ちやすくて使いやすいということに尽きます。
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