絵画『ひまわり』で知られるゴッホは、オランダを代表する画家の一人です。アムステルダムにあるゴッホ美術館は、多くのゴッホ作品を所蔵しており、世界中からゴッホファンが訪れる大人気の観光スポットになっています。
たくさんの観光客が訪れることから、チケットは事前に予約・購入しておかなければなりません。当日並んで購入することもできるようですが、チケット購入の行列に並ぶ覚悟が必要です。
ここではゴッホ美術館の開館時間、入館料、荷物預かり所、アクセス、所要時間、そしてチケット購入方法についてご紹介しています。
ゴッホ美術館の概要
2020年3月時点におけるゴッホ美術館の基本情報です。ゴッホ美術館の公式サイトは一部日本語に対応しています。公式サイトへのリンクも貼ってありますので必要に応じて内容を確認してみてください。
開館時間は時期によって異なるため、入念に確認する必要があります。
開館時間(2020年対応版)
開館時間を2020年の内容に更新しました(追記)。
ここでは参考として2020年の開館時間を取り上げています。「2021年」など先の予定は不明です。訪問する数ヶ月前から数週間前に下記のリンクから公式サイトに掲載されている開館時間を確認してください。
開館時期は時期によってかなり変わります。十分ご注意ください。
2020年の開館スケジュール
1月13日から 3月19日 |
9時から17時まで (2月14日金曜日の9時から5時という例外を除いて、金曜日は9時から21時まで) |
3月20日から 7月2日 |
9時から18時まで (4月17日金曜日の9時から18時という例外を除いて、金曜日は9時から21時まで) |
7月3日から 8月30日 |
9時から21時まで |
8月31日から 10月1日 |
9時から17時まで (金曜日は9時から21時まで) |
10月2日から 11月8日 |
9時から18時まで (11月7日土曜日の9時から17時という例外を除いて、金曜日は9時から21時まで) |
11月9日から 12月17日 |
9時から17時まで (11月27日金曜日は9時から22時まで) |
12月18日から 2021年1月10日 |
9時から19時まで (クリスマス12月25日と26日の9時から17時、大晦日12月31日の9時から17時および新年1月1日の11時から19時という例外を除いて、金曜日と土曜日は9時から21時まで) |
*入館は閉館30分前まで。
(参考)
ゴッホ美術館の開館時間(公式サイト)(英語)
入館料
・大人(マルティメディアガイド込み):24ユーロ
・大人:19ユーロ
・子ども(18歳未満):無料
マルティメディアガイド(日本語対応)
・大人:5ユーロ
・子供(13~17歳):3ユーロ
ガイドツアー(日本語あり)
・マルティメディアツアー:5ユーロ
バリアフリー
車いすやベビーカーは使用できます。盲導犬も可。
Wi-Fi
館内に無料Wi-Fiあり。
所要時間
ゴッホ美術館公式サイトによると多くの訪問者が約2時間滞在しているとのことです。
荷物預かり
・クロークあり
ジャケット、傘、A4サイズの小さなバックパックなどを預けることができます。
・ロッカーなし
ロッカーはありません。大きな荷物を持って入館することはできません。スーツケースを預けることもできません。
備考
館内での写真撮影、携帯電話使用、飲食、喫煙などは禁止です。
写真撮影に関してはエントランスなどの一部に写真可の場所があります。ゴッホの名画をバックに記念撮影ができます。
アドレス
所在地:Museumplein 6, Amsterdam, The Netherlands
ゴッホ美術館はアムステルダム国立美術館から歩いて3、4分程度のところにあります。目と鼻の先です。
アクセス
アムステルダム中央(Amsterdam Centraal)駅前のトラム乗り場から2番または12番のトラムを利用して「国立美術館(Rijksmuseum)」駅で下車する。
所要時間は20~30分程度。停留所からゴッホ美術館へは広場を通って徒歩5分程度です。
(参考)
ゴッホ美術館公式サイト(日本語)
パンフレット(日本語)
日本語のパンフレット(館内図)が用意されています。パンフレットには主要作品の展示場所が記載されていますが作品の解説はありません。作品について詳しく知りたい場合はマルティメディアガイドを借りる必要があります。
日本語パンフレットは公式サイトからダウンロードすることができます。下記のリンクからダウンロード/閲覧できます。
(参考)
日本語パンフレット(館内図)(公式サイト)(PDF)
チケット予約の方法
ゴッホ美術館のチケットは日本で日本語による予約・購入が可能です。チケットはゴッホ美術館の公式サイトで簡単な手続きで予約・購入することができます。
チケットを予約・購入しておけば、現地でほとんど並ばずに入館することができます。事前の予約が絶対におすすめです。
(参考)
ゴッホ美術館のチケット販売ページ(公式サイト)(日本語)
チケットの買い方
チケット購入の流れを簡単にまとめてみました。こちらを事前にお読みいただくとチケットをスムーズに予約・購入することができます。
