マルチツールには便利な機能がたくさん搭載されています。ドライバー、レンチ、栓抜き、缶切りなどの機能はアウトドアシーンから防災用途でも活躍の場面があります。薄くて軽いマルチツールは防災バッグやアウトドア用バッグの中に入れておくと役立つときがくるかもしれません。
以前、セリアで販売されていたカード型のマルチツールを紹介したことがあります。
ダイソーでも2019年秋頃(?)からカード型のマルチツールが発売されています。そこで、今回はダイソーから発売されているマルチツールを2種類紹介します。
ダイソー「マルチツール(キーホルダー型)」の概要
最近、100円ショップはアウトドア用品がとても充実していますね。カード型のマルチツールだけでも2種類が発売されています。どちらも薄型軽量、金属製のマルチツールです。ただ、形状と機能はそれぞれ異なります。
ここでは、ダイソーで販売されている「マルチツール(キーホルダー型)」を紹介します。
製品情報
品名 | マルチツール(キーホルダー型) |
シリーズ | CAMPING TOOL |
機能数 | 9種類 |
機能 | 栓抜き、レターナイフ、キーホルダー、+ドライバー、-ドライバー、定規、ボルト・ナット回し、釘抜き、スポークレンチ(2サイズ) |
サイズ | 85mm × 40mm(3.3in × 1.6in) |
重さ | 25g(実測値) |
材質 | ステンレス鋼 |
製造国 | 中国 |
発売元 | ダイソー |
以前、セリアのマルチツールを紹介した際にも指摘しましたが、安価なマルチツールは搭載されている機能が簡易的であることと、精度の悪さが目立つところに問題があります。そうはいえど、緊急時になにもないよりもマルチツールが一枚あるほうが心強いでしょう。いざというときの備えの一つとして防災バッグに入れておくことは悪い判断ではないと思います。
この「マルチツール(キーホルダー型)」は、アウトドア用品のコーナーに陳列されています。アウトドア用品コーナーになければ念のために、キーホルダーコーナーか、キッチンコーナーの栓抜きのあるところも確認してみてください。
マルチツール(キーホルダー型)の機能一覧
こちらのマルチツールは9つの機能が搭載されています。各機能を簡単に見てみましょう。
1)栓抜き
マルチツールのもっとも目立つ頭の部分が栓抜きになっています。瓶ビールの栓を開けることができます。使用感は一般的な栓抜きと大きく変わりません。
栓抜きの横幅は広いところで30mm、縦幅は中央部で15mmです。
2)レターナイフ
先端部の窪みがレターナイフとして機能するようです。レターナイフを使う機会はめっきり少なくなりましたね。
レターナイフ部は切り欠きが3mmから5mmほど斜めに入っています。レターナイフ機能を実際に試してみたところ封筒をスムーズに開けることができませんでした。笑
3)キーホルダー
先端部の小さい穴がキーホルダーになっています。個人的にはキーホルダーの穴が機能の一つに数えられている点に違和感を覚えます。
キーホルダー穴のサイズは横幅が13mmで縦幅が広いところで5mmほどです。
4)+ドライバー
プラスドライバーは十字の形状が表面しかありません。普通のプラスドライバーを真っ二つにしたものをイメージしてください。この点はカードタイプだから仕方のないところです。
プラスドライバー機能は緊急時にしか使えそうにありません。使用時はネジの駆動部をつぶさないように注意する必要があります。
5)-ドライバー
マイナスドライバー機能は多くのマルチツールに搭載されているポピュラーな機能の一つです。マイナスドライバーの使用頻度が一番高いかも知れません。何かをこじるときにも使えます。
6)定規
3cm分とはいえ定規機能が付いています。ものの厚みをちょっと測りたいというときに便利かも知れません。
ほかの定規(文房具)と比べてみましたが、ズレは特にないようです。
7)ボルト・ナット回し
ボルトやナットを回すときに使います。ボルトやナットはミリサイズで4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mmの7段階に対応しています。
8)釘抜き
ボルト・ナット回しの片方は釘抜きとしても使えます。ただし、細い釘にしか対応していません。
釘抜きは細いところで1mmから2mmしかありません。日曜大工で使用するような太い釘には絶対に使えません。
9)スポークレンチ(2サイズ)
栓抜き側と本体側の間の窪みがスポークレンチになります。左右に2サイズが搭載されています。スポークレンチは自転車のホイール内側にあるスポークの調整に使います。
スポークレンチの幅は4mmと5mmです。
マルチツール(キーホルダー型)のデザイン
パッと見た印象では、その特徴的な形状からマルチツールというよりは栓抜きに見えます。
マルチツールの裏面には特になにも記載はありません。セリアのマルチツールは錆が少し浮かんでいましたがダイソーのマルチツールには錆は見られません。ただし、使い込むと黒い塗装が剥げると思われます。
サイズはパッケージに記載されているとおりです。このマルチツールの厚みは2mmほどで、一般的なキャッシュカードよりも少し厚みがあります。財布のカードポケットに収まる大きさになっています。
