棚板の縁を綺麗に面取り加工したいと思い、2021年末のAmazonのセールで安くなっていた電動トリマーを購入しました。
トリマーは以前から欲しいと思っていましたが、購入するならセールの時にしようと先送りにしていました。その間に色々な機種の特徴やレビューを調べていました。
最終的にE-Value(藤原産業)のトリマー「EWT-450N」を選びました。この製品は安価なトリマーの定番機種のひとつです。このページでは、製品の外観や付属品などの詳細をまとめています。
作業の内容によってはトリマーよりもマルチツールのほうが適していることがあります。どのような道具が最適なのかを事前に検討してみてください。
E-Value(藤原産業)のトリマー「EWT-450N」
トリマーがあると机や棚をより綺麗に仕上げられる
トリマーは「飾り面加工」「面取り加工」「ミゾ切り加工」などができるため、DIYにおける木材加工の幅を広げることができます。ウッドクラフトを楽しみたいという方に最適の製品になっています。
この製品は、髙儀のEARTH MAN「TR-100」と並ぶ安価なトリマーです。どちらの製品もDIY用途の入門機種という位置づけのようです。
今回は、Amazonの2021年11月のセールで安くなっていたEARTH MAN「TR-100」とE-Valueの「EWT-450N」の性能とレビューを比較検討して、後者の「EWT-450N」を購入してみました。購入時の価格は5,585円でした(参考)。なお、高儀の製品は4,000円台半ばまで下がっていました(参考)。
これまでEARTH MANシリーズの製品を使っていたこともあり、当初はトリマーもそれにあわせて「TR-100」にする予定でした。同じシリーズを採用することで、デザイン的に統一感を持たせることもできます。
しかし、両方のレビューを比較してE-Valueのトリマーに決めました。アマゾンのレビューが特に参考になりました。どちらの製品も長短があると思いますが、低評価のレビューの内容を比較するとE-Valueのトリマーのほうが良さそうに感じました。
E-Valueのトリマーと一緒に「ボーズ面ビット」「集じんプレート」「集じんホース」なども併せて購入しました。
同時に使用するものはまとめて購入しておくと後々ホームセンターに買いに走らずに済みます。それに「集じんプレート」のような特殊なパーツはホームセンターに在庫がないこともあります。
E-Valueの「EWT-450N」の特徴
この製品の特徴は、450Wのモーターが採用されていること、各種ガイドが付属していること、持ちやすい細径ボディになっていることなどが挙げられます。そして、安価なトリマーの中では定評があります。
パッケージ裏面に見本として記載されている作業例は以下のとおりです。
付属のストレートビットを用いて、木材にミゾ切り加工を行うことができます。付属の平行ガイドを使うことで、写真のように直線の加工が正確に行えます。
ガイドを調整するか、市販のビットを取り付けることで、ミゾの幅をもっと広くすることも可能です。
予め用意しておいたテンプレートを用いて、ナライ加工が可能です。
ナライ加工をすることで、ひょうたん型などのように特殊な形状のミゾを彫ることができます。他にも文字を彫るといったことができます。
付属しているガイドを利用することで、円切り加工が行えます。平行ガイドの取り付け方向を変更して、半円や円をかたどっていくことが可能です。
ただし、切削加工はいずれのビットを使用したとしても、一度に切削できる深さは3ミリまでとなっています。無理矢理に深く彫ろうとするとモーターに負荷がかかって故障の原因になります。そのため、堅い木を彫る際は1~2mm程度の浅めに設定して様子を見たほうが良さそうです。
こちらが付属品の一覧と製品の仕様です。購入前に見ておくべき点がいくつかあります。
電動工具や機械は定格使用時間が定められています。この製品の場合は、定格使用時間が30分となっています。だから長時間の作業を連続して行うことはできません。
ビット軸径は6mm(コレットチャックφ6mm)です。色々な種類のビットがセットになった製品がE-Valueから発売されています。対応したサイズのビットであれば別のメーカーのビットでも使用することが可能です。
重量は約1.6kgと少々重いかもしれませんが、片手で持って使えるサイズです。コード長は2.6mで、卓上でも使用できる長さが確保されています。
型式名 | EWT-450N |
電源 | 100V |
周波数 | 50/60Hz |
消費電流 | 4.8A |
消費電力 | 450W |
定格使用時間 | 30分 |
回転数 | 31,000min-1 |