1ページ目:訪問の詳細を決定
1)子どもも含めて訪問人数を指定します。
2)訪問日を指定します。
3)訪問時刻を指定します。
2ページ目:チケットの種別を決定
1)チケットの種別(大人/子ども)と枚数を指定します。
2)マルティメディアガイドの個数を指定します。
3ページ目:個人情報を入力
1)「名(ローマ字で入力)」「姓(ローマ字で入力)」「メールアドレス」「メールアドレス再入力」「シティ(Osaka、Tokyoなど)」を記入する。
*いつも使っているメールアドレスを入力しましょう。入力したメール宛にチケットが届きます。
2)「国名(日本)」を選択する
3)「すべての条件と規約に同意する」の「□」にチェックを入れる
4ページ目:内容の確認とお支払い方法の決定
1)申し込み内容を確認する
2)VISAカードまたはMasterカードのどちらかを選択する
5ページ目:カード情報の入力
1)「カード番号」「カード名義人の氏名(ローマ字で入力)」「有効期限」「三桁のセキュリティーコード(カードの裏面に記載されています)」を入力する。
6ページ目:最終確認と決済
1)内容に間違いがなければ決済する
登録したメールアドレスにチケットなどの重要書類が届きます。メールを確認してください。メールがしばらく経っても届かない場合は迷惑メール用の受信箱に振り分けられている可能性があります。
チケットは印刷するかスマホに入れるかして持って行きましょう。指定時間内に訪問すれば並ばずに入館することができます。
当日券の買い方
ゴッホ美術館では当日券も購入できるようです。チケットはゴッホ美術館の本館で販売されています。写真の階段のある場所に入り口があります。
ゴッホ美術館はアムステルダムで一二を争う有名観光スポットです。繁忙期には当日券が購入できない恐れもあります。チケットは日本で予約・購入するのが賢明です。
ゴッホ美術館は外観も素敵!
美しい別館
ゴッホ美術館本館の隣には別館があります。別館は日本人の有名建築家である黒川紀章氏の設計によるものです。ほかにもクアラルンプール国際空港をはじめとして多くの有名建築を手がけています。
ゴッホ美術館別館はガラス張りの外壁がひじょうに印象的です。ミュージアム広場から別館を眺めると青々とした芝とガラスに覆われた近代的な建築とのコントラストが美しく感じられます。
エントランス
ゴッホ美術館の入り口は別館にあります。アムステルダム国立美術館側から見て、右手の本館と左手の別館の間を進んでいくと左側に入り口があります。入り口で予約・購入したチケットを提示するとガラス張りの別館に入ることができます。
入り口を入るとすぐにエスカレータで地下に下っていきます。地下フロアの左手にミュージアムショップと美術館への入り口があります。
お土産は絵画の鑑賞が終わってから購入しましょう。本館1階にもショップがあります。
ゴッホ美術館の主要な作品
ゴッホ美術館にはゴッホの作品が数百点も収蔵されています。『ひまわり』『自画像』『花咲くアーモンドの木の枝』『アイリス』『種まく人』『ゴッホの寝室』『黄色い家』などどれもこれも雑誌やテレビで一度は目にしたことのある作品があちこちに展示されています。
絵の前に立っているだけでいつの間にか時間が過ぎ去っています。自分が見たい作品を見逃さないように展示作品をあらかじめチェックしておきたいですね。
ここではゴッホの有名作品の中から私がもっとも気に入った四点を取り上げて紹介します。
「ひまわり(Sunflowers)」
日本ではゴッホといえば『ひまわり』というほどに広く知られた作品です。ゴッホはひまわりをモチーフとした複数の作品を描いています。世界に現存している五作品のうちの一つがゴッホ美術館に所蔵されています。
ゴッホ美術館の『ひまわり』は見ているだけで元気が沸き起こってくるような印象を受けます。黄色い花に黄色い花瓶と黄色い背景――。誰もが避けそうな配色。それもゴッホにかかるとこの組み合わせ以外には考えられないという色使いになるのですね。そういうところも含めてすごいと思います。絶対に見たい作品の一つです。
AFP通信の記事によると、ゴッホ美術館は今後、同館が所蔵する『ひまわり』の貸し出しを行わないことを決定したとのことです。今後、日本の展覧会に貸し出されることはないと思われます。現地に行って鑑賞する価値のある作品の一つだと思います。
なお、ほかの「ひまわり」のうちの一つが「東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館(東京都新宿区)」にあります。この美術館にある『ひまわり』は、現在も常設展示されています。かつて日本に所蔵されていたもう一つの『ひまわり』は太平洋戦争で焼失してしまったようです。まさに悲劇としか言いようがありません。
(参考)
「ひまわり(絵画)」(Wikipedia)(日本語)
東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館(公式サイト)
「ゴッホ美術館、「ひまわり」の貸し出しを中止 傷みやすく移動が困難」(AFP公式サイト)(日本語)
