このページでは第二種電気工事士試験の技能試験対策に必要な練習用部材を紹介しています。
練習に使用する各種部材は、大型ホームセンターでも全てを揃えることは難しいのが実情です。ケーブル類と一部の器具がどうしても手に入りません。このページでは各部材がホームセンターで入手できるかどうかについての独自調査の結果を表にまとめています。
結論から言って、セット品を利用するほうが確実です。技能試験用の部材セットは各社から色々なシリーズが販売されており、中には複数回の練習が可能となったセットもあります。とはいえ、銅や部材の高騰などもあって、充実した内容のものはどれも値段が高いです。なんとか安く抑えたいものですね。
技能試験の対策は下記のページに掲載しています。
第二種電気工事士技能試験の部材はホームセンターで手に入るのか?
入手の容易さについて
ここでは各カテゴリーに基づいて、各部材のホームセンターにおける入手の可能性を四段階で示しています。ホームセンターや電気用品店など十店舗以上を回って、個人的に調べた結果をまとめています。
◎ | 入手容易。小さなホームセンターでも手に入ることがほとんど。 |
○ | 入手可能。中型以上のホームセンターで販売されていることが多い。 |
△ | 入手可能。大型ホームセンターに置いてあることが多い。 |
× | 入手困難。店頭で見かけることがない。ネットショッピング推奨。 |
店舗で取扱いがない製品でも、メーカーと型番が分かっていれば注文できる場合があります。試験で使用する単純なコンセントやスイッチは、ホームセンターでもネットでも値段が大きく変わりません。
なお、以下のリスト内の個数表示は当該部材の必要個数を示しています。
ケーブル
VVFケーブル2.0-2C(青色外装) (600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル平形2.0mm2芯) |
◎ (外装が灰色のもの) |
VVFケーブル2.0-3C(青色外装) (600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル平形2.0mm3芯) |
○ (外装が灰色のもの) |
VVFケーブル2.0-3C(黒・赤・緑) (600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル平形2.0mm3芯) |
× |
VVFケーブル1.6-2C (600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル平形1.6mm2芯) |
◎ |
VVFケーブル1.6-3C (600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル平形1.6mm3芯) |
○ |
VVRケーブル1.6-2C (600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル丸形1.6mm2芯) |
× |
VVRケーブル2.0-2C (600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル丸形2.0mm2芯) |
× |
EM-EEF2.0-2C(エコマテリアルケーブル) (600Vポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレン シースケーブル平形2.0mm2芯) |
× |
「VVFケーブル1.6-2C」と「VVFケーブル2.0-2C」はもっともメジャーなケーブルだけあって概ねどこのお店でも手に入りますが、「VVRケーブル」の1.6と2.0はお店では入手困難です。
電線
600Vビニル絶縁電線1.6mm(IV1.6)(黒) | △ |
600Vビニル絶縁電線1.6mm(IV1.6)(赤) | △ |
600Vビニル絶縁電線1.6mm(IV1.6)(白) | △ |
600Vビニル絶縁電線1.6mm(IV1.6)(緑)(アース線) | ○ |
アース線は割とどこでも手に入りますが、それ以外の線は大型ホームセンターでも取り扱っていないところがあります。
コンセント等
埋込連用取付枠 | ◎ |
露出形コンセント | ◎ |
埋込形コンセント | ◎ |
埋込形コンセント2口 | ◎ |
埋込形コンセント(15A125V接地極付接地端子付) | ○ |
埋込形コンセント(20A250V接地極付) | ○ |
引掛シーリング角型 | ◎ |
