古いパソコンとの置き換えを目的として、富士通の省スペースデスクトップPC「ESPRIMO Q7010/E」を中古で購入しました。
この機種は数年前(2020年発売)のPCですが、第10世代の CPU を搭載しており、YouTube を見たり、ネットショッピングをしたり、文書作成したりする用途に最適です。このくらいの性能のパソコンは、Windows 11 環境でしばらく(3~5年)のあいだ快適に使用することができます。
側面パネル(側面カバー)の着脱が少しややこしいので、メモリ増設方法とあわせて画像付きで簡潔にまとめておきます。
富士通「ESPRIMO Q7010/E(FMVB1501M)」
Win 11 対応の中古デスクトップPCの中ではコスパが高い!
富士通の「ESPRIMO Q7010/E(FMVB1501M)」の特徴は、極小のウルトラスモールモデルという点にあり、机の上に置いても邪魔になりません。
縦置時の寸法は 55 mm × 191 mm × 186 mm で、これは成人男性が手を広げた状態よりも一回り大きいサイズ感です。本体は片手で軽々持ち上げられるほどコンパクトです。このような省スペースPC は ACアダプターによる電源供給が一般的ですが、なんとこちらのモデルはメガネケーブル1本のみです。
それでいて十分な性能があるため、オフィスアプリの利用、動画視聴、Web閲覧などの場面では快適に動作します。このあたりのモデルは Windows 11 非対応マシンからのリプレイスに最適です。2023年末以降は比較的安価で手に入るようになっています。Windows 10 のサポート終了が気になる方は、2024年上半期中には良さそうなPCを見つけてくださいね。
「ESPRIMO Q7010/E(FMVB1501M)」の仕様
スペックは一部カスタマイズされたもので、インテル Core i5-10500T プロセッサー(6コア12スレッド)、メモリ8GB(最大16GB)、M.2 SSD 256GB、インテル UHD グラフィックス 630(CPU内蔵)、DisplayPort(最大3840×2160ドット/1677万色)といった内容です。
この機種は元々企業向けに販売されていたモデルのようです。こちらのページで紹介しているモデル以外にも仕様違いやカスタマイズモデルが多数あります。また、同じような見た目の旧モデルがいくつもあるため、店頭ではポップをよく確認する必要があります。詳しくは下記のリンクから富士通公式の情報をご覧ください。
今回手に入れたものは中古品であるため、キーボードやマウス等は付属していません。また、本来 Windows 10 Pro だったものが Windows 11 Pro をクリーンインストールした状態になっていました。
購入時の価格は約3万円でした。Core i5-8500T 程度の CPU 搭載の省スペースPC が24,800円~29,800円程度で販売されていることを考えると、この価格設定は2023年末~2024年6月時点では相当に安いといえます。
(参考)
ESPRIMO Q7010/E 製品詳細(富士通公式サイトの製品ページ)
ESPRIMO Q7010/E 仕様(富士通公式サイトの製品ページ)
「ESPRIMO Q7010/E」の外観と拡張性
「ESPRIMO Q7010/E」は小さな本体とメガネケーブル1本だけです。電源ユニットが内蔵されています。ACアダプターがないという点が素晴らしいですね。
反対側には富士通のロゴマーク、Windows のライセンスステッカー、型番の表記があります。
こちらは中古で手に入れましたが、企業のリース落ちと思われます。そのため、外観も内部もかなり綺麗でした。中古PCはコスパが高いので本当におすすめです。
こちらがPC前面です。電源ボタン、USB 3.2(Gen2)Type-C 端子 ×1個、USB 3.2(Gen2)Type-A 端子×2、イヤホン端子×1個が備わっています。
光学ドライブ搭載モデル(オプション)は、赤いラインが入っているところにDVDドライブ等が付いています。このPCは光学ドライブは付いていません。
背面には上から電源用のメガネケーブル端子、DP(ディスプレイポート)端子×2個、有線LAN端子×1個、USB 3.2(Gen2)Type-A 端子×4個、USB 2.0 Type-A 端子×2個、オーディオ出力端子×1個が搭載されています。
これだけの端子があれば通常の利用で困ることはまずありません。プリンタも繋げますし、USBメモリも外付けHDDも使えます。なお、カスタマイズモデルの場合は別の端子が追加されていることがあるようです。
この機種のウィークポイントは映像出力端子がDPしかないという点です。これは省スペースのビジネスPCにはよく見られる仕様です。HDMI はライセンス料が掛かるのに対して、DP はライセンス料が不要であることに起因しています。
そのようなケーブルは、高解像度のディスプレイで”綺麗に”画面出力することができません。現在、フルHDのディスプレイをお使いの方も、将来的にディスプレイやパソコンを買い替えることを念頭において 4K2K(3840×2160/60Hz)に対応した変換ケーブルを予め用意しておくと後に使い回せて重宝します。
よくわからない方は以下の変換ケーブルを参考にしてください。
アイネックスからも DisplayPort – HDMI アクティブケーブルが発売されます。このケーブルは、4K UHD (4K(2160p)、3840×2160)/60Hzの高解像度に対応しています。
「ESPRIMO Q7010/E」の分解方法
パソコン内部へのアクセスは、側面パネルと内側パネルを外す必要があります。背面の中央にある金属のレバーを引き起こすことで側面パネルのロックが解除されます。
このPCは両側のパネルを外すことが出来ます。まずは内部(マザーボード)にアクセスしてみましょう。
側面パネルの中央にある小さなレバーを摘まんで前面側に押すことでパネルを取り外すことができます。
ここでは本体を正面から見て左側のパネルを取り外しています。
こちらが左側面パネルです。パネル左側の真ん中にある突起が本体に固定するためのロックレバーです。
