第二種電気工事士の技能試験で用いる種々のケーブルの中には、ホームセンターでは手に入らないものもあります。
そのようなケーブルを単独で入手するには試験材料としてネットで切り売りされているものを購入する必要がありますが、このほかにも専門店で購入するという方法があります。
そこで、実際に店頭販売しているお店を探して、入手の難しい部材がどのようなかたちで販売されているのかを調べてみました。このページには手に入る長さや購入時の参考価格などの情報を写真とともに掲載しています。
最初から分かっていたことではありますが、特殊な電材は個別に入手するよりもセット販売されているものを手に入れることが定石といえます。
また、何度も練習する予定で材料の追加が後から必要になると見込まれるときは、練習用部材セットの2回分や3回分を予め選んでおくことが無難です。このあたりは、ご自身の手際の良さや要領の良し悪しを振り返って検討してみてください。
VVRケーブルやEM-EEFケーブルの入手について
特殊なケーブルをお店で単品購入することは難しい(2022年12月15日追記)
技能試験で用いられるケーブルのうち、VVRケーブルやエコマテリアルケーブルなどはホームセンターではなかなか手に入りません。これらのケーブルはセット販売以外ではネットの切り売り販売を利用するのが一般的です。ただ、アマゾンでは「Amazonが販売・発送」のものが選べず、送料が商品ごとに別途掛ってしまう場合があります。
技能試験の練習用部材は大阪市内にある共立電子産業のシリコンハウスという店舗で取扱いがあります。ネットショッピングは共立エレハウスです。検索ボックスに「電気工事士」と入れて検索すると細かい部材が出てきます。
こちらのシリコンハウスというお店は日本最大級の電子部品専門店として知られています。昔は恵美須町駅付近のマクドナルドの横にありましたが、今は角のビルに立派な店舗を構えています。
このお店の1階左奥に電材コーナーがあります(2022年6月時点)。そこに第一種電気工事士と第二種電気工事士の技能試験で使用する練習用部材がばら売りされています。他にもスイッチやコンセント、ホーザンの試験用工具などが陳列されていました。
ケーブル類に関しては次の入荷分から値上げするといったことが書かれていたように思います。そのため、こちらで掲載している参考価格よりも高くなっている可能性もあります。また、お店を訪れたときには欠品している部材もあったので、試験ギリギリになってから買いに行くのはリスクが高いです。
ちなみに、大阪市の日本橋(にっぽんばし)にある電気部材の専門店を何軒も覗いてみましたが、電気工事士技能試験の練習用部材を置いているところは私の確認した限りではありませんでした。一般の電気工事に使われるものと試験に使われるものは重複しないものも多いということです。
技能試験のための練習用部材を取り扱っているお店は東京にもあるかもしれませんが、少なくとも地方では店頭での入手が難しいと思われます。取扱店を東京でも探してみましたが残念ながら見つけることはできませんでした。
(2022年12月15日追記)東京では秋葉原駅電気街口中央通り総武線のガード下にある九州電機株式会社において、電気工事士技能試験用のケーブルや器具などの取扱いがあるようです。ケーブルの切り売りや器具のばら売りもしているようです。第二種電気工事士技能試験の部材はこちらのページで見ることができます。
候補問題と使用する部材
各候補問題でどのような部材を使用するかについては、たとえばホーザンの技能試験対策のページ等を見ると写真で詳しく分かります。
数問分の部材のみを集めて練習するという場合は、このようなページで必要なものを確認してから部材を集めるとよいでしょう。
VVRケーブル1.6mm2芯
VVRケーブル1.6mm2芯は候補問題No.13で約300mm必要になります。VVRケーブル1.6mm2芯のは長さ1mで340円(税込)でした。
一般的によく使用されるVVFケーブルはケーブル外装が平形ですが、VVRケーブルは丸型になっているという特徴があります。
VVRケーブルの外装を剥く練習はできることならしておきたいですね。外装の中に介在物が入ってるため、他のケーブルとは感触が異なります。
VVRケーブル2.0mm2芯
VVRケーブル2.0mm2芯は候補問題No.8において約250mm必要になります。VVRケーブル2.0mm2芯は長さ1mで313円(税込)でした。
VVRケーブルの外装剥離は、ケーブルストリッパーのVVFケーブル2.0mmのところに噛ませて、VVRケーブルを回転させながらハンドルを何度か軽く握ってやることで綺麗に剥くことができます。これは何度か練習するとすぐにコツが掴めます。試験当日に初めてVVRケーブルに触れるということのないようにしておきたいです。