「自画像(Self-portrait)」
ゴッホは自分自身の「自画像」を数多く残しています。「自画像」はゴッホ美術館にも複数点所蔵されています。また、ゴッホ美術館の近くにあるアムステルダム国立美術館にも展示されています。
こちらの作品は『暗色のフェルト帽をかぶった自画像(Self-Portrait with Grey Felt Hat)』です。
精悍な顔つきで生気が満ちあふれているかのように見えます。
(参考)
「自画像(ゴッホ)」(Wikipedia)(日本語)
『花咲くアーモンドの木の枝(Almond Blossom)』
精神的が不安定になってから描かれた作品です。子の生まれた弟に送った絵のようです。伸びる枝に繊細さを感じます。
アーモンドの花が選ばれた理由は、南フランスにおいてかなり早い時期に花を咲かせるからだそうです。ゴッホはアーモンドの花に生命力のようなものを感じ取っていたのでしょうか。私はこの絵を見ていると心が癒やされます。
(参考)
『花咲くアーモンドの木の枝』(Wikipedia)(日本語)
「アイリス」
ゴッホはひまわり以外にもアイリスをモチーフにして数枚の作品を描いています。ゴッホ美術館には『アイリスのある静物(Still Life: Vase with Irises Against a Yellow Background)』が展示されています。
鮮やかな花びらの“青”と花の隙間からしなやかに伸びる“緑”の葉の色合いが絶妙です。さらに背景の“黄”と主題であるアイリスとのコントラストによって、鮮やかさがより一層引き立てられているように感じられます。
(参考)
“Still Life: Vase with Irises Against a Yellow Background”(Vincent van Gogh Gallery)(英語)
(画像出典)
Images of works in the museum collection(英語)
*ゴッホ美術館の規約に従い引用
ミュージアムカフェ
軽食やドリンクが楽しめるカフェが併設されています。館内のカフェはゴッホ美術館の開館時間にあわせて営業しています。
絵画を鑑賞したあとは、ゴッホ美術館を出て隣にあるアムステルダム市立美術館(市立近代美術館/Stedelijk Museum)に向かうのも良いかもしれません。
市立美術館には有名なレストランが併設されています。レストランには外から入ることができます。また、レストランは朝から夜遅くまで営業しているため朝食や昼食から夕食までいつでも楽しむことができます。
(参考)
アムステルダム市立美術館公式サイト(英語)
市立美術館のレストラン(公式サイト)(英語)
ゴッホ美術館のお土産
ゴッホ美術館内のお土産屋さんは二つあります。別館入り口のエスカレータを降りてすぐのところと、本館の一階にあります。別館にあるお店のほうが規模は大きいです。
どちらのお店にも『ひまわり』をモチーフにしたグッズが所狭しと並んでいます。『ひまわり』とあわせて『花咲くアーモンドの木の枝』のグッズが人気のようです。
私は人にあげるお土産と自分が気に入った絵画のポストカードを数点購入しました。お土産選びが終わったらミュージアム広場にあるカフェでコーヒーブレイクでもいかがでしょうか。ゴッホの作品を思い出しながら飲むコーヒーは格別ですよ。
お土産はオンラインショップでも販売されています。時間に制約がある場合は、事前にお土産を確認しておくと良いと思います。
オンラインショップには、種々の商品の写真と値段(ユーロ表記)が掲載されています。お土産選びの参考になります。オンラインショップは英語表記ですが、すべての商品に写真が付いているため誰でも楽しむことができます。
(参考)
ゴッホ美術館のお土産(公式オンラインショップ)(英語)
絶対に行きたい美術館の一つ!
ゴッホ美術館はアムステルダム国立美術館と比べると規模が小さくコンパクトです。しかしゴッホ美術館に訪れる人は多くいつも大変混雑しているようです。予約は必須といえるでしょう。
ゴッホ美術館には端から端までゴッホの作品が展示されており、ゴッホのみならずオランダ絵画に興味のある方にはひじょうに魅力的な美術館といえます。
誰でも一度は目にしたことのある巨匠ゴッホによって描かれた世界の名画が思う存分味わうことができる唯一の美術館です。ゴッホ美術館はアムステルダム国立美術館とあわせて絶対に行くべきで場所であると自信を持って断言できます。
絵画に興味のない方も実際に優れた作品を目の当たりにすると関心が芽生えてくるかもしれません。
ゴッホ美術館のお隣にはアムステルダム市立美術館(市立近代美術館/Stedelijk Museum)があります。市立美術館は建物がバスタブの形状をしていることでも有名です。現代美術作品が数多く展示されています。お時間のある方は市立美術館も訪問するとより楽しめるかもしれません。
ゴッホ美術館を楽しむためには事前にゴッホの作品について知っておくことが大切です。ゴッホの生涯や作品の概要を理解するための良書がたくさん出版されています。