引掛シーリング丸型 | ◎ |
ランプレセクタプル | ◎ |
コンセント類は需要が高く、小さなホームセンターでも取扱いのあることが多いです。
ランプレセクタプルは、パナソニック製のものが容易に手に入りますが、試験では明工社製のものが使用されているようです。形状やネジのサイズ等に微妙な違いがあるようですが、パナソニック製でも十分に代用できます。
スイッチ類
タンブラスイッチ 2個 | ◎ |
タンブラスイッチ(3路) 2個 | ○ |
タンブラスイッチ(4路) | ○ |
位置表示等内蔵スイッチ(ほたるスイッチ) | ○ |
パイロットランプ(赤) | ○ |
配線用遮断機(安全ブレーカ)(100V・2極1素子) | △ |
スイッチ類もコンセント類と同じく入手は容易です。
ジョイント部
アウトレットボックス(金属製) | △ |
合成樹脂可とう電線管(PF16)100mm程度 | × 大型店で長いものあり。 |
合成樹脂可とう電線管用コネクタ(PF16) | △ |
ねじなし電線管(E19) 100mm程度 | × 大型店で3.66mのものあり。 |
ねじなしボックスコネクタ(E19) | △ |
絶縁ブッシング(E19) | △ |
とめねじ(予備の分) | × ネジだけは入手困難。 |
ゴムブッシング(19) 3個 | ○ 大型店は単品購入可 |
ゴムブッシング(25) 3個 | ○ 大型店は単品購入可 |
「とめねじ」は予備が必要な方以外は購入する必要がありません。どうしても必要な方は「ねじなしボックスコネクタ(とめねじ1個付き)」または「ねじなしカップリング(とめねじ2個付き)」を大型ホームセンターで購入してネジを使い回すのが手っ取り早いです。
結線
リングスリーブ(小) | ◎ |
リングスリーブ(中) | ◎ |
差込形コネクタ(2本用) | ○ |
差込形コネクタ(3本用) | ○ |
差込形コネクタ(4本用) | ○ |
端子台6極 | △ |
端子台用シール | × 付箋等で自作推奨。 |
いずれも大型ホームセンターでは単品購入ができます。小型ホームセンターではパック入りやケース入りしかないことがほとんどです。
部材は個別に揃えるよりもセット販売されているものを選ぶほうが入手が容易で間違いがありません。試験にしか使わない部材は単独での入手が特に困難です。各部材をお店で個別に揃えようとされている方はその点にご注意ください。
私は色々迷った末に以下のセット品を利用しましたが、結果として大満足でした。おすすめです!
練習用の部材は別々に揃えるよりもセットのほうが手軽で確実!
ホーザン「DK-51(第二種電工試験練習用 1回セット)」
ホーザンの「第二種電気工事士技能試験 練習用部材 DK-51 1回用 ハンドブック付」は練習用セットの定番品として支持を得ているものです。これを手に入れておけばまず間違いありません。
このシリーズは他にも「2回セット」や「3回セット」などが販売されていまが、ほとんどの方は1回セットで十分です。どうしても不安を感じるという方や、何度も練習したいという方は、複数回分入っているセットを選んでください。
このセットを選んだ理由は、評価が高いという点はもちろんですが、「Amazonが販売・発送」を選べるという点にあります。
通常の購入では、この外箱に伝票が貼り付けられて発送するようです。今回は他の商品とあわせて購入したこともあって、部材セットも一緒に別の箱に入って送られてきました。
このようなセット品を購入すると、技能試験の練習に必要な部材がすべて含まれていて大変便利です。
スイッチやコンセントなどの器具、VVFケーブル1.6mm2芯などの主要なケーブルは大型ホームセンターでも手に入ります。しかし、VVRケーブルやねじなし管用ボックスコネクタなどの部材はなかなか手に入りません。
そのため、練習用の部材は最初からセットで購入することをおすすめいたします。
1回セットの付属品一覧
1回用セットは全候補問題を1回ずつ練習することができる内容になっています。ケーブルやリングスリーブはやや余るようになっています。
実際に、私はこの1回用セットで全候補問題を2回ずつ練習して、その後に時間のかかる候補問題と苦手な候補問題の3回目を5個ほど練習しました。
付属の小冊子が意外と便利!
ホーザンのセットには「第二種 候補問題 全13問」が掲載された小冊子が付属しています。そこには各候補問題の「単線図」「複線図」「完成図(写真)」が掲載されており、ひじょうに役立ちます。自分の描いた複線図が合っているかどうかもすぐに確認できます。これは便利!
