住宅用の火災警報器(火災報知器)は法律で各家庭への設置が義務づけられています。ところが、実際に火災警報器が設置されているご家庭は少ないのではないでしょうか。
法律改正後、新築は建築時に組み込まれていることがほとんどです。一方で、築年数が経っているご家庭では未設置のところも少なくありません。現在のところ、火災警報器を取付けていなくとも、罰則規定はありません。しかし、安価な火災警報器ひとつで守られるものが数多くあるように思えます。
総務省消防庁によると、住宅用火災警報器の設置の有無によって、死傷者数と焼損床面積に明らかな差があるということです。
住宅用の火災警報器は、それほど価格の高いものではありません。けれども設置の効果はきわめて高く、生活の安全性を劇的に高めてくれます。しかも誰でも簡単に設置できます。
火災警報器を設置して防災を強化する!
防災の見直しと火災警報器の増設
私の家には既に火災警報器が設置されています。けれども、先の首里城火災のニュースに衝撃を受けて、わが家では火災対策の見直しを行っていました。そうして現在、防災力を一段と強化するため、火災警報器の交換と増設を行っています。
住宅用火災警報器の取り付け場所を調べてみると、本当にたくさんの部屋に取付ける必要があることがわかります。ある程度の築年数のお宅であればキッチンくらいしか設置されていないかもしれません。
取付位置は下記に紹介している総務省消防庁のホームページがもっとも分かりやすいと思いますので、ぜひ一度目を通してみてください。「えっ、こんなに取付けないといけないの!?」とびっくりしますよ。加えて、お住まいの市町村の条例によって設置箇所が指定されている場合もありますので、そちらも確認する必要があります。
・住宅火災関係(総務省消防庁公式サイト)
住宅火災と住宅用火災警報器の効果についての情報があります。必見!
・住宅用火災警報器Q&A(総務省消防庁公式サイト)
住宅用火災報知器をどの部屋に取付けなければいけないのかが簡単に分かります。また、住宅用火災警報器の疑問点について細かく解説されています。
火災警報器の選び方
家では設置が定められた場所には既に設置されています。そのため、古くなった製品を新しい製品に交換したり、未設置の場所に余分に設置したりといったかたちで対応を進めています。
火災警報器には、単独で動作する「単独型」と、ほかの火災警報器で感知した内容を別の火災警報器に伝達してくれる「連動型」があります。一軒家であれば「連動型」が好ましいことはいうまでもありません。「連動型」の火災警報器は、一台が煙(もしくは熱)を感知すると、ほかの火災警報器にも警報音が鳴ってお知らせしてくれます。
しかし、無線で連動するタイプの製品は価格が高いことが難点です。数点買ったら数万円にもなってしまいます。もちろん安全性にはかえられない部分はあると思います。
私は「単独型」を選びました。コストパフォーマンスが著しく高いことから、住宅用火災警報器の取り付けをコスト面で躊躇している方に強くおすすめできます。
今回、私が購入した製品がパナソニックの「けむり当番(SHK38455)」になります。この製品は火災による「煙」を感知して警報を鳴らす製品です。安心のパナソニックの製品です。とりあえず、こちらを設置しておけば間違いないと思います。
なお、火災による「熱」を感知して警報を鳴らす製品もあります。こちらは、同じくパナソニックの「ねつ当番(SHK38155)」という製品です。機能の違いを理解した上で製品を選ぶ必要があります。
住宅用火災警報器の外観とデザイン
パナソニック「けむり当番」のパッケージ
ホームセンターや電気屋さんで販売されている火災警報器は綺麗なパッケージに入っています。一方、業務用と思われる火災警報器は、新築現場などで業者さんが使っているような簡素なパッケージに入っています。過剰な梱包は一切なし。その分、お値段がお手頃になっています。中身は市販品と変わりません。簡易梱包は資源の観点からみても優れた取り組みといえます。
「電池式」を採用している点や「煙」を感知するタイプである点を確認する必要があります。
取付けベースの外し方が図解されています。誰でも簡単に外すことができますので、まったく心配いりません。
パナソニックの「けむり当番」の同梱物一覧です。内容はとてもシンプルです。
パナソニック「けむり当番」の詳細
「けむり当番」の取扱説明書です。取扱説明書は、ほとんど図解されているため誰でも理解できます。こういう点が日本メーカーの良いところだと思います。
火災警報器の取付場所とおすすめ機器が紹介されています。どの場所も「けむり当番」で対応できそうです。
具体的な取付位置は天井か壁面になります。火災警報器は天井または壁面から一定の距離をあけて設置しなければいけないようです。
また、天井付近に梁やエアコンがある場合は取付位置を調整する必要があります。
設置前に取り付けできない位置を確認しておかなければいけません。
専用電池(バッテリー)の外装に付いている透明フィルムは剥がしてはいけません。私は危うく外してしまうところでした。
天井にネジ止めする場合の説明が記載されています。
壁面に取り付ける場合の説明です。天井にせよ壁面にせよ両面テープの使用は禁止とあります。私は自己の責任で強力タイプの両面テープを用いました。
なぜ両面テープによる取り付けがいけないのか明確な説明がほしいところです。壁に穴を開けられない(開けたくない)ご家庭も多いはずです。また、取付位置に鉄骨の柱があってビスが通らないということもあるかもしれません。
おそらく「落下のリスクがある」ということが理由か、もしくは「テープが熱で溶ける」ということも考えられますが、そうなったときにはもうどうしようもなくなっているような気がします。
パナソニック「けむり当番」のデザイン
こちらがパナソニックの火災警報器「けむり当番」の本体です。製品はとてもコンパクトかつシンプルな外観です。
上部の穴から警報音が流れます。下部の「警報停止」と書かれたボタンは警報を停止するときと動作確認するときに使います。警報の停止は、左にあるひもを引いても行えます。火災警報器は比較的高い位置に取り付けることが多いため、ひもは必須です。
火災警報器を側面から見た状態です。厚みは気になるほどではありません。
火災警報器の裏面です。
裏蓋を外すと電池(バッテリー)を収容できます。
パナソニック「けむり当番」の取付け方法
本体に電池(バッテリー)を取り付けます。本体に電池の端子を差し込んでから、電池を電池ケースに収納します。
配線して電池(バッテリー)をセットした状態です。
壁面への設置には超強力アクリルフォーム両面テープを使用しました。この両面テープは、封筒に使う薄いタイプではなく、テープに厚みのあるタイプです。
火災警報器の裏面には凹凸があるため、厚みのある両面テープが適しています。
本体の裏面に両面テープを貼り付けた状態です。両面テープでの取り付けは自己の責任に基づいて行う必要があります。
火災警報器の取付位置を確認して、壁面を清掃しアルコールで脱脂しています。
取り付けが完了した状態です。壁紙の切れ目の部分は避けるようにしました。
火災警報器の設置と増設は安全性の向上につながる!
このように火災警報器の設置は誰でも簡単に行えます。必要な物は、火災警報器本体とドライバー(もしくは両面テープ)だけです。
安価で行える防災としては効果が高いためにかなりおすすめできるものといえます。台所や寝室だけでなく階段や廊下などさまざまな場所に設置しておくと安心感が高まること間違いなしです。
なお、火災警報器は近所のホームセンターでは3,700円程とかなり高かったです。結局、私はアマゾンで同等品を購入しました。2019年11月の購入時点では1,700円でした。2021年10月現在、安価な製品は他にもいくつかあるようです。
(2021年12月20日追記)パナソニックから新しいモデルが出ています。
【けむり感知】
【ねつ感知】