「Stable Diffusion web UI(ステーブル・ディフュージョン・ウェブ・ユーアイ)」では「LoRA(ローラまたはロラ)」と呼ばれる追加学習データを適用することによって、特定のキャラクターや特定の場所を正確に再現して画像を生成することができます。
この他にも、特定の要素に対して影響力を持つ LoRA が開発されています。たとえば、髪に関する LoRA を使うことでプロンプト(呪文)では実現できなかった髪型・髪色にすることが可能です。
そうした中で髪色を「Rainbow Hair(虹色)」にする面白い LoRA が出ているので紹介します。こちらの LoRA を利用することで髪色を簡単に虹色に変えることができます。
こちらは一般的な LoRA と同じように使うことができます。ここでは、LoRA の導入方法と適用方法を紹介するとともに、LoRA の適用した画像を掲載しています。


「Rainbow Hair 彩虹发色(虹色の髪)」LoRA の導入と適用
「Rainbow Hair 彩虹发色(虹色の髪)」LoRA の導入
Rerorerorero さんが作成された「Rainbow Hair 彩虹发色」という LoRA があります。こちらを使わせていただきます。
LoRA ファイルは「CIVITAI(シヴィットエーアイ/シヴィタイ)」にある以下のページからダウンロードできます。
https://civitai.com/models/70788/rainbow-hair
こちらの LoRA は2023年5月20日に登録されており、現在のバージョンは「v1.0」です。
ダウンロードした LoRA ファイルは「Stable Diffusion web UI」をインストールしたフォルダを開いていって、上記の「LoRA」というフォルダの中に移動させてください。
「Rainbow Hair 彩虹发色(虹色の髪)」LoRA の適用
LoRA の適用は「生成」ボタン下の「花札」マークから「LoRA」タブ内にある「RainbowHairV1」をクリックします。
この LoRA を適用する際の「トリガーワード(Trigger Words)」は「rainbow hair」です。こちらをプロンプト欄に忘れずに入力しておきます。
強度(重み付け)は見本では「<lora:RainbowHairV1:1>」というかたちで「1」が指定されています。こちらは「0.8」にしても問題はありませんでしたが「0.6」にするとエラーで画像の生成ができませんでした。基本は「1」で適用するようです。したがって、LoRA の影響が画風や絵柄に及ぶ可能性があります。その場合はモデル(チェックポイント)を別のものに切り替えてみてください。
LoRA の導入と適用は以下のページに詳しくまとめてありますので、そちらの内容を応用してください。

髪色を工夫するだけでいつもと違うイラストを楽しむことができる!
基本的な設定
実際に LoRA を適用していくつか画像を生成してみました。基本的な設定は以下のとおりですが、プロンプトや解像は途中で一部変更しています。
masterpiece, best quality, 1 girl, solo, rainbow hair, medium hair, smile, hoodie, blue pants, street, <lora:RainbowHairV1:1>
(worst quality, low quality:1.4)
Steps: 20, Sampler: DPM++ 2M Karras, CFG scale: 7, Model: anything-v4.0, Denoising strength: 0.46, Clip skip: 2, Hires upscale: 2, Hires upscaler: R-ESRGAN 4x+ Anime6B
このページでは「高解像度補助(Hires.fix)」をすべての画像に設定しています。
「Rainbow Hair 彩虹发色(虹色の髪)」LoRA の適用例その1
解像度は「512×768」を2倍の「1024×1536」に高解像度化しています。それらをブログの掲載にあたって縮小しています。
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
虹色の髪の乙女たちが誕生しました。髪色を虹色に変えるとポップな感じでキャラクターが華やかになります。
グラデーションの程度は画像を生成する度にまちまちです。色の配置を見比べてみてください。
こちらの LoRA は髪色をいつも無難に「brown hair」や「black hair」にしてしまっている方におすすめです。また、この LoRA を独自のキャラクターに適用することでイメチェンに繋がって、いつもと違う新鮮なキャラクターに見えるようになるかもしれません。
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
髪色がなかなか面白い表現になっているのではないでしょうか。
こちらに掲載している画像は、見本に登録されている画像と比べると虹色の表現が随分と違っています。見本は色味がもっとビビッドかつシャイニーです。どちらが良いかは好みもありますので何ともいえませんが、見本のほうが好みである場合にはモデルを別のものに変える必要があります。ただし、見本の画像にはモデルの記載がありませんでした。
なお、この LoRA は「medium hair」を指定しても「long hair」になることがあります。また、この虹色は髪だけでなく服装に対しても影響が及ぶことがあります。下段の左側がその代表例でしょう。こういう色味のパーカーも綺麗ですね。
「Rainbow Hair 彩虹发色(虹色の髪)」LoRA の適用例その2
こちらでは「Regional Prompter(リージョナル・プロンプター)」という拡張機能を使って二人のキャラクターを出して、片方に LoRA を適用してみました。そのため、プロンプトを少しだけ変更し、解像度も横長に変更しています。
![]() |
![]() |
このように二人のうち一人の髪型を虹色にすることもできます。
左の画像のように二人の人物がそれぞれ中央線より左右に配置されているときには、LoRA を適用した右側のキャラクターの髪色だけが変更されています。
それに対して、右の画像における左側のキャラクターは中央よりも右に入り込んでいるため、右側にかけた LoRA の影響を受けて髪の一部が影響を受けています。こういうことも起こる場合があります。
それから、この LoRA を左右のキャラクター両方にかけられるか試してみましたが、エラーが発生して画像を生成することができませんでした。「Regional Prompter」を使わなければできると思いますが試していません。
また、LoRA を適用している側はその他のオブジェクトも虹色の影響を受けるようです。家具や置物がカラフルになる傾向があります。
「Regional Prompter」の詳細は以下のページをご覧ください。


「Rainbow Hair 彩虹发色(虹色の髪)」LoRA の適用例その3
今度は背景を「starry sky」に変更してみました。虹色の髪と星空はマッチしそうな気がします。また「upper body」を追加して上半身が大きく描写されるようにしています。
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
このように背景を暗めの場所に変えてみることで虹色の髪色が寄り鮮明に浮かび上がります。
髪色は画像を生成するときにどうしても定番の色になりがちです。そういうときに、今までに設定したことのないような色合いに変えてみてはいかがでしょうか。
色々な組み合わせを試してみることでAI画像生成の新しい道が開けるかもしれません。