ビット軸径 | 6mm |
本体質量 | 約1.6kg |
コード長さ | 約2.6m |
絶縁方式 | 二重絶縁構造 |
Amazonの販売ページのスペックには「29000回転/分」と表記されていますが、製品のパッケージには「31000min-1(31000回転/分)」と表記されています。
レビューによるとリョービのコレットチャックが応用できるようです。コレットチャックを変更することで、1/4サイズ(6.35mm)のビットが使えるようになります。これによって、ビット選択の幅が飛躍的に広がります。
トリマーの付属品
収納ケース
この製品にはトリマー本体と付属品を収納できるケースが付いています。ケースはよくある安い工具セットに付いているものと同じような作りです。ケースのサイズはマキタの電動ドライバーの専用ケースと同じくらいあります。
ライバル製品のEARTH MAN「TR-100」はハードケースが付いておらず(ソフトケースが付属)、価格も安く設定されていることを踏まえると、ケースなしで販売価格を下げてほしいというのが本音です。
簡易ロックがハンドルの両脇に付いています。(上の写真の場合)赤いパーツを手前に引き起こすことでロックが解除されます。
この簡易ロック機構は正直に言ってとてもチープです。でも、車に積んだときに勝手にばらけないという意味ではないよりマシといえます。
収納ケース内の配置
ケース内は本体と付属品が決められた位置にきっちりと収められています。付属品を自由に再配置することはほぼできません。このあたりも市販の安価な工具セットと同じような作りになっています。
こちらが付属品を収める位置になります。
替えのビットは(購入時のパッケージから出せば)小さいものであれば隙間に収納することが可能です。
付属品一覧
すべての付属品を取り出して並べた状態です。同梱物は、トリマー本体、取扱説明書、スパナ小、スパナ大、テンプレートガイド、トリミングガイド、平行ガイド、ストレートビットです。
ミゾ切り加工だけであれば、付属品だけですぐに使い始めることができます。机や棚の面取りをする場合は、ボーズ面ビットなどが別に必要になります。
取扱説明書
取扱説明書の内容は簡易なものになっており、具体的な作業例等は必要に応じてYouTubeやブログ等を調べなければいけません。
電動トリマーは使い方を間違えるとケガに繋がるため、使用前に説明書をしっかりと読む必要があります。こちらの取扱説明書は以下の藤原産業の公式サイトで確認することができます。
(参考)
E-Value トリマー 450W EWT-450N(藤原産業公式サイトの製品ページ)
スパナ大小
大小のスパナはコレットナットを緩めてトリマーのビットを変更する作業に使用します。これらのスパナは薄すぎず厚すぎず、とても使いやすいと感じました。
テンプレートガイド
テンプレートガイドです。特殊な加工を施す際に必要になります。
このパーツは今のところ一度も使用していません。
トリミングガイド
トリミングガイドは棚の面取り作業などに使用します。コロが棚の側面をスムーズに移動していくことで、面取り時の作業性が高まります。
平行ガイド
平行ガイドはまっすぐにミゾを彫るといった作業に使用します。また、円切り加工にも使用できるようです。
ストレートビット
6mmのストレートビットが1本付属しています。簡単なカバーが付いていましたが、写真のとおり開封時からボロボロでした。最初は刃に油が固着しているのかと思いました。
ビットの先端は大変鋭利になっていますので、触れるときに指先を切らないようにご注意ください。先端に被せるカバーを用意したほうがよいかもしれません。
面取り加工をはじめとした様々な加工を行う場合は、別のビットを装着する必要があります。作業に必要なビットを単品で買い揃えていくという手もありますし、最初から色々なビットが入っているセットを用意しておくという手もあります。私はとりあえずSK11の「トリマービット ボーズ面」を購入しました。
このトリマーと同じE-Valueからもビットセットが出ています。また、ボッシュの製品も定評があるようです。どちらも軸径は6mmです。
他にも中国のショップから安価なビットが山のように販売されていますが、以下の二つの製品は有名メーカーであることに加えて、「Amazonが販売・発送」を選ぶことができるという点で安心感があります(2022年1月現在)。
トリマー本体
トリマーのデザイン
こちらがE-Valueの電動トリマー本体です。約1.6kgの重量があるためずっしりとした重みがあります。けれども、短い時間の作業では問題なく片手持ちができそうです。
いずれにしても、定格使用時間が30分となっているので、20分程度使ったらしばらく休ませないといけません。