技能試験用にテキストを購入しない方も、この冊子があれば十分です。技能試験の試験会場では、この小冊子を見ながら試験開始前の最終確認をしている方が一定数いました。
ただし、受験者の半数近くは技能試験用のテキストを読んでいたことも事実です。市販のテキストは、細かい作業やよくある欠陥などが写真付きで詳説されているというメリットがあります。慎重派の方はテキストの購入をおすすめいたします。
もしかすると、試験会場でホーザンの小冊子を見ていた方も、自宅ではテキストを読んでいたのかもしれませんが……。それでも、こちらの冊子とYouTubeやネットの情報だけで合格は可能です。
セットに付属している各種ケーブル
こちらはVVFケーブル2.0mmの2芯です。このケーブルは電源から出てくるケーブルとしてよく使います。3芯も別に付属しています。
このケーブルは大型ホームセンターで手に入りますが、ケーブル外装が灰色のものになります。
こちらはVVFケーブル1.6mmの3芯です。このケーブルはジョイントボックス間やスイッチへの配線でよく使います。
このケーブルも大型ホームセンターで手に入ります。
こちらはVVFケーブル1.6mmの2芯です。このケーブルは使用頻度が一番高いです。
これと同じケーブルを少し(3~5m)追加しておくと3回目の練習が捗ります。
その他のケーブルは袋にまとめて詰め込まれています。
VVFケーブル2.0mmの3芯(赤黒緑)、VVRケーブルの2.0mmと1.6mm、EM-EEF(エコマテリアル)ケーブル2.0mmの2芯、IV線1.6mm(黒・赤・白・緑)が含まれています。
これらのケーブルのうち、最初の三種類は大型ホームセンターでは取り扱っていないようです。このような貴重なケーブルを無駄にせず上手く使い回すことで、2回(もしくは3回)の練習ができるようになります。
ケーブルは1回目の練習では長いまま使用して、2回目以降の練習では先端(芯線が露出している)部分だけをカットするように工夫すると何とかなります。これとは別に、ケーブルを無加工で2回目以降の練習に単純に使い回す場合は、カットしたり剥いたりする時間を後から完成時間に加算しておきます。
スイッチやコンセントなどの器具とリングスリーブなどの消耗品
スイッチ、コンセント、引っ掛けシーリング、ランプレセクタプル、安全ブレーカ、アウトレットボックスなどの器具は、ホームセンターでも簡単に手に入れることが可能です。
しかし、「PF管(合成樹脂可とう電線管)」と「ねじなし電線管」の10cmサイズのものは普通の店では手に入りません。大型ホームセンターで長いもの(数メートル)を買って自分で切断すると、かなりの無駄が生じて費用もかさみます。
ホーザンの練習用部材セットを購入すると「合格クリップ」という製品が5個も入っています。このクリップは3本以上の電線を結線するときにとても役立ちます。
もしも別のメーカーの練習セットを手に入れたとしても、単品で追加することが可能です。「合格クリップ」の使用によって結線作業の高率が飛躍的に高まります。この他にも効率化&時短に繋がる便利ツールがあります。以下の記事をご覧下さい。
こちらは埋込連用取付枠とリングスリーブの小と中です。埋込連用取付枠は器具を取り付け取り外ししているうちに、枠の一部が金属疲労で破断することがあります。これは小さなホームセンターでも手に入りますが、セットに十分な枚数が入っているため追加は不要です。
リングスリーブは結線のミスが多いと余分に必要になります。また、2回以上練習をする場合には追加で必要になります。プラケースに入ったものを用意しておくと安心です。余分にあると圧着工具の使用練習もできます。リングスリーブは小さなホームセンターでも手に入ります。大型ホームセンターでは単品で購入できます。
さて、ここまで見てきたように電気工事士技能試験の練習用部材は、バラでの入手が難しいものがいくつかあります。そういうことを考慮すると最初からセットで用意しておいたほうがよいといえます。
ご予算に余裕のある方と慎重派の方は最初から「2回用」や「3回用」を選び、一般の方と節約派の方は「1回用」を選ぶという形でよいと思います。部材と工具がセットになった製品もあるようです。工具がまだ準備できていない方は部材とあわせて手に入れておくとよいかもしれませんね。
上述したように、特殊なケーブルを上手く使い回すことで練習回数を増やすことができます。電気工事士の試験はとにかくお金がかかります。ですので、できる限り費用負担を減らしたいものです。