1×4材や2×4材などのSPF材はDIYでよく用いられています。材料はホームセンターで問題ないことを確認して購入することが大切ですが、まとまった本数を購入すると「ひび割れ」や「欠け」のある木材が混じってしまうこともあります。木材を薄暗い場所で選んでいると、どうしても気がつかないことがあるものです。
そうした場合にはひび割れ部にパテを塗って補修してやると見栄えも良くなります。また、ひび割れのある材は目立たないところや荷重のかかりにくいところに使用するといった工夫も必要です。
木材のひび割れをパテ埋めによって補修する
市販の安価なウッドパテで簡単に補修できる
本来、木材は状態をしっかりと確認してから購入しなければならないことは言うまでもありません。けれども、1×4材や2×4材をたびたび購入していると、ひび割れ、欠け、節穴のある材が気づかずに混ざってしまうことがあります。家で保管している状態でも、乾湿の影響を受けて、いつの間にかひびが入ってしまうこともあるでしょう。
そういうときはパテで補修してから使うと、塗装もしやすくなる上、完成時の見栄えも劇的に良くなります。また、木材のひび割れがさらに拡大することも防げます。
木工用のパテはホームセンターで安価で手に入ります。こちらのコニシのウッドパテは、セメダインの木工パテAと並んで定番の製品となっています。大きなホームセンターには大抵どちらかの製品が置いてあると思います。
このパテは日本製です。成分等は次のとおりです。
種 類 | アクリル樹脂系・エマルジョン形 充てん材 |
成 分 | アクリル樹脂、無機質充てん材(86%)、水(14%) |
正味量 | 30ml |
色調はどちらのメーカーも「タモ白」と「ラワン」がラインナップされています。SPF材はタモ白が合います。赤みがかった杉板に塗布する場合はラワンが合うと思います。
パッケージに「ほとんどの水性・油性塗料に対応!」とあるように、補修箇所に塗装を行うことができます。こういうところもパテの便利なところです。
なお、写真のウッドパテは5年以上前に購入したものですが、今でも特に問題なく使用することができました。フタをしっかりと閉めて暗所に保管しておくと長持ちしそうです。
ウッドパテの用途は幅広く、床・柱・家具の穴埋め、フローリング床・幅木・階段のひび割れなどの補修、釘やネジを抜いたところの穴埋めなどに使用できます。
このパテは引火性も刺激臭もない製品であることから、誰でも気軽に使えます。他に、乾燥後の肉やせが少ないという特徴があります。
使用方法はとても簡単でパテを補修箇所に厚めに盛って、ヘラで空気を押し出しながら平らになるように埋め込んでいくかたちになります。
そしてパテの乾燥後にカッターナイフや紙やすりで削って平面にします。やすり掛けやネジ打ちはパテを塗布してから24時間以上経過してからとのことです。
実際の木材のひび割れとネジ穴の補修例
木材のひび割れのある箇所にパテを塗布します。ヘラを使って押し込まないとパテが割れ目の中に入っていきません。
また、説明書にはパテを塗ってハケで平らにするとありますが、肉やせを考慮して少し厚めに盛って、後から紙やすりやサンダーで削るほうが上手くいくと思います。
余力のある場合は、マスキングテープを貼ってからパテを塗るとより綺麗に仕上げることが可能です。実際にやってみましょう。
木材の割れ目に沿ってマスキングテープを貼っていきます。写真のように養生テープでも問題ありません。
ただし、粘着力の強いテープは避けた方が良さそうです。
マスキングテープの上からひび割れ箇所にパテを盛っていきます。ハケでパテが割れ目に入り込むように調整しながら塗布します。パテ埋めが終わったらテープをそっと剥がします。
養生して置いたほうが、適当にパテを塗るよりも綺麗です。このまま塗装しても良さそうな仕上がりです。ひび割れ箇所が正面にくる場合は丁寧にやすり掛けを行うとより綺麗になります。
パテの硬化中は手を触れないように気をつけてください。ある程度乾燥が進んだ状態でパテ埋め部に凹みがあれば、パテ埋め作業を追加で行います。
やすり掛けや塗装の作業は、パテ埋め後24時間以上乾燥させてから行います。
釘やネジを打ち間違えたところも同様にパテ埋めで簡易的な補修が可能です。廃材を利用する場合も、元々の穴を埋めておくと仕上がりが良くなります。
パテがネジ穴にしっかり入っていないと、乾燥後に凹むところが出てきます。そうならないように、ハケでパテを押し込むようにしておくとしっかり埋まります。
パテによる補修作業の注意点は、パッケージにも記載されているとおり、ニスやオイルステンなど木目を活かした塗装をする場合に、パテを盛ったところが目立ってしまうということです。透明に近い色の水性ウレタンニス、亜麻仁油、柿渋などで自然な風合いに仕上げたいと考えている方は特に注意が必要です。
ニス等を塗る前にパテ部を目立たなくするような工夫(たとえばアクリル絵の具で塗装しておく等)を施すなど事前に対策が必要かもしれません。
でも、やはり最初の材料選びが肝要ですね。仕事と同じように準備次第で成果のほとんどが決るところがあるように思います。