EM-EEFケーブル2.0mm2芯
エコマテリアルケーブル(EM-EEFケーブル)2.0mm2芯は候補問題No.1で約250mm使用します。エコマテリアルケーブル2.0mm2芯は長さ1mで254円(税込)でした。
このエコマテリアルケーブルは、見た目はVVFケーブルのように見えますが、外装の素材に粘り気があり切断時の感触がVVFケーブルとは異なります。外装が上手く切断できずに繋がったままの箇所が出てくることがありますが、その時は電工ナイフで軽くなぞってやると上手くカットできます。
こちらはVVFケーブルでも十分に代用することができますが、指定の材料を使って練習したいという方は追加を検討してもよいかもしれません。
VVFケーブル2.0mm2芯(ケーブル外装が青色のもの)
VVFケーブル2.0mm2芯は複数の候補問題でそれなりの長さを使用します。VVFケーブル2.0mm2芯(青色外装)は長さ1mで231円(税込)でした。
こちらのVVFケーブル2.0mm2芯は、ケーブル外装が青色のものになります。VVFケーブル2.0mmは大型ホームセンターで普通に入手できます。ケーブル外装が青色という以外に違いはありません。これは一般的なVVFケーブルでも代用が可能であるため、特段の理由がない限り追加する必要はありません。
VVFケーブル2.0mm3芯(ケーブル外装が青色のもの)
VVFケーブル2.0mm3芯は候補問題No.4で約550mm使用します。VVFケーブル2.0mm3芯(青色外装)は長さ1mで330円(税込)でした。
明工社のランプレセクタプル
ランプレセクタプルはほぼ全ての候補問題で使用します。ランプレセクタプルは試験では明工社の製品(MR2301)が使用されているという情報があります。この製品とパナソニックの製品では仕様が微妙に異なるようです。
ホームセンターで販売されているものやセット販売されているものは、パナソニック製のランプレセクタプルであるため、試験と同じものが欲しい場合に入手を検討してください。上述したお店では明工社のランプレセクタプルも何個か陳列されていました。
技能試験の本番では、どのメーカーの製品が使用されたのかは確認していませんが、セットに含まれていたもので練習していてもまったく問題なく施工できました。どうしても手に入れなければならないものではありません。
輪作りに苦手意識のある方は本番を想定した練習をしておくとよいかもしれません。2022年11月現在、こちらはアマゾンでも普通に入手できるようです。
ねじなしボックスコネクタ用の「とめねじ」
「とめねじ」は候補問題No.11で使用します。「とめねじ」は10個で120円(税込)でした。
「とめねじ」は「ねじなし電線管(E19)」と「ねじなしボックスコネクタ(E19用)」を電気的に接続するために使用します。「とめねじ」を締めた後に頭の部分をウォーターポンププライヤーを使ってねじ切ります。
この作業は何度も練習するものではないと思いますが、セットの中にはネジが1個しか付属していないため、練習は一度しかできません。
この「とめねじ」単品はホームセンターでは手に入りません。「とめねじ」の予備が欲しい方は、大型ホームセンターで「ねじなしボックスコネクタ(とめねじ1個付き)」または「ねじなしカップリング(とめねじ2個付き)」を買ってネジを使い回すという手があります。後者は価格が安くてネジも2つ付いています。価格は確か100円前後だったと思います。
ねじ切った「とめねじ」を取り外すには、下で紹介しているウォーターポンププライヤーの内側のノコ刃で挟んで回してやると簡単に外すことができます。普通のペンチではどうやっても外すことができませんでした。
技能試験の対策として手に入れておきたいもの
上で紹介した以外に「IV線」「端子台」「ねじなしコネクタ」「PF管用ボックスコネクタ」「絶縁ゴムブッシング」など技能試験で使用する大体のものが個別に揃います。大阪近郊にお住まいの方は足を運んで見てはいかがでしょうか。
特殊なケーブルを余分に用意しておきたいという方は、このページで紹介しているお店に行くか、ネットショッピングで購入するかになります。けれども、色々なケーブルを別々に用意すると手間も送料も余計に掛ってしまいます。ですから、不安な方は練習用部材の2回セットや3回セットを最初から選んでおくとよいかもしれません。
とはいえ、ほとんどの方は1回分を上手く使い回せば何とかなると思います。特殊なケーブルは1周目ではカットせずに長いまま使うという作戦もありです。あるいは、電線のみのセットを後から必要に応じて追加するという手もあります。
このページで紹介しているケーブルのばら売りや切り売りを利用する方法は、技能試験で使用するケーブルを少しずつ用意して、候補問題の中から数問だけを厳選して練習した後に試験本番に臨むという省エネスタイルの方にも適しています。