約2.6mのケーブルは柔らかめで取り回しがしやすくなっています。
ボディカラーは赤色ではなく朱色のような色合いです。デザイン性だけでいえば、EARTH MAN「TR-100」のほうが好みです。
本体の真ん中が少し窪んでいるため、片手でも持てるようになっています。手の小さい方にとっては、少し持ちにくく感じられるかもしれません。
本体の正面に透明のカバーを固定するレバーがあります。ビットを取り付ける場合は、最初に透明のカバーを外します。
透明カバーを上下に移動させることで、ビットの先端部の出具合を調整します。透明カバーの脇に簡易な定規が付いているため、刃の調整時に一つの目安にすることができます。
電源コードは本体上部から出ています。手前のレバーが電源のオンオフスイッチです。スイッチはオンオフしやすいレバータイプです。電源コードを差し込む前に、スイッチがオフになっていることを確認します。
この製品はソフトスタート機能がないため、スイッチをオンにするとフル回転します。回転した状態の騒音レベルは、個人的な感覚になりますが、コードレス掃除機よりも大きく従来型の家庭用掃除機よりも小さいと感じました。
こちらがトリマーの底面です。ビットの先端がベースプレートの中央に位置しています。
固定レバーを開いた状態です。これで透明のカバーを外すことができます。ワンタッチレバー操作はとても便利です。
ゴムローラーを上下することによって、透明カバー/ベースプレートを移動させて、切り込み深さを調整します。このゴムローラーは微調整がしやすく、とても工夫されているといえます。
こちらが透明カバーを外した状態です。
透明カバーの下部にあるベースプレートはネジを緩めて取り外すことが可能です。リョービ(京セラ)の「集じんプレート」と交換することで、集塵機や掃除機のホースを接続して使えます。私が購入した製品は既にリョービから京セラのパッケージに切り替わっていました。
ビットの交換方法
ビットの着脱時は透明のカバーを外します。それから付属のスパナでナットを緩め、ビットを取り付けてから、ナットを再び締め付けていきます。
ビットの着脱方法は取扱説明書にも掲載されています。
片方のスパナで本体側のナットを押さえつけて、それからもう一つのスパナでコレットナットを緩めていきます。本体側をしっかり押えていないと軸が回転してしまいます。
付属のスパナは専用品だけあってとても使いやすいです。
使用するビットを挿入します。
ここでは付属のストレートビット6mmを取り付けています。
ビットは奥まで挿入して1mmほど手前に戻してから、コレットナットを締め付けて固定します。
ビットの装着や調整の際に手を切らないようにご注意ください。ビットの先端はとても鋭利になっています。手袋があると安心です。
透明カバーを取り付けてから、ビット先端の出具合を調整して、固定レバーを閉じます。
装着したビットが本体と垂直になっているか、ビットの先端が意図したとおりに出ているかなどを差し金で確認します。
一度の切削作業は3ミリまでとなっています。問題がなければ作業に入ります。
平行ガイドの取り付け
付属の平行ガイドは透明カバーの側面に取り付けることができるようになっています。
平行ガイドの左右位置を蝶ネジで調整します。
平行ガイドの側面をプレートの内側に持ってくることもできます。
トリミングガイドの取り付け
付属のトリミングガイドも透明カバーの側面に取り付けることができます。
トリミングガイドの位置を各部のネジで調整します。
意図した位置になっているかどうかを何度も確認します。
切削時にコロが材の側面を移動することで、スムーズに作業を行うことができます。
カーボンブラシの交換方法
モーターを搭載した電動工具の多くでは、摩耗したカーボンブラシを交換する作業が必要になることがあります。ただし、「ブレシレスモーター(BL)」が採用されている高価格帯の製品はその必要がありません。
EWT-450Nでは本体の横のカバーをマイナスドライバーで外してからカーボンブラシを交換します。EWT-450Nの専用部品がアマゾンでも販売されています。
トリマー「EWT-450N」について
E-Valueの電動トリマー「EWT-450N」は、総合的にみて質実剛健な作りであり、DIY場面における木工作業の幅に広がりをもたせてくれるアイテムであるという印象を受けました。安価なトリマーを求めている方は、この「EWT-450N」か「TR-100」の内容を比較されることをおすすめいたします。
各種作業にもう少し使用してから使用感や耐久性に関する情報を追記しようと思います。また、同時に購入したアイテムについても別の機会に紹介する予定です。