ダイソー「マルチツール(カード型)」の概要
次にカードタイプのマルチツールを見てみましょう。
製品情報
品名 | マルチツール(カード型) |
シリーズ | CAMPING TOOL |
機能数 | 10種類 |
機能 | 栓抜き、缶切り、レターナイフ、ボックスオープナー、皮むきナイフ、定規、分度器、マイナスドライバー(4サイズ)、蝶ネジレンチ、六角レンチ(6サイズ) |
サイズ | 85mm × 55mm(3.3in × 2.2in) |
重さ | 33g(実測値) |
材質 | ステンレス鋼 |
製造国 | 中国 |
発売元 | ダイソー |
マルチツール(カード型)の機能一覧
カード型のマルチツールは10個の機能が搭載されています。各機能を簡単に見てみましょう。
1)栓抜き
中央の穴が栓抜きになっています。栓抜きは普通の瓶ビール等に使用できます。ただし、栓抜き機能は最初に紹介したマルチツールのほうが使いやすいです。
栓抜きの横幅は広いところで25mm、縦幅は中央部で12mmです。
2)缶切り
缶切り機能がカード端に搭載されています。先端が尖っているので注意が必要です。
缶切りの隙間は6mm前後です。缶切りは非常時に重宝しそうです。
3)蝶ネジレンチ
蝶ネジレンチは栓抜きの下に付いています。この機能は蝶ネジやヒートンを回すために使用します。蝶ネジは蝶ボルトともいわれ、ネジの頭部に羽のような取っ手が付いたネジを指します。また、ヒートンは額縁などを吊り下げるフックの付いた吊り金具です。
4)皮むきナイフ
4つ目の機能として皮むきナイフが搭載されています。ただし、指で撫でても指先は切れません。果物や野菜の皮を剥くようなものではないと思います。
最初はコードの被覆を剥くためのものかと思いました。しかし、皮むきナイフ部の幅が7mm程度しかなく先端もそれほど鋭利ではないためコードの被覆は剥けないように思います。同様にパラコードの切断も厳しいと思います。
5)-ドライバー(4サイズ)
カードの角がすべてマイナスドライバーになっています。皮むきナイフの横に付いているマイナスドライバーはものすごく使いにくそうです。
6)六角レンチ(6サイズ)
六角レンチはミリサイズで5mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mmの6サイズが搭載されています。
7)ボックスオープナー
ボックスオープナーは宅配で届いた段ボール箱を開封するために使用します。
8)レターナイフ
レターナイフは封筒の開封に使用します。この機能はキーホルダー型のマルチツールにも搭載されていました。
実際に使用してみると封筒がビリビリに破けてしまいました。笑
9)分度器
セリアのマルチツールに搭載された「簡易方向読み」というものですね。方角を確認するために使います。
10)定規
5cmの定規が付いています。ほかの定規と比べると微妙に線がズレているように見えますが、0cmの白線の内側から5cmの白線の内側まででちょうど5cmのようです。
定規の下の円い穴に機能はないようですが、ストラップ等を通すことができます。
マルチツール(カード型)のデザイン
カード型のほうがシンプルな印象を受けます。各機能が白字ではっきりと表記されており、視認性がとても高くなっています。
裏面には何も記載されていません。
サイズはパッケージに記されているとおりです。キャッシュカードなどと同じ大きさです。マルチツールのほうがキャッシュカードよりもやや厚みがあります。しかし、マルチツールは財布のカードポケットにすっぽりと収まるようにできています。
マルチツール2種の比較とセリアのマルチツールを加えた比較
本体はどちらもブラックカラーで引き締まって見えます。
カード型はすべての機能の名称が白字で記されています。それに対してキーホルダー型は数値の表記しかありません。
ダイソーの2種類のマルチツールを重ねて比べてみると、キーホルダー型のほうがコンパクトに作られています。厚みはキーホルダー型のほうがやや厚いです。
セリアのマルチツールとあわせて三つを比べてみました。いずれのマルチツールも100円(税抜き)にしては良くできています。
搭載されている機能と見た目で選ぶと良いと思います。
カードタイプはセリアのほうがコンパクトなサイズですがやや厚いです。
マルチツールは防災バッグに入れておきたいアイテム
これらのマルチツールは100円(税抜き)で購入できる製品のためマルチツールのお試しとして最適だと思います。
マルチツールは小型軽量のため防災バッグに入れておいても負担になりません。それどころか有事の際にマルチツールを持っていることで不便をせずに済むかもしれません。
ただし、マルチツールに搭載されている各機能は、市販の工具の性能と比べると精度は劣り使い勝手も悪いです。いずれのマルチツールも最低限度の機能を備えているものと理解しておくことが肝要です。
各ツールに精度の高さを求めるのであれば、有名メーカーの製品を手にされることを強くおすすめします。ダイソーやセリアのマルチツールは、レザーマンやビクトリノックスなどの有名メーカーの製品と比べるとまったく違います。機会があればアウトドア用品点で確認してみてください。