さらに内側のパネルを取り外すとマザーボードにアクセスすることができます。
内側のパネルは背面のネジ2本とツメで固定されています。
こちらの凹みはメーカーオプションで光学ドライブを取り付ける場所になります。
PC背面にある銀色の2本のネジを外します。ネジは左右に1本ずつあります。
余談ですが以下の精密ドライバーセットは使いやすいので1つ持っていて損はしません。
そうすると内側のパネルを持ち上げることができるようになります。
あとは反対側の本体前面部分に引っ掛かっているツメ2か所に気をつけながら内側パネルを取り外していくだけです。これでマザーボードが見えるようになります。
SSD/HDDなどのストレージや光学ドライブが取り付けられているモデルの場合は、内側パネルを取り外す際にSATAケーブルや電源ケーブルも引き抜く必要があります。このページの参考写真は、メーカーオプションが付いていないモデルの例になります。
光学ドライブとストレージ増設ユニット
いま取り外した内側パネルは、メーカーオプションで光学ドライブとストレージを取り付ける場所になっています。標準モデルの場合はなにも付いていません。
こちらに2.5 インチベイの空きスロットが一つあります。メーカーオプションで SSD / HDD を追加している場合はこちらに付いています。しかし、2.5 SSD / HDD をマウントするためのプラ製のパーツは標準仕様のモデルには付いていないようです。
マザーボード
内側パネルを取り外すとマザーボードが露出します。写真の下側がPCの天板の部分で、写真の左側が前面パネルです。USBの位置等をよくご確認ください。
こちらのPCはウルトラスモールモデルだけあって内部もコンパクトにまとまっています。CPUは写真中央にあるヒートシンクの下にあります。
メモリはマザーボードの裏にあるため、反対側のパネルを外してアクセスします。
このファンは通常の使用でも動作音が聞こえてきますので、静音とはいえないと思います。かといって通常に使用している範囲では、うるさいというほどでもありません。
こちらがPCの天板側です。電源ユニットが内蔵されている点がよいですね。
拡張用の端子
メーカーオプションで光学ドライブやストレージが追加されている場合は、こちらに配線されることになります。
SATA の端子が2個あります。その脇に電源端子がある訳ですが、上の光学ドライブの方が2ピン、下のストレージの方が3ピンになっています。そのため、2.5 インチ SSD 等をなにも考えずにポン付けで増設するのは難しそうです。
M.2 SSD が配置されている隣に、Wi-Fiモジュール用と思われる M.2(多分 Type 2230)端子があります。
M.2 SSD の交換は隙間からできるかもしれませんが、もしかするとファンの取り外しが必要かもしれません。ファンの取り外しが必要です。
貴重な体験談をご連絡いただきありがとうございます。
ファンは市販品にそのまま交換することはできません。
内部スピーカー用の端子があります。
ここにスピーカーを取り付けられたら前面パネル上部側から音を出すこともできそうです。
ファンユニットの下側にも何かしらの端子があります。シルク印刷が見えなかったので何の端子かは不明です。
メーカーオプションでシリアルポート、VGA、DVI-D、HDMI、USB Type-C を追加できるようになっているので、それ用かもしれませんね(多分、RS-232C追加用)。
メモリの増設・交換
メモリの増設や交換は反対側のパネルを開ける必要があります。つまり、本体を正面から見て右側のパネルを開きます。作業の手順は先ほどとほぼ同じです。
背面の中央にあるレバーを引き起こしてロックを解除します。それからパネル中央の小さなレバーを摘まみながら前面側に押していきます。
そうすると側面パネルを外すことが出来ます。
こちら側も内部は銀色のパネルで覆われています。下部の小さな蓋を開けるとメモリの取り付けスペースが露出します。
このようなテープがある場合は上側を軽く引っ張って引き出します。画面の下側部分は蓋に固定されているので無理に引っ張らないでください。
テープの裏側に緑色のロックボタンがあります。このボタンを矢印のとおり上側にスライドさせてロックを解除しながら、蓋に付いているテープを引き上げます。
このようにテープをゆっくりと上に引き上げていくと蓋が外れます。
メモリスロットは二つあります。仕様を確認すると最大16GBまで対応となっています。せっかくなのでメモリは16GBにしておきたいものですね。Windows 11 は4GBでは快適とはいえません。
標準は4GBのようですから、空きスロットに4GBまたは8GBを追加するか、8GBを2本取り付けるかになります。既に8GBが1本付いている場合は8GBをもう1本追加し、4GBが2本付いている場合は別に用意した8GB2本と交換するというのがおすすめです。
最大の16GBにしたい場合は、16GBを1本挿すのではなく8GBを2本挿すようにしてください。
Windows 11 において、増設したメモリが正しく認識されているかどうかは、パソコンを立ちあげた後に「スタートボタン」→「設定」→「システム」→「バージョン情報」、またはタスクバー(画面下の白いところ)を右クリックして「タスクマネージャー」を立ちあげて「パフォーマンス」タブをクリック、などの方法で確認することができます。
BIOS/UEFI で確認する場合はPC起動時に「F2」キーを連打します。
メモリの取り外しは、メモリの両サイドにある銀色の金具を少し広げてから、メモリを引き抜くかたちになります。
手前のメモリスロットには透明のカバーが付いているので、メモリ着脱時にそっと上に捲ってください。
「ESPRIMO Q7010/E」の対応メモリは、SO-DIMM(ノートパソコン用)の DDR4-2666(=PC4-21300)です。SO-DIMM の DDR4-3200(=PC4-25600)といった上位規格のメモリも取り付けられます。その場合は、当然のことながら DDR4-2666 の性能で動作します。値段も大して変わりませんので迷ったら DDR4-3200 を手に入れてください。よくわからない方は以下を参考にしてください。