最近見た映画『はじまりのうた』のレビューです。
あらすじ
ニューヨークの街角を録音スタジオに!?ミュージシャンの彼デイブ(アダム・レヴィーン)に裏切られ、ライブハウスで歌う失意の主人公グレタ(キーラ・ナイトレイ)。偶然居合わせた落ちこぼれの音楽プロデューサーのダン(マーク・ラファロ)との出会いがデビューの話しへと発展するが、録音スタジオは、なんとニューヨークの街角!?!?路地裏、ビルの屋上、地下鉄のホームとゲリラレコーディングは実施され、この無謀な企画が小さな奇跡を起こし始める。そしてアルバムが完成したその日、誰もが予想できなかった最高の「はじまり」が待っていた。
(出典:AmazonPrimeVideo)
監督:ジョン・カーニー
主演:キーラ・ナイトレイ, マーク・ラファロ, アダム・レヴィーン(マルーン5)
時間:1時間43分
『はじまりのうた(原題:BEGIN AGAIN)』は、音楽を題材にした映画を見てみようと思い立ってなんとなく視聴しました。結論から言って、良い意味で期待を裏切ってくれる名作映画でした。作中の曲がとても良いです。
マルーン5のアダム・レヴィーン(Adam Levine)が歌う『Lost Stars』は必聴です。また、キーラ・ナイトレイ(Keira Knightley)の歌声も素敵で、彼女自身もとても美しくて見惚れてしまいます。
本作はニューヨークが舞台の映画。
デイブとグレタの二人は音楽に向き合う互いの姿勢の違い、そしてデイブの浮気発覚から別の道を歩むことになる。グレタは友人のスティーブを尋ねる。近況を伝えた後、スティーブの仕事であるバーのライブ演奏に付いて行くことに。スティーブは自身の演奏終了後にグレタにも演奏することを勧める。気が乗らずに断るグレタだったが、スティーブが観客を巻き込んでしまい歌わざるを得ない状況に追い込まれる。仕方がなく失意のまま歌い始めるグレタだったが、観客は彼女の歌にすぐに関心を失ってしまう・・・・・・。
しかし、グレタの歌声を聞いて目を輝かせる男がいた。その男こそ自分が立ちあげたレコード会社を追い出されて消沈していた音楽プロデューサーのダンであった。
自分と一緒に音楽を作ろうとグレタを誘うダン。後日、ダンとともに音楽を作ると決意したグレタ。売れ筋路線を狙ってプライドもなくウケる方へ流されてしまう商業主義に正面から挑戦するような楽曲作りを目指すことで一致した二人。
レコード会社からの支援を受けられない状況下で、ダンは自らの伝を通じてさまざまなミュージシャンを集める。そしてニューヨークの街中でゲリラライブを行って音源を収録するという大胆かつ画期的な企画を実行していく。
ステージはニューヨークの路地裏から地下鉄のホームまで幅広い。マイクのポップガードが針金にストッキングを巻いたものであったり、偶然近くにいた子どもたちをコーラスにしたりといった創意工夫溢れる試みに目を奪われます。
2時間を越える映画が珍しくない時代に1時間43分という短い時間でストーリーをコンパクトにまとめているように感じました。各シーンがテンポ良く進んでいくため、中だるみするところがありません。しかも劇中曲はまた聴きたくなるような良い曲ばかりです。
演奏シーンは自分がまるで近くで見ているかのような、あるいはアルバムを一緒に作っているメンバーであるかのように思わせてくれます。カメラワークが秀逸。音楽の愉しさを実感させてくれるようなハートフルなストーリー。必見! 外出制限で自宅にこもってお疲れの方へおすすめの作品です。
私は、ダンが夜のバーでグレタに才能を見出す冒頭のシーンと、夜の街でスプリッタ(分岐ケーブル)を使って二人で音楽を聴きながら歩くシーンが好きです。
作品は2020年4月現在、字幕版と吹替版ともにAmazonPrimeビデオで見ることができます。